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<既刊『弓を楽しむ』の続編です>

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弓を楽しむ心

香坂昌康著『我弓我観』百題

中的之箭可取必者
自従容閑暇得之也

的を中てるの箭の必を取るべきものは、
従容閑暇よりこれを得るなり。

【射経:正志 第四】

本の紹介

概要
香坂昌康著『弓を楽しむ』に掲載された「我弓我観」百項目を読み解く目的で書いたのが本書です。それぞれの項目に関係する弓道書や漢文・漢詩などを調査し、できる限り多くの文献を引用しました。古典・古書から現代書に至るまで延べ300以上の名言・名句並びに名文章を掲載しましたので、弓を楽しむ心の素養として読んでいただければ幸いです。
目次

まえがき[13]
第一 射は正を養ふの道なり[15]
第二 射は道なり 技に止まるべからず[20]
第三 射は正なり大なり[24]
           ・・・
第百 日本弓道の大精神 大理念を…[396]
あとがき[401]
句数索引[403]
引用文献[410]

「まえがき」より

祖父は、心から弓を楽しんだ人で、その様子は先に上梓した『弓を楽しむ』にあふれています。この本に掲載された「我弓我観」百題の一つ一つをじっくりと味わいながら、参考文献を引用したのが本書です。昔の弓道誌に掲載された「我弓我観」には多くの漢詩や格言が書き添えられていたのですが、紙幅の関係や私の不勉強もあって『弓を楽しむ』では、そのほとんどを割愛しました。

今回、あらためて百項目のそれぞれが言わんとする真意を求めて、祖父が読んだであろう文献にあたってその一部を引用しました。古い漢籍などもあり読みづらい面もありますが、雰囲気を味わっていただければ幸いです。全ての引用に訳文も添えましたので、現代語訳のみを読んでいただいても構いません。

引用文献
引用文献総数は231、引用文の総数は323です。
引用文の内訳は、
[弓道]・・・・・・・・85
[漢文・漢詩]・・・・・92
[禅・仏教]・・・・・・37
[剣道・武道]・・・・・22
[気・気功]・・・・・・・9
[格言・全集]・・・・・29
[近代・準古典]・・・・21
[その他]・・・・・・・26
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本文の内容(抜粋)

第一 
射は正を養ふの道なり


(抜粋)
現代の弓道では「真、善、美」が掲げられていますが、武道の理念として「心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度」も生きています。

 武道は、武士道の伝統に由来する我が国で体系化された武技の修錬による心技一如の運動文化で、柔道、剣道、弓道、相撲、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道を修錬して心技体を一体として鍛え、人格を磨き、道徳心を高め、礼節を尊重する態度を養う、国家、社会の平和と繁栄に寄与する人間形成の道である。

 <武道の理念:日本武道協議会:平成20年10月10日制定>

第四十 
尊ぶべきは 気品 風格


この言葉は祖父が最も〝自分に言い聞かせた〟言葉だと想います。どうすれば、気品や風格を身につけることができるのでしょうか。祖父は、この章に漢詩三篇を添えています。
最初は明代の詩人、史鑑の作で「樂清」と題する五言律詩です。この詩にある次の言葉は政治家の尾崎行雄が揮毫したことで知られています。清らかで気高い山の上に月がピタッと位置を定めて光っている、という水墨画が目に浮かぶような良い言葉だと想います。

青山塵外相  青山は塵外の相
明月定中心  明月中心を定める

浄土宗の僧侶である山崎弁栄は、この書に次のような注釈をつけています。
[解説]
能々悟りたる人より観れば、遠近の山のかぜも皆浮世の塵を離れてきよらけき相に当る。嘯月は禅定中の澄浄たる心と同じ姿である。月のやうなこころとも心のやうな月ともいへ得る。
(以下略)
第六十二 
的中は射の目標である。大いに重んじなければならぬのは勿論である。
しかし的中は射の全体では無い。之のみを偏重すべきではない。

「的中は従容閑暇のうちにあり」とは良い言葉だと思います。李呈芬は『射経』の中で、次のように語っています。

故に、的を中てるの箭の必を取るべきものは、従容閑暇よりこれを得るなり。未だ匆忙恍惚にして、必を取るべきことあらざるなり。匆忙にて中ることあるは、また幸ひなるのみ。

[訳]
故に射侯の矢が必ず的中を取りうるのは、従容閑暇の平穏さの中から保証されてくるのである。忙々繁多で精神の集中を欠きながら、必中を取りうるということはあったためしがない。落ち着きのない忙ただしさの中で、的中があるのは、まぐれ幸いにしかすぎない。

【射経:正志第四:濱口富士夫著:明徳出版社】
(以下略)

第八十四 
霊 源 丹 田  霊 流 全 身  霊 果 正 鵠

『射学正宗』に心胆を養い修めることの重要性が述べられています。いくら射法を学んでも、「度、胆、気」の三つに根本を置かないと、神妙の域には達しないと説いています。

よく考へて見るのに、度量の広き事や、胆力の壮なる事や、気分の和平なる事は、皆射技の頼りて以て巧妙の技を行ふ事の出来る基となるものである。此三のものを捨て置てに法を言ふても、法用をさんやである。彼の射て法を知らざる者は言ふに足らざれども、法を知るもを度、胆、気の三に根本を置かざれば、法もより神妙の域に達せざるのである。
【弓道講座 第10巻:武経射学正宗講義:弁惑門 第十二:小沢瀇:雄山閣】

[訳]
度量の広いことや胆力の盛んなことや気分の穏やかなことはみな弓射る技のおかげで、その上手名人の技を行うことができる基となるものである。この三つのことを捨ておいて、ただ無闇に法を言っても法は役にたたない。どうにもならないのである。世間の弓を射ても法を知らない者は論外であるが、法を知ってもその基本を度、胆、気の三つにおいて習わねば、法も神妙な域には到達しないのである。これは射において大きな惑いとなるところであるから、わきまえ知らねばならないのである。

【武經射學正宗解説:弁惑門 第十二:村河清詳解:仲和良著:弓道誌2002年4月号】

(以下略)

著者

香坂昌康(こうさか まさやす)
1881年~1967年(享年87歳)
弓道範士十段
昭和七年 第二十九代 東京府知事
昭和三十六年 全日本弓道連盟副会長
小学校入学前から弓を引き、八十歳を過ぎるまで、生涯弓道を趣味として楽しんだ。
巻藁稽古の重要性とその楽しさを説き、巻藁礼賛の詩など、弓道に関する著作を多く残している。

中村 渺(なかむら はるか)
1949年1月生まれ(香坂昌康の孫)
平成二十年 事務機メーカーを定年退職
五十五歳から弓道を始め「下手を楽しむ」こと長年にわたるが、祖父に見習い八十歳で巻藁を引く
ことが現在の目標である。
令和三年『弓を楽しむ』を上梓した。

本の装丁について
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本書はオンデマンドによる印刷・製本のため、一般の書籍流通ルートでは購入していただけません。・・・A5版、420頁

2022.6.6 公開 春風庵書房