この検査では、歯周病原因菌として考えられている3菌種(Td菌、Pg菌、Tf菌)と、それ以外の2菌種(Aa菌、Fn菌)を定量的に検査することができ、歯周病における世界最先端検査であります。歯周病に大きな影響をおよぼしている3菌種は通称レッドコンプレックスと呼ばれて重要視されています。レッドコンプレックスとは次の3菌種です。
Td菌:らせん状菌:歯周病の重症度や活動度などの免疫抑制作用に関連していると考えられている
Pg菌:短桿菌:歯周炎の程度との関連があると考えれられている
Tf菌:桿菌:歯周組織破壊の激しい部位で高率に発見されており、難治性歯周炎の指標となります
さらにこの3菌種以外に
Aa菌: 短桿菌:侵襲性歯周炎:若年性歯周病の原因菌と考えられている
Fn菌: 桿菌:歯垢形成の中心的役割を担っている
を確認することが可能です。
歯周病菌を検査する各種検査方法には長所・短所があります。
位相差顕微鏡による検査はレッドコンプレックスと呼ばれている3つの歯周病菌のうちPg菌とTf菌の2菌種を見ることはできません。歯周病菌DNA検査のリアルタイム-PCR法は、歯周病に関連する3菌種あるいは5菌種を定量的に判断するとともに、指標値から考えられる歯周病リスクの判断をすることが可能となる検査方法となります。残念ですが、この検査は院内独自で測定することはできませんので、採取した検体をDNA検査を専門に行っている熊本県のMicroexam社 へ検査・解析を依頼しております。この検査結果をもととして治療方針を組み立てることとなります。