演劇無料塾

〜29歳以下の若手俳優へ、無料で100時間の俳優指導〜

Q
なぜ無料なのか?
A
成長することへの言い訳をなくすためです。
これまでたくさんの若手俳優達に出会ってきましたが、皆口を揃えて言う言葉が「お金がない」です。
これは多くの俳優が抱える、いわゆる定番な悩みでもあると思うのですが、若い世代にとって深刻なのは、それによって学ぶ機会を失ってしまっているということです。
幸いにも金銭面に余裕があった僕は、20代のうちに日本はもちろん、世界を回って、様々な舞台を経験し、優秀な指導者達から指導を受け、貴重な体験をたくさんさせてもらいました。
そしてその経験が、今の自分のパフォーマンスや指導に、存分に生かされていることも自負しています。
このように、20代までの経験がかけがえのないものだということを身に染みて知っているからこそ、お金を理由に学べない人達に、その機会を惜しみなく与えたいと思ったのです。
Q
どんな俳優を育てるのか?
A
演劇無料塾をやる上で、大切にしていることは2つです。
1つは、プロアマ関係なく、良い俳優を育てること
現在イタリアで活動中の演出家・井田邦明さんがこんなことを言っていました。
「俳優にプロアマはない。だが良い悪いはある。」
実際、俗に言う「売れている俳優」の中にも悪い俳優はいるし、サラリーマンをやりながら演劇をやっている人の中にも良い俳優はいます。
ここでは、より売れるためではなく、より良くなるための稽古と指導を行っていきます。もう1つは、世界一ではなく、最高の自分になること
100人俳優がいれば、100人の良さがあります。特に多様性が重要視されるようになってきた現代において、自分の良さを生かしていくことは大切です。
ここでは、メンバーそれぞれが、自分の良さを発見し、最大限に活かすことが出来るための稽古と指導を行っていきます。
Q
大切にしていることは何か?
A
僕が俳優教育の上で大事にしているのは「自由」と「自立」です。
自由とは恐れがないことです。そしてその恐れは、自分の頭の中にある批判者から生み出されます。常に頭の中で「うまくやらなきゃ」「正しくやらなきゃ」といった言葉が繰り返されることで、心身が固まり、パフォーマンスの邪魔をするのです。そして特に日本の俳優教育システム(一般教育もそうだが)がそれを助長しているのです。
日本では「あなたは不十分である」からスタートし、足りない技術をどんどん身につけていく足し算の教育をします。それによって俳優は常に自分を否定し、批判するようになってしまうのです。それに対して欧米では「あなたは十分である」からスタートし、それを阻害している不安や緊張を取り除いていきます。恐れが俳優のパフォーマンスの妨げになることを理解しているからです。
そしてこの教育による弊害は、俳優の在り方にも影響しています。日本では演出家や指導者との間にヒエラルキーがあり、俳優は彼ら彼女らの指示に従います。もちろん最終決定権は彼ら彼女らにあるのですが、そのせいで多くの俳優は受動的で指示待ちになり、創作への参加度が薄まってしまいます。これが現在までの俳優の地位の低さにも繋がっていると思います。
この演劇無料塾では、恐れをなくすこと、それによって創造的になることを目指します。どんな作品にでも自発的かつ積極的に参加し、アイデアを出し、自ら遊び心をもって実戦することが出来る。そんな俳優になることを目指します。
Q
どのようなカリキュラムで進めるのか?
A
以下が100時間の大枠の流れです。

Term1. 自由な在り方

どんな役を演じようとも、舞台上に立つのはあなたです。ここでは舞台上の恐れをなくし、ありのままのあなたで立つことを目指します。主にクラウニングを通して、愛されるあなたを発見し、心身ともにオープンになっていきます。また哲学対話などを通して、演劇や俳優に対する考えを話し合い、自分自身と仲間への理解を深めていき、安全で安心できる稽古場、関係性を築いていきます。

Term2. イマココを生きる

舞台上で恐れを感じると、頭の中に入ってしまい、イマココからいなくなってしまいます。イマココで生きるための一番良い方法は「外に意識を向ける」ことです。演技の場合だと、特に相手が一番のターゲットになります。世界的演技指導者であるスコット・ウィリアムズの提唱するマイズナーテクニックを用いて、相手と繋がり、イマココを生きる演技を目指します。

Term3. 俳優と役の身体(キャラクタリゼーション)

演劇は芸術の一種ですが、俳優の身体はスポーツ選手のそれに近いと思います。常に外に対して開かれ、イマココを生き、一瞬一瞬に反応出来る身体を持っています。舞台に上がったら、相手に意識を向け、全てをその瞬間に委ねますが、基礎としての身体が伴うことでよりその精度と質が高まります。ラバンエフォート、マイケル・チェーホフテクニック、シアターマスクなど、俳優向けの身体訓練を通して、理想的な身体を作っていきます。
Term4. 演劇=遊び

僕の師匠であるイギリスの演出家のマイク・アルフレッズは、本番の動きを一切決めず、その時に生まれた俳優の衝動に任せています。彼の著書のタイトルは「Different Every Night」つまり「毎公演異なる」です。そのために緻密な稽古と役作りをし、毎回毎回違う公演を行うのはまるでスポーツのようなエキサイトがあります。演劇は「Play」であり、遊びでもあります。今日はどんなものが生まれるかというワクワクをもっていつも演技が出来たら、どんなに楽しいでしょう。最後には彼の提唱する方法をもって、脚本芝居を実践します。

以上4段階の流れを汲み、最終的には発表会を行う予定です。
Q
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A
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第3回演劇無料塾『欲望という名の列車』発表会

過去参加者の感想

  • 演技のコーチというのは、本当に人を見抜くことが上手い人、という印象が今までのWSなどであったのですが、忍翔さんも紛れもなくそうでした。その人の本心というか、気持ちに実直に向き合って、一緒に遊んだり探求しながらも、それとなく導いたり、行き止まりであることをを教えてくれたり、一人の参加者として純粋に嬉しかったですし、楽しかったです!(第1回参加者 島林瑞樹)
  • 忍翔さんはいろんなメソッドを学んでいらっしゃるので、いろんな方向からお芝居のアプローチのやり方を教えてくださるのがとても魅力的でした。言葉で動けないなら、身体から挑戦してみよう、もっと言葉に頼ってみよう、と自分の中で意識しながらワークする事ができました。感情、身体、関係性、お客さんからの見え方、他のレッスンでは一つのことに着目して教えてもらっていたので、新鮮な気持ちで学ぶ事ができた気がしています。(第1回参加者 斎藤朱海)
  • ワークの度に、演技の癖や心理的なブロックとなっているもの、とりがちな行動などを丁寧に指摘して気付かせてもらえたこともとても有難かったです。「次はこんなふうにやってみて」という指示を受けて自分もみんなも演技が変化してどんどん良くなっていくのを何度も目の当たりにしました。私たちは「既に持っている」から、それをどのように自分で引き出しすのか、ヒントを沢山頂きました。そして忍翔さんは個人に合った演技の引き出し方を見抜いて伝えてくれました。(第2回参加者 草野明華)
  • 忍翔さんの提供する空間では、クラウンやインプロ、マスクのワークを通して「恐れ」に気づかせてくれ、参加者個人個人に合わせて丁寧に取り除いてくれます。演者が本当に楽しんで演じている状態に、上手い具合に導いてくれるのです。これまで数々のワークショップやレッスンに参加してきたつもりですが、他では体験したことのない感覚を得られました。(第2回参加者 滝本圭)
  • 無料塾での稽古は、礼儀とかエゴとか恐怖とか後悔とか忖度とか責任とか、今まで身につけてしまった愛と勇気以外のたくさんのものを、丁寧に身体から剥がしていく時間だった。これが演劇であるならば、僕はこの先もずっと演劇を楽しんでいけるだろうな、と思う。演劇を教えてくれた忍翔さんと、一緒に挑戦を重ねたみんなに感謝しています。(第3回参加者 内田倭史)
  • こんなにも自由に楽しく色々なことを試せる場所で100時間も学べたことは、間違いなくこの先の俳優人生にとってかけがえのない財産になりました。いや、俳優人生だけじゃなく、私個人の人生にとってもすごく大きなものだったと思います。
    時間をかけて色々なワークを重ねていくことで、ワーク単体では気づけなかったことや、他の人のワークやフィードバックから新しいことに気がつけて、それを積み重ねた先でシーンを作れたのが今までと違う感覚でのお芝居に繋がってすごく面白かったです。。(第3回参加者 赤城奈佑)
  • とにかく楽しい、楽しい100時間でした。このひと言に尽きます。
    かつてこれ程演劇の稽古で笑ったことがあっただろうかと思うくらい沢山遊んで笑った日々でした。メンバー1人1人がとっても素敵でチャレンジャーだったので、「よし、私もやるぞ!」と毎回挑戦しやすかったです。また、そうなるように忍翔さんが稽古場の空気を作ってくれていました。安定しないでリスクを取る!その方が面白いし楽しい!共通言語がある仲間たちとのやり取りはとても刺激的で楽しいものでした。(第3回参加者 齊藤舞夕)
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演劇無料塾 卒業生

第1回 倉元奎哉、椛島一、石川剛、小駒ゆか、岸川明生、輝蕗、島林瑞樹、斎藤朱海

第2回 山本美佳、柄谷英明、吉村加菜実、江藤みなみ、宇都有里紗、草野明華、滝本圭

第3回 齊藤舞夕、となつ、ケイナ、赤城奈佑、こっちゅん、三島木優人、鈴木美緒、米澤剛志、結稀キナ、内田倭史

講師:忍翔(OSHOW)

世界を忍び翔けるインプロバイザー、俳優指導者。
18歳から英語劇を始め、児童劇、シェイクスピア作品、ブロードウェイミュージカルなどに出演。世界各国を巡り、インプロ、クラウン、マスクを探求、実践。500以上のパフォーマンスと、1000以上のワークショップを世界中で行い、ジャンルと言語の垣根を超えて幅広く活動している。