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【1】アンケートに該当するお子さんの学年
【2】お子さんの登校状況
【3】給食費の支払い状況
【4】給食費の支払いについて、学校内で解決できない場合の相談窓口をご存知ですか?
【5】長期に学校を休む場合やホームスクール・不登校の給食費について、学校からの説明や対応の事例
アンケートに該当するお子さんの学年は、小学校4年生の割合が20%と最も多く、次いで小学校2年生(18.2%)、小学校6年生(16.4%)と続きます。小学校4年生〜6年生の高学年で半数を占めていました。
登校頻度は、「全く行っていない」が48.2%と半数近くを占め、「月に4〜5回(週1〜2回)」と「半年〜1年で1〜2回程度」が併せて3割ほどいらっしゃいました。
給食費の支払いは、「給食を食べていないので支払っていない」と回答された方が70%いらっしゃる一方、15.5%の方が「給食を食べていないが支払っている」と回答されました。
残りの13.6%の方は、飲食した分や、牛乳代などの一部分を支払っていることが分かりました。
学校以外の給食費の相談窓口を、95.5%の方が「知らなかった」と回答されました。学校内での合理的配慮で解決するのが大前提ですが、なかなか話し合いが進まないこともあります。その場合は、
・スクールソーシャルワーカー
・教育委員会の指導主事
・自治体の学校給食課
が相談窓口です。ご家族だけで悩まず、ぜひ連絡をしてみてください。
学校で給食を食べない場合、給食費を減額したり、支払いを止めることができます。
しかし、学校が事前に説明をするケースはあまり多くなく、「不登校の先輩お母さんから給食費は止められると聞いた」等、情報源は保護者のネットワークに依存しているのが現状です。
学校内での話し合いでは解決できず、教育委員会や自治体の給食課から、学校長にかけ合ってもらったという声も寄せられました。アンケートの自由回答を一部抜粋してご紹介します。
・相談せずとも説明があった。事務局が丁寧に教えてくれた。
・個別支援学級の担任から「給食は食べた分だけ支払えます」と伝えられ、事務の先生から「学校教育費減額連絡表」の案内があった。
・もともと数日前からわかっている欠席についての返金制度もあるので、それと同様であるという旨をきいた。(いまは出席停止扱いのため)
・事務の方から「欠食届」(※)をいただき、すぐに対応してくれました。
また、食べたかったらすぐに再開できることを教えてもらっています。
(※)名称は自治体により異なりますが、教育委員会や自治体のホームページからダウンロードできたり、学校の事務の先生からもらえます。
・小学2年生から引越しで転校しました。不登校でホームスクールを希望する事をお話しすると、学校側からでは給食費も教材費もやめておきましょうと提案してくださいました。
支援コーディネーターの先生でした。
・不登校になる前から感覚過敏による偏食で給食が食べられなくなり、相談したら、給食を停止する手続きを取ってくれました。
・こちらから伝えて「そうですよね!もったいないですね」とすぐ止めてもらいました。
給食費がとめられることも不登校の先輩ママから聞きました。
・説明は特にない。こちらから止めてくれと申し出るまで約半年食べてもいない給食費を払っていた。
・こちらから何度かお願いしてやっと。
・説明は一切ありません。給食を止めたお友達もいますが、皆さん人に聞いてそんな方法があると知ったそう。
学校から説明があったとは聞いたことがありません。
・何も言われてないからそのまま引き落としが続いてる。
・学校からの説明などとくになし。
五月雨登校なので減額などの対応ができるとは思っておらず、こちらからも相談したことありませんでした。
・こういった話をすると「登校を諦めないで」と言われ、話にならない。
・何度も交渉しましたが、本気で取り組んではくれませんでした。
材料の調達があるので、前もってわかっていないと難しいとの事と、市から言ってもらっても回数食はできないとのことでした。
最終的に市の給食課の担当が校長会にかけてくれました。
・発達凸凹(学習障害の疑い有り)の息子がいます。
学校へ行けない日が増えてきたので、給食費を止めてほしいと担任に相談しました。
後日学校側から「給食費をとめる=学校は利用しないということです。今後学校と保護者の面談も無くなります」と言われ、支援の先生との面談も無くなるのは困ると思い、結局支払い続けることにしました。
ただ、よくよく考えると憲法には『学ぶ権利の保障』『義務教育は無償』とあるので、学校の見解はおかしいと思い、教育委員会に相談したところ、すぐに給食費は止めてもらえることになり、面談は継続となりました。
お子さんが「学校で給食を食べたくない」と意思表示していたり、保護者から見て給食が苦痛そうと感じられる場合には、必ず理由があります。家庭と学校でお子さんの様子を観察し、まずは学校でどのような配慮ができるかを話し合うのが大前提です。
文部科学省は、
「合理的配慮」は、個別に対応していくべきものであるため、その幼児児童生徒の状態に応じて変わっていくものであり、技術の進歩や人々の意識の変化によっても変わっていく可能性が高い。また、一人一人の障害の状態や教育的ニーズ等に応じて「合理的配慮」が決定されることが望ましく、現在例示しているもの以外の「合理的配慮」についても、広く情報共有されていくことが重要である。 (文部科学省「資料1 特別支援教育の在り方に関する特別委員会報告」)と明示しています。
給食に対しては、たとえば
・給食ではなくお弁当を持参する。
・嗅覚過敏がある場合は別室(保健室や校長室)で食べられるようにする。
・昼食だけ自宅で摂り、午後の授業に参加する。
などの配慮が考えられます。
まずは、担任に相談を。話が進まないようなら副校長、校長へ。話しにくい場合は養護教諭、スクールカウンセラー、児童支援専任を介して気持ちを伝えてみてください。
それでも解決しないときは、前述のスクールソーシャルワーカー、教育委員会の指導主事、自治体の学校給食課、必要であればスクールロイヤーが窓口です。
家庭と学校の話し合いで大事なのは、両者の立場は対等ということ。そして、いつでも話し合いの主題は子どもであること。最善策を更新しながら、お子さんにあった対応を考えていくのが、周りの大人の責務と考えています。
Branchの記事では、子どもが学校で給食を食べられないとき、先生にどう理解してもらえばいいか?を考えています。
感覚過敏研究所| KABIN LABの代表・加藤慈英さんのインタビュー記事も、お子さんの困り感を理解したり、学校との話し合いの参考になるかもしれません。
LITALICO発達ナビ「味覚過敏…?小学校の思い出は「給食が怖い」―ー苦しむ僕を救ってくれた恩師への感謝、大人への願い【感覚過敏な15歳社長 連載2】
(株式会社LITALICOより)
とはいえ、なかなか我が子の困り感を的確に伝えるのは難しいこともあります。そんなときは、感覚過敏研究所| KABIN LABのサイトも参考になります。お子さんの苦手なことや、感覚過敏について説明するツールが無料でダウンロードできます。
【教育機関(学校)向け感覚過敏相談シート】のダウンロードはこちらから。
ご相談・ご意見等ございましたら、ぜひ当家族会が定期的に開催しているホームスクール&ホームエデュケーション家族のZoom・保護者おしゃべり会にご参加いただくか、専用フォームからご連絡いただけましたら幸いです。
※本記事では、お子さんが給食を食べるのを嫌がったり、保護者から見て苦痛そうな場合には必ず理由があると考えています。その解決策を、アンケート結果を紐解きながら分析・考察したもので、学校給食を批判したり、給食費支払いの抑制を促すものではありません。
wrighting: 芹田 枝里
edit:熊谷 亜希子、芹田 枝里
2021.8.5