ガチボラ実施の背景
かねおく農園 奥野成樹(しげき)
<大阪のぶどう産業の現状> あまり知られていないことですが、大阪は全国8位のぶどう産地です。デラウェアという品種に限って言えば全国3位です。消費地に近いこともあり、新鮮なぶどうを市場出荷したり、直接お客様に販売することが盛んな地域です。ですが、ベテランぶどう農家の引退が進み、大阪のぶどう産業の斜陽化が急速に進んでいます。
<何が課題か?> この業界において、一番の課題はシンプルに「人手不足」です。ただ人手があればいいわけではありません。ぶどうの栽培は奥深く、単調には行えない生産工程がほとんどです。全く経験の無い素人に任せられる仕事は少ないです。また、年に100日ほどしか収穫期間がない(つまり収入が得られない)という、一発勝負型の経営なので、従業員の常時雇用をするのは他の農業品目よりもハードルが高いのが現状です。
<打開策を探りたい> 弊園も高齢のスタッフが働けなくなると回らなくなるのが現状です。近隣の農園でも大なり小なり同じような課題を抱えています。一方で、都市圏で生活をする方の中には農業の業界に興味を持っていらっしゃる方や、農作業が好きな方。もしくは、真剣に就農を検討している方がおられます。時代も一周回って、農業の魅力を感じる方も増えているように思います。
もし本当にそいう方がいらっしゃるのであれば、「農業経営者」と「農業に興味のある方」のマッチングを行い、両者のニーズを満たすことができないかと考えたわけです。会社を辞めて就農するのではなく、高額な農業スクールに通うのでもなく、まずは週末にプロとマンツーマンの農作業ボランティアから始めるのであればハードルも低いでしょう。
幸い弊園は大阪府内に位置しており、大阪市内から1時間以内でアクセスすることができます。週末に気軽に農園で作業をしていただくことも可能です。
まだ、試行錯誤の途中ですが、ガチの農作業体験が、都会での生活に疲れた現代人や、農業に積極的に関わりたい方とのシナジーを生み出せるのではないかと考えています。
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かねおく農園
奥野成樹(おくの しげき)
1986年12月1日大阪府生まれ。2011年同志社大学工学部卒業。卒業後、自動車関連メーカーで商品プランナー職に従事。2015年秋に脱サラ就農、2017年、おおさかNo(のう)-1グランプリ初代チャンピオンに輝き「OKUNARY」立ち上げ。現在オーナーは100名を超える。柏原市ぶどう品評会では受賞歴多数。メディア掲載多数。
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