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「このまま働き続けていいのか」「今のスキルで転職できるのか」--将来のキャリアや生き方に悩む女性は少なくありません。

2020年2月18日、ALTではそうした女性たちを対象に、自身の生きづらさをソーシャルな仕事につなげてきた3人の「N女」のトークとワークショップ「つまずきを『働く』につなげる〜ソーシャルキャリアという生き方〜」を実施しました。
なお、2019年から継続している本イベントですが、今回は府中市男女共同参画センターとの協働で開催させていただき、当日は満席となりました。
(前回のレポートはこちら:https://peraichi.com/landing_pages/view/alt-report

生きづらさと対峙しながら、自分の中の「ふつう」を壊し、自分らしい生き方・働き方に近づいてきた、3人のストーリーをご覧ください。

●イベントWEBサイト:https://peraichi.com/landing_pages/view/fuchu200218

※N女とは、社会貢献分野で働く女性たちのこと。


任意団体ALTとは

任意団体 ALT(オルト)は、経済的/精神的に自立した女性を増やすことをミッションとするNPO。
ジェンダーにまつわる課題、女性に関する課題や女性が活動したり働いたりする上での課題を、ソーシャルセクターで働く女性たちが組織を超えて協働し、事業を通じて解決する試みです。将来的には、男性やLGBTQに関する課題も対象としていきます。

【団体名の「ALT」の由来】
他のキーと併せると操作の切り替え、新機能の追加、特殊動作の実行ができるPCキーボードの「Altキー」に由来します。
事業を通じた課題解決により、社会における既存の価値観や社会通念に新たな価値を付加することをめざしています。

●ALT最新情報はFacebookページから!
https://www.facebook.com/wearethealt/

トークゲスト

海野 千尋(左、ALT、NPO 法人二枚目の名刺、NPO 法人 Arrow Arrow)
#家族って作る必要ある? #女性のライフイベントと「働く」の疑問 #1 つの場所で働かないといけないの?
1981 年静岡県生まれ。NPO スタッフ/キュレーター/編集・ライター。家族・女性の働く・ 働き方の固定観念を壊す活動中。
 
佐藤 祥子(中、ALT、NPO サポートセンターN 女プロジェクト)
#不登校経験者あるある #第二新卒の転職万歳 #「いい子」やめました
1992 年兵庫県生まれタイ育ち。NPO スタッフ/プランナー。企業から NPO へ。生きづらさとコミュニティをテーマに活動中。

杉原 志保(右、ALT、NPO サポートセンターN 女プロジェクト)
#女らしさ押しつけられる不快感 #旧姓でどこまでいけるか実験中 #私を勝手に決めないで
1975 年東京都生まれ。NPO スタッフ/フリーランス/大学講師。行政から NPO へ。ソーシ ャル分野の川上から川下までを経験し、ジェンダー問題に対峙しながら活動中。

3人が抱えてきた生きづらさとは?

海野さんの生きづらさ

現在3つの団体に所属し、マイプロジェクトと1つの肩書きと合計5つの「働く」を持つ海野さんは、「働くことが大好き!だからこそ苦しくない働き方をしたい」と言います。そんな海野さんは、「なぜ女性は出産で仕事を辞めるのか」この疑問と常に向き合ってきました。

 海野さんが働き始めたのはブラック企業という言葉が世に出現するよりも前。海野さん曰く、女性は「死ぬまで結婚せずに働き続ける」か「仕事は辞めて結婚・出産・子育てをする」の二択を迫られているようで、ご自身も「死ぬまで結婚せずにバリバリ働きます!」と考えていたそうです。

しかし実際に出産を機に退職する先輩を目にし、「なんで女性だけが仕事をやめなきゃいけないの?」という思いに至ったといいます。

佐藤さんの生きづらさ

現在3つの組織で仕事をする佐藤さんは、「社会の構造や環境によって生きづらさを感じている人が、少しでも生きやすくなる社会を作りたい」と言います。

中学に入るまでを外国で過ごした佐藤さんは、日本に帰国してから文化の違いや、親の「いい子になってほしい」という期待から、中学生で不登校に。通信制高校を経て「ふつうになりたい」という思いをもって大学に入学。でも、「ふつう」になるのはなかなか難しかったとか。就活や新卒で入った会社で過ごすうちに、これまでの自分は「ふつう」に囚われていて、「自分で人生の舵を取っていない」ということに気が付いたといいます。

それからは自分の中の「ふつう」や「こうあるべき」を越えたいと、模索の日々が続きました。

杉原さんの生きづらさ

現在NPOや大学に勤めながら株式会社を経営し、フリーランサーとしての顔も持つ杉原さんは、小さいころから「いつもジェンダーステレオタイプにつまずいてきた」といいます。

「男っぽい」性格や「ボーイッシュ」な容姿。ピンクが嫌、スカートをはきたくない、売られた喧嘩は買う、そんな自分を「男女(おとこおんな)」という周囲の言葉に「自分はもしや男なのか?」と不安に苛まれた瞬間は今でも鮮明に覚えている、と杉原さんは言います。

そう言ってくる周囲、そう思ってしまう自分とは何なのか。その疑問に向き合うため、大学院でジェンダーや政策について学んだ杉原さん。それにより「当たり前という枠で私を勝手に決めないで」「いつだって自分で選んで納得して生きていたい」ー自分でいいのだと気がついたといいます。

3人の生きづらさが仕事につながるまでのプロセス

海野さんのプロセス

現在代表理事を務めている、NPO法人Arrow Arrowとの出会いがきっかけだったと海野さんは振り返ります。

子育てや介護などに左右されずに「働く」を選択できる組織や個人をつくることをミッションに掲げるNPO法人Arrow Arrowと出会ったのは、自分が女性の「働く」に疑問をもち、生きづらさを感じていた時。これだけ日本社会や経済状況が変わっているのに、当時の出産退職をする女性の割合が30年前と変わっていないことを知り、愕然としたと言います。

自分の生きづらさは社会全体の課題でもあると教えてくれたArrowArrowで働きたい旨を伝えますが、給与の支給が難しいことが理由で断られてしまったとか。それでも海野さんの熱意が冷めることはなく、「自分の食い扶持は自分で稼ぎます!」とアピールし、仕事とNPOの複業をスタートさせました。

佐藤さんのプロセス

佐藤さんは新卒で民間企業に就職。入社して数年後、仕事と並行しながらNPO団体で経営支援を行うプロボノとして活動していたそう。また、自身の不登校経験を活かしたいと、フリースクールでもボランティアも経験。それらの活動の中で、「当事者を直接支援する」活動と、「支援者を支えることで当事者を間接的に支援する」活動があることが分かったといいます。

そうした中で、NPOの中間支援組織であるNPOサポートセンターで働くチャンスを得て、ソーシャルセクターに転職。さらに、団体の支援だけでなく、生きづらさを感じている子どもや親が安心できる場を作りたいと、地域のコミュニティづくりを手がける企業でも仕事をするようになったそうです。

杉原さんのプロセス

杉原さんの転機は大学院時代に先生からたまたま頼まれた仕事だったといいます。「ジェンダー課題を解決したい」「でもそれは仕事になるのか?」「自分の強みは何だ?」と疑問でいっぱいの生活を送っていた中、偶然頼まれた仕事は興味はあったものの未経験。「不安はあったが、やる!と決めて飛び込んだ」と杉原さんは振り返ります。その仕事を通してスキルが身につき、自分の強みになっていったとか。「こういうことが仕事になるんだ」。

それ以降、できること・したいことを発信するよう意識したそうです。すると類似した仕事の依頼だけでなく、さらに派生した仕事の依頼が舞い込んできたといいます。その後杉原さんは、行政・NPO・株式会社等、様々な立場から社会課題解決に取り組まれています。

最後には参加者からN女の3人に率直な質問が投げかけられるなど、大盛り上がりのなかイベントは終了となりました。参加者の方々からは「自分が感じていた生きづらさは他の人も感じていたことが分かった、共有できてうれしい。」「今後も生きづらさに向き合い、何か行動を起こしたい。」といった声もあがりました。

N女本人たちは自身を「込み入った性格」と表現していましたが、3人の生きづらさに共感する参加者の姿もありました。今回のイベントが「自分の生きづらさと向き合い、今後の生き方を考える」きっかけになればと思います。
(執筆:佐藤蛍)

ALTからのお知らせ

私たちは2019年、N女プロジェクト・株式会社KDDIウェブコミュニケーションズと協働で、新たな事業「RENEW」を立ち上げました。

RENEWは自分らしい生き方・働き方で女性の経済的自立を後押しすることをミッションに掲げ、女性たちのスキル獲得やキャリアの見直し、スキルを活かした仕事の実践、コミュニティによる学び合い等の機会を提供するプラットフォームです。

2019年には本事業のキックオフとなる講座を開催し、今後はスキルの実践に向けた取り組みを行っていく予定です。

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