ゼファーふじみ野
指導理論のご紹介

●バレー指導30数年間の経験の中で「分かったこと」「現在進行形のこと」「もっとこうしてみようということ」 
→選手にも指導者にもヒントを与える指導各論

※究極の目的=「バレーボール」を通して幸せになること!これに尽きます。練習の中、試合の中、バレー思考の中に全てのヒントが隠されています。言語ではなく「ボールを通して会話できる」ようになることを目指しています。

サーブ考

 小学校ジュニア経験者以外では、大方、投球動作自体の経験が圧倒的に少ないため、まずは投球動作を覚える必要がある。次に指先についた雫を弾くような打球感を身に着ける。これがナカナカ難しい…

 さて、練習時間が制限された現在よほど合理的なウォーミングアップでないとアッという間に終了時間となってしまう。女子指導においては肩周りの関節・筋肉のほぐしと強化を同時進行で行わねばならない。
 一般的なWーUPの後、体幹補強の「(二人組)手押し車」にもっていきたいのだが、初心者にとっては過酷なメニューになるので、予備運動としてヨガでいう「猫のポーズ」で腹直筋へ刺激を入れた後、赤ちゃんの「ハイハイ」を行わせる。元々、四足歩行していた動物なので進化の過程をたどった方が良いらしい。右手右足が同時に出るのは自然に反しているのでバランスが悪い。右手と同時に左足~左手と同時に右足~以下繰り返し。
 次に「四足歩行」。ハイハイと同じ要領で膝を手のひらの厚み分床から離し、一歩は手のひら一枚分でチョコチョコゆっくり歩かせる。一回は4.5メートルほど。これで体の準備が整うので以下に進む。やはり、体幹強化は最も大事!!

①「タオル飛ばし」

 我がチームにおいて導入で取り入れているのは、この「タオル飛ばし」である。長めのフェイスタオルの片側を堅く縛り、反対はしを利き手で持ち、結び目を回転させて投げる。タイミング良く離さないと床に叩きつけたり、上方へ跳ねたり、また、スピードがないと相手まで飛ばないので、出来不出来がハッキリするので、選手たちも盛り上がりながら継続できるメニューである。手順は、右利きならば、6メートル先の相手に対して左肩を向け、両手を真下に垂らし、タオルを右手に持ち左手で右手のすぐ近くのタオルを軽くつかみバンザイをしながら左手を結び目まで滑らせる。次に左手を離して結び目の落下に合わせて右手首を回転させながら、且つ、肩の入れ替え、左腕の巻き込み、できればジャンプしながら右手をタイミング良く離す。うまく行くと弓矢のように真っ直ぐタオルは飛んでいく。女子は、よくナンバ(右手右足が前のまま)投げることがあるので肩の入れ替えをまずは徹底して教え込む。極力体幹(頭&背骨)は動かさないよう指導するとよい。(因みに私が、20代のころ「大井クッキーズ」コーチ時代に当時の監督と協同で考案した。コーチ3年目で県大会初優勝した。)※上級者向けの内旋パターン→後方台置きフィギュアエイトもあり。

②「利き腕ボールバウンド(通称:肘上げ猫パンチ)」

 まずはラインパス(8の字パス&ゴー)系で、オーバーヘッド両手投げ(ドライブ~無回転)、両手バウンド、ジャンプ両手バウンドで体を温め、ほぐしておく。

 9メートル先の相手に向かって利き手でワンバンドさせる。手順は、右利きなら、まず相手に左肩を向けボールを両手に持ち後頭部まで引き上げる。左手をかきながら、右肘が外に開かないようボールを床に叩きつける。その際、肩の入れ替え、左カカトを軸に左ターンする。バウンド後は、相手に右肩が向き、左腕は力こぶ、右腕は腕相撲のフィニッシュのように返す。横から見ると、アルファベットの「N」または卍状になる。慣れてきたら、ジャンプしながら着地際にワンバウンドさせる。

③「膝付きターンスロー」(これは一人4~5本連続でローテーション:ネットを挟み奥に一人以上、手前に中継一人)

 女子の特性として、筋力が無いことで、様々な代償行動をしてしまうことが挙げられる。特にボールを片手で十数メートル飛ばさなければならないサーブにおいては顕著になる。よく行われるのが、多歩数助走打ち、ヘディング打ち、肘伸ばし打ち、手首返し打ち等。ボールへ正しく入力できればそんなことは必要ないと分かる。そこで上記ができない条件で、肩の入れ替えと肘上げ猫パンチのみでボールを飛ばすのが、「膝付きターンスロー」である。両膝を床に着けた状態でコート中央に位置し、右利きなら、左肩をネットに向け、両手でボールを持ち、後頭部まで振り上げた後、両膝ないしは左膝で左回転しながらネット越しに投げる。投げ終わったら、逆向き(ネットに右肩・右肘が向く)になり、上体はN(卍)型。ネットを越えるのはもちろんだが、反対側のエンドラインまで飛ばせるようになれば、パンチ力のある無回転変化球サーブ打てる条件のひとつがクリアになる。(導入としてサイドスロー「円盤投げ」版もある)

④「膝付きターンフローターサーブ」(これは一人4~5本連続でローテーション:ネットを挟み奥に一人以上、手前に中継一人)

 アタックラインすぐ後ろ(コート中央に両膝を床に着けた状態)で、右利きなら、左肩をネットに向け、左手で軽くトスを上げ、ヒットの瞬間、両膝ないしは左膝で左回転しながらネット越しに打つ。打ち終わったら、逆向き(ネットに右肩・右肘が向く)になり、上体はN(卍)型。この方法だと一切の代償行動ができないので最小のエネルギーでボールを飛ばすことができるようになる。(導入として、サイドハンドサーブ版もある)

⑤「正拳突きヒット」

 右利きの場合、まず、左手にボールをもち小さくトスを上げ、空手の正拳突きの要領で拳を右脇下から親指を内側に絞りながら肘を伸ばしてヒットする。左手は左脇にたたむ。ボールを当てる場所は、拳を握り人差し指と中指の第二関節と第三関節の間の四角い面の部分でヒットする。決して尖った部分でなく、平らなところでヒットする。大体、思ったところに飛ぶようになったら、軽くジャンプしながら行う。どうしても、投げる延長になってしまいがちなところを、ヒットさせることにより感覚(当て勘)を育てる。

⑥「ネット越し手の甲サーブ」

 2人組でネット越しに向き合いアタックライン後方に位置どり、互いに顔めがけて打ち合う。その際、野球で言う「ストレート(スピン)回転」をかけて打ち合う。フローターサーブを打つのだが、手のひらで打つのでなく、右利きなら右肘を外に開かず、右小指横を右耳に擦るようにセットし、手の甲でスピンをかけてヒットする。慣れてきたら、無回転ヒットを目指す。前に肩の入れ替えを行ったが、それに頼るとだんだん打点が下がり、横打ちになってくるので、その修正もかねて正しいフォームと入力を身につける。

⑦対面交互サーブ

 フリーのサーブ練習は、時間の割には意外と打球数が伸びないことがある。ボールが一部にかたまり、ボールを散らしても散らしても回転率が上がらない事を考えると、選手のボールコントロール力がある程度ならば、この方法が効率がよい。選手12名ならペアを6つ作り、ボール6個(ペアに1個)を用意する。ネットをはさみ同じ側の選手にボールを持たせエンドライン外側に位置させる。指導者の笛の合図でサーブヒットさせ、ワンバウンドで相手ペアにコントロールする。方向性と距離感を整えるために行うが、ジャンプ系サーブの時は、跳ね返りボールに乗って怪我をしてしまうリスクがあるので、この方法が断然安全性が高くなるので活用して欲しい。

⑧ランニングサーブ

 選手一人にボール1個を持たせ、A班はエンドラインの左側に、B班は対面のネットに向いて左側に打順を決めて位置させる。スタートしたら、コート左半分に向かって(安全のためストーレートのみ)サーブし、支柱の外側を走って自分のボールを取りに行く(他者のボールを被弾しないよう注意する)。反対側に行ったら、同様に手前に打つ。ネットミスしたらペナルティーとして左サイドライン上を(エンドライン~ネット)3往復する。時間の限り行い、成功したら本数をカウントする。実際のゲームに近い負荷をかけて練習させる。ミスが多かったとしても、体力が付き、ネットにかけない意識は高まる。

⑨ノックサーブ(バックアタックにもつながる)

 サーブが苦手な選手の多くはトスの不安定さにある。よって指導者が上げるノックをサーブさせる訳だが必然的に移動が発生するので、上記①~⑧の段階を経て行わせる。コート中央が列の先頭(右利きならネットに向かって左肩を向けてスタンバイ)、トスに合わせてサイドステップしてヒットする。ネットに当てたら自分で処理。以下ロケット鉛筆移動。100本練習なら50本が右45度からトス、残り50本が左45度からトスする。初期はファーストテンポで、慣れてきたらセカンドテンポでトスを上げる。安定してきたらジャンプしてヒットさせる。


 30年以上、サーブを見てきて「アレッ」と思った違和感とは…

 「なんか違うぞ?」そう思ったのは、選手のサーブ直後の姿勢だ。普通は、打った後のボールを見ると思うが、私は選手の姿勢を見る。大概、ミスが多い選手は、膝が伸び切ってている。もっと悪いのはつま先立ちで打ち終わって不安定な選手だ。私の理論ではヒットの瞬間は膝が軽く曲がり足の裏がベッタリ床に着いているのが望ましい。更に打ち終わった後、両足が揃うと尚安定する。指導しても直らない選手がいる場合、思い切ってジャンピングサーブにしてしまう。前者は、ボールを低めで打つのが得意な選手向きで、後者は高めが得意な選手向きだ。全選手に、両方試させて、しっくりくるモノを選ばせるとよいだろう。どちらにしてもインパクトは肘を伸ばして打・ち・抜・か・な・いことだ!猫パンチ気味で肘は伸びきる前に返す(腕相撲フィニッシュ)こと、そうすることでボールは、不規則な動きで変化するようになる。力加減は、イメージ7割程度が最も変化する。特にモルテンのフリスタテックはイメージ8割を越えるとホップしてアウトになることがよくあるので注意する。

 サーブ練習は、試合と同じく前衛3ローテして息があがった状態でさせないと、練習が全く活きないことがあり得る。ダッシュ数本させた後や、ランニングさせながら打たせると本番に近い状態で経験を積める。別練習と別練習の合間、合間に短時間行わせるとよい。15分続けて打たせるより、5分を3回に分けて打たせた方がよい。

 ある程度ネット越え確率が上がったら、距離感の指示をする。(全身且つ肩周りが暖まった状態で)①奥(エンドラインを大きく越える)②強(コート後方)③中(コート中央)④弱(フロントゾーン)⑤ネットイン、の順であまり長くならない間隔で指示を変える。方向はあまり意識しなくてよい。女子の場合、指示しないと淡々と同じサーブを打っていることがよくある。調子がよいときはそれでも問題は出ないが、試合でアドレナリンが出ている時はひたすらアウトミス、不安材料がある時はことごとくネットミスなど、ドツボにハマると他にやってきたことが台無しになることがあるので上記の訓練を習慣づける。公式練習時のサーブ練習は、セルフで②③④の確認と変化のかかり具合を調整する。緊張していると分かった時はあえて①をさせてみるのもよい。力加減も、弱→強より、強→弱の方が距離感を掴みやすい。そのためにも、いち早く体幹と肩周りの強化は指導者の急務である。間違っても、練習の最後に付け足しのようなサーブ練習はおこなってはならない。

 また、自分がウィリアムテルになったつもりでボールの代わりが弓矢だとしたら、何が正確性につながるか? 私の考えでは「呼吸」であると思う。緊張のあまり呼吸が乱れたら確実に手元も狂うに違いない。腹式呼吸で効率的に酸素を補給して、肩が上がらない吸い込みをし、細く長く吐きながらショット(ヒット)するのが一番安定すると考え、選手に実践させたところ格段に成功率が上がった。

 サービスはバレーボールにおいて唯一他者に左右されない技術で、最もセンスの差がでる技術である。選手起用で迷ったら、サーブのよい選手を選ぶとよいだろう。

女子バレーボールフォーメーションについて

 バレーボールの指導経験がある者ならば、レセプション(サーブレシーブ)におけるWフォーメーション、ディグ(スパイクレシーブ)における3・3フォーメーションは周知のことだろう。当然、指導書に書いてあるのだから迷わず、チームに取り入れ実践されていることと思う。(男子のチームを指導していた時は、筋力や空間認知力・習得スピードの面から指導書通りがベターであった)


 し●か●し●、

  指導書通り行って「うまくいった」「しっくりくる」と感じたことはあるのだろうか?



 私の場合、15年以上皆無の時代があった!

 その年々の選手の状況にもよるが、体格や運動経験等がまちまちで、これがベストというフォーメーションに出会うことは少ない。そのフォーメーションがどうして指導書に載っているかは追求することはあるが、突き詰めると、体格・経験に関わらない基礎フォーメーションから始め、状況により「臨機応変に造り込む=そのチームに合ったカスタマイズをしていく」ことがベターであると考えるようになった。

「無ければ創ればいい」

 その考え方で、選手の興味関心を煽り、質の高い練習を維持してきた自負がある。指導書、先人の教え、ライバル指導者からの情報だけでなく、「自らの頭で考え抜き、実践の上、取捨選択した指導スキル」を築けたならばそれに勝るモノはない、と考えるようになった。

 そこで、指導書ではあまり触れられていない「どんな条件であってもラリーを楽しめるオールマイティーフォーメーション(ディグ)」、及び、そこからの段階指導を紹介したい!

レセプションフォーメーション考

 テニスでのブレイクと、バレーでいうブレイクは違う。テニスはそのセットがサーブならずっとサーブ、レシーブならずっとレシーブで、サーブ側のセットは自分でコントロールするものだから「有利」といわれ、レシーブ側がセットを取るとブレイク(不利を覆した)となる。バレーではサーバー側は高いネットを越えて6人に向かって打つため不利で、レセプション側はセットプレーに近く点が入りやすいので「有利」。よってサーバー側に点が入ると「ブレイク」と言われている。しかし、初中級者レベルにおいては(サーバーがアベレージ以上の場合は)全く逆である。Aカット(レシーブでセッターへコントロールできる)技術が未熟であると、圧倒的不利となる。当然、初期は練習時間の大半を使ってフットワークや面のコントロールを教え込むわけだが、選手全員が同じように上達するわけではない。更に困ったことに、レセプション技術の底上げが完了する前に公式戦はやってくる。基本通りにWフォーメーションでスタートすると、やがて破綻ポイントに差し掛かる。一向にローテーションできないターンが出現してくる。十数年にわたる研究の結果、「コート中央にどんな選手がいるか」によってAカット率、及び、被サービスエース率が格段に違うことをつきとめた。コート中央は、ボールに触れる触れないに関わらず、全てのボールに関われるポジションだ。全て取りに行ってチップミス、サイドアタックの位置取りをしようと、どいてしまったり、初動はキャッチに行っても最後拾わないなど、「判断が悪い選手」が中央にいると完全に流れが相手に行ってしまうことになる。極論「一番レセプションの巧い選手を中央付近に据える」ことがベターである。なお、その選手が判断力に長けていて瞬時に指示が出せるなら言うことない。

 ルールを熟知していると指導書には無い変則的な、且つ、ルールに適合した有効な独自フォーメーションを構築することができる。ただし、選手には型だけを教えるのではなく「仕組みとルール・審判への説明の仕方」まで指導しなければならない。自分もB級審判員だが、あやふやに覚えている選手・監督には手を焼かされることがあるので、運営に迷惑をかけない対策は心がけている。

 また、後述のディグフォーメーションと違いレセプションはⅠ~Ⅵの型が必要(例外としてレセプ技巧選手がいる場合、類似2~4パターンで済む場合あり)だが、個人練習以上に時間をかける必要がある。ただし、練習時間の制約された現在、常にⅠ(またはⅥ)から始める習慣があると、必ずⅣやⅤに歪みが行き、そこで破綻することになるので、ⅣやⅤからチームレセプ練習を始める意識も持たなければならない。

 補足して言うならば、M型フォーメーションの前衛2セッターが初期においては有効である。バックセッターの出際は、非常に判断が難しく、セッターが1打球目を処理すると格段に返球率が下がる。また、面が安定せず腕振りによるボールの飛びすぎでのネット際処理は、最も難しく、怪我のリスクも高いことから前衛セッターをお勧めする。ただし、オポジットがセッター役である必要はなく、対角やポジション上の制限はなくネット際に来たらなるべく高い打点で押し込むくらいで良い。我がチームが参加したビーチバレーの全国大会で、ある指導者が言った名言を紹介する。

「借金とボールは、返せるうちに返せ!」

 その年の大会は、台風一過の直後で秒速十数メートルの強風の中で大変苦戦した。風上への一発返しは大変有効であったことを思い出す。確率上、全員の返球率が、50%だとするならば、2打球目で25%、3打球目で12.5%になってしまう。完成形を目指すのと、試合に勝ちに行くのは、時期によって手段を変えるべきだ。

 また、サーブ打順も重要な要素だ。もちろんサービスエース率、または、効果率の最も優れた選手を打順1番にすることは当然だが、残りは工夫が必要だ。後述のディグフォーメーション考①1-5システムではブロッカー対角以外を自由に組み替えられるため、様々なパターンで実践してみたが十数年の実践で傾向を掴むことができた。

●1~6打順=率順(1番4番は例外)…一見、理にかなっているように思うが、打順前半は良くても打順後半が苦しくなり不安定であった。0対13からひっくり返すこともあるが、前半で勝負がつく大味な展開になることが多かった。

●率1/率3/率5/率2/率4/率6…対角も考慮すると、これがベター。サーブ力が弱い選手を続けて配置しないことが点差を開かせないポイントである。

女子バレーボールフォーメーションについて

 バレーボールの指導経験がある者ならば、レセプション(サーブレシーブ)におけるWフォーメーション、ディグ(スパイクレシーブ)における3・3フォーメーションは周知のことだろう。当然、指導書に書いてあるのだから迷わず、チームに取り入れ実践されていることと思う。(男子のチームを指導していた時は、筋力や空間認知力・習得スピードの面から指導書通りがベターであった)


 し●か●し●、

  指導書通り行って「うまくいった」「しっくりくる」と感じたことはあるのだろうか?



 私の場合、15年以上皆無の時代があった!

 その年々の選手の状況にもよるが、体格や運動経験等がまちまちで、これがベストというフォーメーションに出会うことは少ない。そのフォーメーションがどうして指導書に載っているかは追求することはあるが、突き詰めると、体格・経験に関わらない基礎フォーメーションから始め、状況により「臨機応変に造り込む=そのチームに合ったカスタマイズをしていく」ことがベターであると考えるようになった。

「無ければ創ればいい」

 その考え方で、選手の興味関心を煽り、質の高い練習を維持してきた自負がある。指導書、先人の教え、ライバル指導者からの情報だけでなく、「自らの頭で考え抜き、実践の上、取捨選択した指導スキル」を築けたならばそれに勝るモノはない、と考えるようになった。

 そこで、指導書ではあまり触れられていない「どんな条件であってもラリーを楽しめるオールマイティーフォーメーション(ディグ)」、及び、そこからの段階指導を紹介したい!

ディグフォーメーション考

 地区選抜の監督を勤めた時は、ディグ(スパイクレシーブ)の3・3フォーメーションの有効性を痛感した。ある程度の体格と運動能力、ポジションの専門性、これらが備わっていると指導書通り、チームが面白いように機能する。とてもシステマチックでそれほど約束事が多いわけでもなく、すんなりプレーに集中できる利点は大きい。しかし、自チームに戻ると体格やスキルレベルの開きが大きく、選抜チームのようにうまくラリーすることができない。特に、頭を悩ますのは「ブロック」だ。3・3システムとは、前衛3人が3人ともブロックに跳ぶシステムだ。相手アタッカーが前衛3人とも攻撃するとしたらコミット(マンツーマン)ブロックで、オープン攻撃ならリード(待ちかまえて複数で)ブロックで対応すると指導書にある。確かに相手アタッカーがフィジカルが強くパンチ力があるならば、それがセオリーであると思うが、中学生女子の場合、同地区にそんなアタッカーは何人いるだろう?もちろん優勝して県大会上位を目指すならそれでよいだろうが、まずは、たくさんのチームとゲームをして勝ったり負けたりすることを楽しむためには、3枚(人)ブロックは必要ないと考える。基本1枚で、場合によって2枚の併用がベターではないだろうか。不思議と1枚ブロックの方がドシャットブロック(キルブロック)が増えることがある。単独で自由に動けることは大きなメリットでもある。また、2枚ゆえの不利もある。ブレーキがかからず着地時に隣の選手の足に乗って捻挫や、ブロック割れによる吸い込み・ワンタッチでレシーブがしづらくなるなど。相手にパンチ力がないと判断したらWフォーメーション(チャンスボールシフト)で対応し、アタッカーの負担を減らすことを優先する。

①1ー5システム【条件に関わらないオールマイティーシステム】

 新チームスタート時は、ブロッカー1枚(表A・裏Bの1枚ずつ)残り4人の固定システムを採用する。コート中央にBを配置(A=前衛時)/ブロッカー(アタッカー)はセッターを兼ね、後衛ではバックアタックも多用する/原則、前衛センター攻撃or後衛中央バックアタック/コート後ろ半分に逆台形型でCDが後衛・EFが中衛の配置=ディグ時ECDFが常に同じポジション/チャンス時はブロッカーとセッターの入れ替えのみ/ブロックはクロスのみおさえる/エンドライン付近はレシーブの優れた選手CDを配置/アタックライン&サイドライン付近の2名EFは比較的負担が少ない配置となるが、迷ったら返球or直上トスは最低限できるようにしておく。

 考え方として2人制ビーチバレー的動きで2人が補えないところを外側の逆台形4人がカバーする感じだ。また、6人制バレーはオールラウンドプレイを要求される競技だが、このような発想で9人制的戦略も盛り込める余地はある。このフォーメーションは20年近く前、大学の先輩が務める都内高校に毎週末のように通っていた時に教えて頂いた。選手の成長を待てる素晴らしく幅のあるオールマイティーシステムなので広く浸透して欲しいが、指導者側が小馬鹿にして敬遠されがちなのが残念である。

 選手にとって指導初期は覚えることが多く、ただでさえ頭が一杯なところへ、複雑なフォーメーションを教え込もうとすると思考回路がパンクすることがあるので、このくらい緩やかな約束の方が選手のパフォーマンスを引き出せる可能性が高くなる。

②樽型2-2-2システム

 ①を紅白チーム12人で組めるなら、そのアタッカー兼セッターが4人いるわけだが、その4人をブロックに跳ばせ、残り2人を負担の少ない所に固定配置するのが2-2-2(樽型)システムだ。初期は相手レフト&ライト攻撃は1枚ブロックで、センター攻撃のみ2枚ブロックで対応する。跳ばないブロッカーがフェイントカバー。原則A(裏ではB)がセンター攻撃。フロアディフェンスは逆台形で、左ブロックAの裏ポジションBは右後衛に配置してバックアタックも担当する。右ブロッカーC(セッター)の裏ポジションDは左後衛に配置する。戦力序列5番手Eは右中衛に配置。戦力序列6番手Fは左中衛に配置する。チャンスボール時は原則Bが(裏ではA)処理し、ブロック右C(D)がトスする。繋ぎが不安定な時は、Bがトス~AがアタックorAがトス~Bがアタックのビーチバレー式オプションも用意しておく。

③鼓型2-2-2システム

  相手のスパイクを全て2枚ブロックで処理し、後衛ブロッカーを中衛=台形の上底に置いてフロアディフェンスを行う方法もある。EFはコート後方にてストレート強打&対角奥専門。後衛ブロッカーのレシーブしない方がセッターで、トスの選択肢はレフトorセンターorバックアタック、または、センターorライトorバックアタックの3選択となり一般的な2‐2‐2より攻撃的になる。ブロックの跳ぶ位置により開く場所が変わる。4人が刻々と変わる状況に適応できるよう4対4ゲームで経験値を磨く。

④3ー3システム

 セッター(フェイントカバー)を中央に置く、マンアップシステムとセッターを右サイドライン近くに置き、後衛を逆台形型にするマンダウンシステムがあるが、選手の適性により、パズルを組み替える。

 ある程度の基礎技術を選手に刷り込み、体格ハンデが無いのならば、3・3システムに移行するのが良いだろう。ただし、目標とする大会から逆算して、約束事の徹底が難しいようなら、現行フォーメーションで熟成させた方が良いこともある。そこは時間との勝負になるので熟考されたし。

※選手にとってフォーメーション変更は想像以上のストレスになることは理解しておくべきだ。しかし、そうすることによって授かる恩恵と天秤に掛けて判断するようにしたい。

無限ループラリー/間合いを切る他

「練習試合大好き」指導者が多い中、私はあまり練習試合が好きではない。控え選手が経験値を積みにくいからだ。ただし、大会前はどうしても確認事項のすり合わせが必要なので練習試合自体は不可欠である… そこで思いついたのが「無限ループラリー」という練習法だ。

 ネットを挟んでAチームは原則、攻撃のみで3段攻撃を行う(初期はハーフアタックで)。Bチームは原則、守備のみで2打球or1打球返球を行う。指導者のチャンスノックの次は必ず1打球返球。タイマーブザーまで攻守固定。参加者が最低4人から実践でき、13人を超えるならワンプレーチェンジで全員が参加できるようにする。ミスした者がボール拾い。練習試合時の吹笛間の8秒や、レセプション移動時間を排除し、桁違いの打球数を確保する。20ラリーくらいは普通にできるようになり、バレーの醍醐味の「どこで切れるの?!」のハラハラ感や、ポールを落とさない感覚作りに役立つ。慣れてきたら、指導者ノックを不規則にして攻守の切り替え感覚を養う。セッター以外フリーポジションでロケット鉛筆チェンジの場合と、ディグ1番と4番固定の前後衛の時間入れ替えの2パターンがある。

 もう一つ、「ピクミン大移動」という変わったチーム練習を紹介する。チーム全員を実力均等になるよう小集団(2~4人)に分け、リーダーにナンバービブスを着用させる。ナンバー1チームとナンバー2チームがネットを挟んでスタンバイ、コーチのノックでラリースタート。原則ラリーは1打球返球とする。ただし、カバーできる場合は2打球以上は可としている。ミスったチームがボール拾いでコートを空ける。次にナンバー3チームが入り間髪入れずコーチがノック、以下繰り返し。とにかくリーダーが指示を出し続け、参加者全員で協力してラリーを維持する。よく体育の授業で3段攻撃を最終目的とするが、決して間違いではないがバレー以外のネット型競技はほとんどが一発返しなので、こちらの方が自然であると思う。ボケっとしていると他人の邪魔をしてしまうので、ボールに触れずとも邪魔をしない「体さばき」も習得できる。

 私は決してノックが特別上手い分けてはないが、誰にも負けない事として自負しているのが「球出し回転数」が上げられる。一般的な指導者が1回ノックする間、3回程度はノックする。ただし、ルーズボールが増えるとケガの元になるので、チーム全体のボール拾い&ボール渡しスキルを磨いた上での前提ではあるが… 「構えろ」言ってユックリ打ったところで試合に必要な構えスピードは上がらない。言う暇があったら選手にボールを拾わせるのだ。それが習慣になると私がボールを持った瞬間、選手は「臨戦態勢のスイッチが入る」ようになる訳だ。


 蛇足ではあるが、勝負である以上、相手との「間合いを切る」という発想も必要である。簡単にいうと、格闘技で言う「相手の組みやすい形にしない」ということ。例えば、サーブを全員が吹笛後3秒後にヒット、は相手にとって非常に楽に戦える条件を与えることになる。吹笛直後や6秒使って打つなど適性に合わせて選手に選択させる。
 また、コート外からの二段トス~バックアタックや、チャンスボール守備~狙い澄ましたワンorツー返球・ラスト返球をエンドライン際へコントロール・傾向をバラした平行トス攻撃・しつこいストレート攻撃からのインナー(超クロス)打ち・強打サーブ~チェンジアップ気味ジャンピングフローター等、経験者が多いチームに勝負を仕掛けるには、思いつく全てをチャレンジする気概が必要である。

 他方、指導者の重要な役割として、ワンパターンにならない練習メニューの提示、選手に考える余地を与える指示法、練習場所の確保(公式戦前なら総合体育館の確保)、時期に応じた練習試合の設定、選手のトレーニング計画と実践&傷病者と医療機関との連携、指導者家族&職場との調整、保護者との連携、チーム状況の広報等は、ひとつたりとも安易にできるものではないので、自分の健康管理とともに綿密に計画・実践しなければならない。

ディグフォーメーション考

 地区選抜の監督を勤めた時は、ディグ(スパイクレシーブ)の3・3フォーメーションの有効性を痛感した。ある程度の体格と運動能力、ポジションの専門性、これらが備わっていると指導書通り、チームが面白いように機能する。とてもシステマチックでそれほど約束事が多いわけでもなく、すんなりプレーに集中できる利点は大きい。しかし、自チームに戻ると体格やスキルレベルの開きが大きく、選抜チームのようにうまくラリーすることができない。特に、頭を悩ますのは「ブロック」だ。3・3システムとは、前衛3人が3人ともブロックに跳ぶシステムだ。相手アタッカーが前衛3人とも攻撃するとしたらコミット(マンツーマン)ブロックで、オープン攻撃ならリード(待ちかまえて複数で)ブロックで対応すると指導書にある。確かに相手アタッカーがフィジカルが強くパンチ力があるならば、それがセオリーであると思うが、中学生女子の場合、同地区にそんなアタッカーは何人いるだろう?もちろん優勝して県大会上位を目指すならそれでよいだろうが、まずは、たくさんのチームとゲームをして勝ったり負けたりすることを楽しむためには、3枚(人)ブロックは必要ないと考える。基本1枚で、場合によって2枚の併用がベターではないだろうか。不思議と1枚ブロックの方がドシャットブロック(キルブロック)が増えることがある。単独で自由に動けることは大きなメリットでもある。また、2枚ゆえの不利もある。ブレーキがかからず着地時に隣の選手の足に乗って捻挫や、ブロック割れによる吸い込み・ワンタッチでレシーブがしづらくなるなど。相手にパンチ力がないと判断したらWフォーメーション(チャンスボールシフト)で対応し、アタッカーの負担を減らすことを優先する。

①1ー5システム【条件に関わらないオールマイティーシステム】

 新チームスタート時は、ブロッカー1枚(表A・裏Bの1枚ずつ)残り4人の固定システムを採用する。コート中央にBを配置(A=前衛時)/ブロッカー(アタッカー)はセッターを兼ね、後衛ではバックアタックも多用する/原則、前衛センター攻撃or後衛中央バックアタック/コート後ろ半分に逆台形型でCDが後衛・EFが中衛の配置=ディグ時ECDFが常に同じポジション/チャンス時はブロッカーとセッターの入れ替えのみ/ブロックはクロスのみおさえる/エンドライン付近はレシーブの優れた選手CDを配置/アタックライン&サイドライン付近の2名EFは比較的負担が少ない配置となるが、迷ったら返球or直上トスは最低限できるようにしておく。

 考え方として2人制ビーチバレー的動きで2人が補えないところを外側の逆台形4人がカバーする感じだ。また、6人制バレーはオールラウンドプレイを要求される競技だが、このような発想で9人制的戦略も盛り込める余地はある。このフォーメーションは20年近く前、大学の先輩が務める都内高校に毎週末のように通っていた時に教えて頂いた。選手の成長を待てる素晴らしく幅のあるオールマイティーシステムなので広く浸透して欲しいが、指導者側が小馬鹿にして敬遠されがちなのが残念である。

 選手にとって指導初期は覚えることが多く、ただでさえ頭が一杯なところへ、複雑なフォーメーションを教え込もうとすると思考回路がパンクすることがあるので、このくらい緩やかな約束の方が選手のパフォーマンスを引き出せる可能性が高くなる。

②樽型2-2-2システム

 ①を紅白チーム12人で組めるなら、そのアタッカー兼セッターが4人いるわけだが、その4人をブロックに跳ばせ、残り2人を負担の少ない所に固定配置するのが2-2-2(樽型)システムだ。初期は相手レフト&ライト攻撃は1枚ブロックで、センター攻撃のみ2枚ブロックで対応する。跳ばないブロッカーがフェイントカバー。原則A(裏ではB)がセンター攻撃。フロアディフェンスは逆台形で、左ブロックAの裏ポジションBは右後衛に配置してバックアタックも担当する。右ブロッカーC(セッター)の裏ポジションDは左後衛に配置する。戦力序列5番手Eは右中衛に配置。戦力序列6番手Fは左中衛に配置する。チャンスボール時は原則Bが(裏ではA)処理し、ブロック右C(D)がトスする。繋ぎが不安定な時は、Bがトス~AがアタックorAがトス~Bがアタックのビーチバレー式オプションも用意しておく。

③鼓型2-2-2システム

  相手のスパイクを全て2枚ブロックで処理し、後衛ブロッカーを中衛=台形の上底に置いてフロアディフェンスを行う方法もある。EFはコート後方にてストレート強打&対角奥専門。後衛ブロッカーのレシーブしない方がセッターで、トスの選択肢はレフトorセンターorバックアタック、または、センターorライトorバックアタックの3選択となり一般的な2‐2‐2より攻撃的になる。ブロックの跳ぶ位置により開く場所が変わる。4人が刻々と変わる状況に適応できるよう4対4ゲームで経験値を磨く。

④3ー3システム

 セッター(フェイントカバー)を中央に置く、マンアップシステムとセッターを右サイドライン近くに置き、後衛を逆台形型にするマンダウンシステムがあるが、選手の適性により、パズルを組み替える。

 ある程度の基礎技術を選手に刷り込み、体格ハンデが無いのならば、3・3システムに移行するのが良いだろう。ただし、目標とする大会から逆算して、約束事の徹底が難しいようなら、現行フォーメーションで熟成させた方が良いこともある。そこは時間との勝負になるので熟考されたし。

※選手にとってフォーメーション変更は想像以上のストレスになることは理解しておくべきだ。しかし、そうすることによって授かる恩恵と天秤に掛けて判断するようにしたい。

たなモンの趣味・好きなこと

ギター弾き語り
始めたのは小学5年生ですが、20年くらいブランク空けてここ数年ハマっています。レパートリーは100曲以上、昭和~平成の名曲を後世に伝える使命も勝手に抱いています。バレーだけでなくギターの上達メソッドも有ります!興味のある方はご連絡ください。
電子楽器&DJもどき
ギター好きで楽器屋に通っていると、ひと昔にはありえなかった素晴らしい電子楽器に魅了され、衝動買い… PCに頼らないオールインワンDJシステムにも一目惚れ!未熟ながらも多ジャンルにチャレンジしています。聞くだけじゃない音楽、サイコー!!
ウォーキング
膝の古傷のリハビリも兼ねて健康のため仕事終わりに、なるべくたくさんウォーキングするよう努めています。1Km11分台前半で歩けるようフォーム改善中。目標15Km/週。
ウォーキング
膝の古傷のリハビリも兼ねて健康のため仕事終わりに、なるべくたくさんウォーキングするよう努めています。1Km11分台前半で歩けるようフォーム改善中。目標15Km/週。