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本の紹介

概要
「弓を楽しむ心」とは何か。
晩年から弓道を始めた筆者が模索・探究した「心の謎」が本書のテーマである。

本書は、筆者が弓道を始めてから体験した悪戦苦闘の日々と、その中にあっても弓を引く楽しみを自ら見出していった記録である。「思うように上達しないから悩む」わけで、「だったら開き直って楽しめば良い」と腹をくくったときに、「的中を楽しむ」「稽古を楽しむ」「人生を楽しむ」…… という世界が開けてくる。

なぜ、我々は「上手くなりたい」と心に思い、少し上達したら「稽古が楽しい」と思うのだろうか。
われわれ日本人の「心の持ち方」を、文学・思想・哲学・宗教などを紐解きながら広く見渡して、「楽しむ心」の謎を追ったのが本書の内容である。

本書は『弓を楽しむ』『弓を楽しむ心』に続く3冊目の本であるが、独立した内容であり前2冊との直接的な関係はない。関係があるとすれば、祖父が培った「弓を楽しむ」精神を、孫が体験によって実感しようとした点にあるかもしれない。世代を超えたバトンタッチである。
目次

はじめに········ 3

第一章 弓を始める

  円成館     「礼記射義」「弓を楽しむ」···· 11

  謎の始まり   「弓と禅」「日本の弓術」···· 17

  弓道の面白さ  「弓道教本」···· 23

第二章 弓に親しむ

  琴平神社    「弓道読本」···· 33

  稽古の世界   「射経」「日置弾正正次」···· 37

  射会の楽しみ  「四巻の書」「弓を楽しむ」···· 43

第三章 弓を続ける

  香陵武道場   「努力論」···· 51

  心の修練    「五輪書」「不動智神妙録」〈壺中天〉〈老子〉〈荘子〉···· 58

  日本の思想   〈本居宣長〉···· 68

  心の内の楽しみ 〈貝原益軒〉「楽訓」〈良寛〉···· 77

第四章 弓を楽しむ

  流鏑馬神事   「鎌倉の四季」「弓と礼のこころ」···· 89

  礼の美しさ   「礼の美」〈形式の美〉···· 94

  武士道の世界  〈葉隠〉〈武士道〉〈気高い心〉〈死ぬ覚悟〉···· 98

  鎌倉の弓道場  〈大塩中斎〉···· 112

  飛・中・貫   〈吉田能安〉〈阿波研造〉〈梅路見鸞〉···· 117

第五章 弓を楽しむ心

  気とは何か   〈青空弓道場〉〈天狗芸術論〉···· 127

  気・血・水   〈心気血〉〈気血水〉···· 132

  心の哲学    〈池田晶子〉〈湯浅泰雄〉〈メルロ・ポンティ〉···· 139

  心の科学    〈認知脳科学〉〈人工知能〉〈ロボットの心〉···· 148

  心の遺伝子   〈遺伝子〉···· 159

第六章 弓を楽しむ心の謎

  春風庵射場   〈方丈記〉···· 169

  東洋哲学    〈西田幾多郎〉〈本居宣長〉···· 174

  武道の心    〈塚原卜伝〉〈熊沢蕃山〉〈山岡鉄舟〉···· 180

  楽しむとは   〈独楽吟〉〈風姿花伝〉〈徒然草〉···· 192

  謎が解けた   〈巻藁賛〉〈念彼観音力〉···· 211

おわりに···· 221

引用文献···· 223

 

 

「はじめに」より

「なぜ弓を引くのが楽しいのか」、普段あまり気にしないそんな疑問に対する答えは、自分の心のうちにある「射幸心」「向学心」「求道心」などによるものだと考えられる。

しかし、それらの心はどこから来るのか、「弓を楽しむ心」とは何か。弓道に限らず武道を修練する人の「心の謎」を追ってみたのが本書の内容である。

「楽しむ」とはどういう心の働きなのだろうか。「読書を楽しむ」とか「ドライブを楽しむ」というように、好きなことをして満足を感じるのが一般的な心の感覚だが、武道の修練を楽しむというのはちょっと違うような気がする。すぐに満足を得るのではなく、「子供の成長を楽しむ」というように、期待に応える進歩・向上を喜ばしいと思うのではないか。

本書では、多くの先人たちがどのようにして自分の心を磨いたか、どのようにして人生を楽しんだか、を幅広く見渡して疑問を解くヒントとした。

以下略

内容

円成館

修善寺の駅前を過ぎて東へ三分くらい走ると左側に丸い同心円の的と共に「弓道」と書かれた看板が目に飛び込んできた。建物の入り口には「円成館」と書かれている。円成とは物事が円満に成就することであり、行事が「無魔(ぶま)円成(えんじょう)する」というと、何事もなく無事に行事が遂行されることを言う。ここで私は生まれて初めて弓を手にしたのである。

建物は三階建てで一、二階は先生の住まい、弓道場は三階にある。個人の家に併設した道場なので一般的な武道館などの弓道場に比べればこじんまりしたものだが、一応五人立ち(五人が同時に的を射ることが可能)の標準は満たしている広さがある。板の間の後方には十畳ほどの部屋が二部屋あり十人くらいが宿泊することもできる。つまり小規模な合宿が可能であり、そのために一階には簡単な食堂設備も備えられている。

以下略

引用文献

弓道教本 第一巻:全日本弓道連盟································ 12

弓を楽しむ:香坂昌康著:Amazon·········································· 14

新訳 弓と禅:オイゲン・ヘリゲル著:魚住孝至訳:角川ソフィア文庫······ 20

弓と禅:オイゲン・ヘリゲル著:稲富栄次郎・上田武訳:福村出版······· 21

日本の弓術:ヘリゲル君と弓:オイゲン・ヘリゲル述:柴田治三郎訳:岩波文庫···· 22

弓道教本第一巻:序論:日本の弓の尊崇性:全日本弓道連盟··········· 26

弓道教本第一巻:序論:弓道の倫理性:全日本弓道連盟············· 27

弓道読本:唐沢光太郎著:読売新聞社·························· 35

射経:正志第四:濱口富士夫著:明徳出版社·············· 38

射経:総論:濱口富士夫著:明徳出版社······················ 40

日置弾正正次(7):櫻井保之助著:弓道誌1987年1月号········ 41

弓道:竹内尉著:健文社·················································· 42

尾州竹林流「四巻の書」講義:魚住文衛著:弓道誌1986年12月号······ 45

弓を楽しむ:香坂昌康著:Amazon·········································· 47

以下略

著者

中村 渺(なかむら はるか)
1949年1月生まれ(香坂昌康の孫)
平成二十年 事務機メーカーを定年退職
五十五歳から弓道を始め「下手を楽しむ」こと長年にわたるが、祖父に見習い八十歳で巻藁を引くことが現在の目標である。
令和三年『弓を楽しむ』を上梓した。
令和四年『弓を楽しむ心』を上梓した。

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