『こどもたちに居場所を届けたい！　
頑張っているお母さんたちに頑張らない時間を作りたい!』

その思いから私の活動は始まりました。
私がパステルアートの活動を本格的に始めた2011年。
私の思いはこの二つでした。
そしてその思いは今も変わっていません。　

私はもともと「子供の環境づくり」を学生時代から研究し、仕事もまちづくりやコミュニティ計画、住宅計画等に携わってきました。しかしある時、私自身のコミュニティが崩壊するのです。

それは、子育ての壁でした。
『お母さんがタタリ神になった!』
自由でのびのびとした我が子は保育園のルールにおさまることなく、毎日保育園からの電話。小学校に行っても毎日電話。

私は怒ってばかり。
「どうして、普通にできないの！」「じっとできないの！」
子どもを叱っては、クタクタになりながら、叱った自分を責め続ける毎日…。
ある時、怒っている私を見て、こどもが言ったのです。「お母さんがタタリ神になったー！」

その時に自分自身が怖くなったのを今も覚えています。
このままでは私もこの子も危ない。そんな崖っぷちの状態でした。

転機は突然訪れた。
『パステルアートとの出会い』
本当にたまたま偶然にイベントでパステルアートと出会いったのです。
絵が描けない、できないとおもっいた私は、その時も「誰でもできるなんて、嘘だ」と思っていました。
「誰でも描けると言えるのは、絵が描ける人の言葉だ」そう言っていました。
今思うと教えてくださる先生に対して失礼なことです。

しかし、絵が進んでいくうちに、心がやわらかくなり、緊張がとれていきました。
気づくと体がふるえ、涙。「あ、できた…」。感動の瞬間でした。
私にも絵が描けた。私にもできた。できないと思っていたのに、できた。
そのことが嬉しかった。思わず道行く人に自分の絵を見せて歩いたほど、嬉しかったのです。

それから毎日夢中で描き続けました。
取りつかれたように、ただただ、くるくると描き続けたのです。


変化は1か月後。
『あれ？怒ってない!?』
あれほど我が子にイライラしていた私は、どなっていた私は、全く怒らなくなっていました。
それまでは毎晩、怒ってしまっては自分を責めて、泣きながらくるくる。
大切にしたいのに、大切にできない自分自身を責めて、くるくる。
いい母親になりたいのに、頑張っているのに、なれない自分の悲しみに、くるくる。
きっと、くるくるしながら、自分の中にある怒り、悲しみを解放し、癒していったのです。
さらには私の中にあった、苦しみや両親へのわだかまりさえも、光を注いでいきました。

「元気だね」「個性的だね」
ありのままを受け止められるようになっていました。

それまでの私は心が苦しくて10年くらい、様々な心理療法、ヒーリング、カウンセリング、占い、心理学の勉強に通い、助けをもとめてきました。しかし、このくるくる描くというアートで、10年かかって乗り越えられなかった壁を、1カ月で回復することができたのです。

『自分で自分を癒すことができる』
指でくるくると描くことで、今の自分の心を受け止め、つつみ、癒すことができた。
自分自身を認めることができ、ありのままの自分でいいと思えるようになったのです。

さらには物事をありのままに受け止め、前向きにとらえる力もついていきました。
親子関係は良くなり、他人とのコミュニケーションも改善し、仕事もうまくいきだしました。
他人と比べてばかりいた、戦ってばかりいた私は、心と体の緊張がとれ、自分らしさを取り戻すことができた。

『パステルアートには心を回復する力がある』
私自身の心の回復の体験から、私は臨床心理士の先生とともにこのアートを研究するようになったのです。
その結果生まれたのがゆびまるこの心を育てるアートです。

苦しかった過去があったからこそ、このアートの大切さは実感しています。
そして絵が描けなかった私だからこそ、今もずっと描きつづけています。


がんばっているお母さんたちに頑張らない時間をアートで作りたい。
すべての子どもたちに「あなたはあなたでいいんだよ」と居場所としてアートを届けたい。
自分に自信がなくて、自分には居場所がないと思っている人に
生きる力としてあなたの表現をツールとして身につけてほしい。

それが私の思いです。
あなたはあなたでいいんだよ。
みんなちがって、みんないい。