企業の社会的責任。
Corporate Social Responsibilityの略語である。
企業は,利益追求,法令遵守だけでなく,あらゆるステークホルダー(利害関係者のことで,消費者をはじめ社会全体)の多様な要求に対し適切な対応をとる義務があることを示す。人権を尊重した適正な雇用・労働条件,消費者への適切な対応,環境への配慮,地域社会貢献等々,市民としての企業が果たすべき責任をいう。国際的なガイドラインとして,国際標準化機構ISOは理事会の決議で,2001年CSRの規格化の検討に入ったが,社会的責任は企業のみではなく,より包括的なものであるという議論をへて,2011年11月,〈社会的責任SR Social Responsibility〉に関する国際規格ISO26000を発効させた。この規格には,〈企業統治〉〈人権〉〈労働慣行〉〈環境〉〈公正な事業慣行〉〈消費者に関する課題〉〈コミュニティおよび開発〉の七つの中核主題が掲げられており,企業のみならず,すべての組織を対象としている。