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具志堅隆松さんのハンガーストライキに応答する若者 緊急ステートメント

  •  「今回の件については、なんとしても止めたいんです。これは基地に賛成とか反対とか以前の、人道上の問題だ」

     3月1日から沖縄でガマフヤー(遺骨収集者)の具志堅隆松さんがハンガーストライキをはじめました。沖縄戦犠牲者の遺骨の混在が指摘されている沖縄本島南部の土砂を、名護市辺野古で強行される新基地建設の埋め立てに用いるという日本政府の方針に強く抗議をするためです。

     体を張って意思表示を行う具志堅さんのもとには、実際に南部で戦争を体験された方々はじめ、連帯する多くの県民が訪れ、計画の中止と、政府の方針に対して強い憤りを表しています。

     このことを受け、具志堅さんの想いに呼応し、私たち若者有志は以下のことを求めます。


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ◯私たちが求めること

    ・日本政府、防衛省、沖縄防衛局は、沖縄の人々の思いと、人道的に行ってはいけない行為だということを理解し、速やかに沖縄本島南部の土砂採取計画の中止を決定すること。

    ・沖縄県知事は、自然公園法33条2項をはじめとする、様々な法律を検討し、沖縄防衛局が行おうとしている沖縄本島南部の土砂採掘計画の早急な中止・制限を決定すること。

    ・本土のメディアが、本件について大きく報道すること。

    ◯私たちの提言

    ・菅首相をはじめとする日本政府関係者は沖縄の歴史、戦争から現在まで続く諸問題を学び、それらの根本的な解決に向けて動くこと。

    ・日本に生きるひとりひとりが、この問題を沖縄という一地方の政治問題として捉えるのではなく、日本全体の戦後処理・戦争体験継承・人権意識・民主主義に関わる問題として、当事者意識を持って学び、議論する、開かれた場をつくること。

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     そもそも、2016年に「国民の代表機関」であり、「国権の最高機関」たる国会において、戦没者遺骨収集推進法が超党派の議員立法により全会一致で成立しました。同法第1条には、「戦没者の遺族をはじめ今次の大戦を体験した国民の高齢化が進展している現状において、いまだ多くの戦没者の遺骨の収集が行われていないことに鑑み、戦没者の遺骨収集の推進に関し国の責務を明らかにする」との目的を記しており、2024年までを「集中実施期間」と指定しています。対する日本政府は、国の責務で遺骨収集にあたるという同法の精神に反し、遺骨の混じった土砂を使って新基地建設を強行しようとしています。これは、国会で示された戦没者とその遺族の尊厳の尊重を求める民意への裏切りであり、国家的な人権侵害、民主主義からの逸脱行為です。

     沖縄戦は、「本土防衛」を目的として、住民を大規模に巻き込んだ日本唯一の地上戦でした。そこでは、全国各地から召集された「沖縄守備軍」と共に、本来保護されるべき沖縄住民が戦闘にまで動員されました。日本軍は本土防衛のための持久戦を継続したため、日本兵は壕追い出し・食糧強奪・住民虐殺などを行いました。結果、沖縄出身者だけで約12万人、沖縄住民の4人に1人の方が犠牲になりました。沖縄の住民に犠牲を強いた日本兵も、約6万6千人が命を落としました。

     埋め立てに使われうる土砂には沖縄戦で犠牲になった沖縄住民・日本兵のみならず、米兵や朝鮮人など様々な方々の遺骨が混在していると言われています。実際、ガマフヤーの具志堅さんの遺骨収集の際に、今回問題となっている糸満市「魂魄の塔」付近の採掘現場でも遺骨が発見され、DNA鑑定による特定が急がれています。そのような遺骨を「建材」にして、新たな戦争に繋がる基地を造ると言う計画が進んでいるのです。

     しかしながら、コロナ禍で現地に訪れづらいということもあいまって、このような状況を報じる「本土(ヤマト)」メディアは少なく、国会ならびに日本全体での議論も十分なされないまま、政府の不正義に命懸けで声を上げる責務を、具志堅さんをはじめとする沖縄の方々だけに押しつけてしまっている現状があります。これは、日本が今日まで長年続けてきた沖縄に対する無意識・無関心・構造的差別を表しているのではないでしょうか。日本社会に暮らす私たちひとりひとりは、この国が歩んできた歴史の上に存在しています。沖縄戦も今の私たちの生活に繋がっている歴史である以上、それぞれが向き合うべき歴史的事実であると私たちは考えます。だからこそ、これは決して沖縄という一地方の政治問題ではなく、日本全体の戦後処理・戦争体験継承・人権意識・民主主義に関わる問題なのです。

     沖縄戦の記憶を留め、沖縄に対する構造的差別を止め、そして民主主義と人権を尊重する日本社会を実現していくために、今回の土砂採取に関しては、まず戦没者の遺骨を収集する方々や、遺骨すらも抱きしめることができない遺族が訴える声に耳を傾けるべきだと考えています。そのために私たちは、遺骨を含む南部の土砂での基地建設に反対すると共に、いま沖縄で上がっている問題提起に耳を傾け、共に学び議論する動きをつくっていきます。みなさんも、当事者としてこの流れに加わって頂けないでしょうか。

    2021年3月6日

  • <呼び掛け人>

    石川 勇人 沖縄国際大学 

    坂本 菜の花

    西尾 慧吾 Yale University

    福田 和子 University of Gothenburg / #なんでないの プロジェクト代表

    古井 愛 任意団体JIWA-JIWA共同代表 

    元山 仁士郎 「辺野古」県民投票の会元代表/一橋大学大学院法学研究科博士課程 

    <賛同者>

    粟国 悠理 沖縄大学 

    東 佳祐

    阿山 咲春 琉球大学 

    新城 まや

    五十嵐 悠真 日本大学 

    井坂 鼓地

    石原 直文 名桜大学 

    伊藤 日向子

    稲福 政志 琉球大学法文学部 

    伊波 万里

    上野 響生

    宇地原 栄斗 東京大学大学院教育学研究科修士課程 

    尾池 花菜 Aberystwyth University

    大城 章乃 Friedrich-Alexander-Universität Erlangen-Nürnberg 

    門脇 未華 明治学院大学 

    鹿野 桃香

    河野 慧 琉球大学 

    木村 咲貴

    國仲 杏 国際基督教大学 

    古賀 勇人 一橋大学大学院経済学研究科修士課程 

    古城 日向子

    小波津 義嵩 東京大学大学院教育学研究科博士課程 

    小山 七海 私立小中学校職員 

    坂本 佗助

    瑞慶覧 長風

    瑞慶覧 良太

    杉野 沙歩 明治学院大学 

    鈴木 亜季

    住田 瑠羽

    瀬名波 奎

    高橋 祐貴 東京大学 

    多喜 春華 任意団体JIWA-JIWA共同代表 

    田中 駿介 慶應義塾大学 

    土岐 若菜 任意団体JIWA-JIWA 

    長田 のっこ 大学生

    仲本 和 沖縄国際大学 

    中山 李咲

    西永 怜央菜 作家 

    橋本 思織 京都精華大学 

    濱崎 篤郎 桃山学院教育大学 

    早野 拓真

    春木 萌花 立命館アジア太平洋大学

    福地 リコ ライター/映像制作 

    普久 原朝日 写真家 

    藤岡 もえ

    松島 周

    松本 明果

    宮良 麻奈美 石垣市住民投票の会 

    村田 幸優

    村山颯 Wesleyan University 

    安田 ふみ

    與儀 幸太郎 University of Hawaiʻi at Hilo, Ka Haka ʻUla o Keʻelikōlani 

    吉野 洲馬 個人事業主 (フォトグラファー・ビデオグラファー) 

    吉原 羽南 立命館アジア太平洋大学

    ※名前は五十音順、3月6日時点

  • <賛同者> ※3月7日以降、順不同。順次追加します。

    石河 恵理 関西大学学生

    尾池 実 関西大学社会学部学生

    知念 佐枝 国際基督教大学4年

    松村 晴恵 東北大学3年

    佐原 光太

    与那嶺 真一郎 沖縄キリスト教学院大学

    新盛 真也 沖縄国際大学

    長瀬 進之介

    宮城 和 向陽高校

    小野 天寧 向陽高校

    古蔵 海仁 辺土名高校

    鈴木 あかね

    金城 和希

    仲宗根 優介 東洋大学

    竹内 若菜

    松田 駿太 沖縄国際大学

    パク・ボンソク

    金城 妃美佳 沖縄県立芸術大学

    吉村 美耶 近畿大学

    玉城 知真 九州大学大学院

    白石 颯太

    榎本 空 ノースカロライナ大学チャペルヒル校

  • (ヘッダーの写真は普久原朝日撮影)

  • <呼び掛け人>

    石川 勇人 沖縄国際大学 

    坂本 菜の花

    西尾 慧吾 Yale University

    福田 和子 University of Gothenburg / #なんでないの プロジェクト代表

    古井 愛 任意団体JIWA-JIWA共同代表 

    元山 仁士郎 「辺野古」県民投票の会元代表/一橋大学大学院法学研究科博士課程 

    <賛同者>

    粟国 悠理 沖縄大学 

    東 佳祐

    阿山 咲春 琉球大学 

    新城 まや

    五十嵐 悠真 日本大学 

    井坂 鼓地

    石原 直文 名桜大学 

    伊藤 日向子

    稲福 政志 琉球大学法文学部 

    伊波 万里

    上野 響生

    宇地原 栄斗 東京大学大学院教育学研究科修士課程 

    尾池 花菜 Aberystwyth University

    大城 章乃 Friedrich-Alexander-Universität Erlangen-Nürnberg 

    門脇 未華 明治学院大学 

    鹿野 桃香

    河野 慧 琉球大学 

    木村 咲貴

    國仲 杏 国際基督教大学 

    古賀 勇人 一橋大学大学院経済学研究科修士課程 

    古城 日向子

    小波津 義嵩 東京大学大学院教育学研究科博士課程 

    小山 七海 私立小中学校職員 

    坂本 佗助

    瑞慶覧 長風

    瑞慶覧 良太

    杉野 沙歩 明治学院大学 

    鈴木 亜季

    住田 瑠羽

    瀬名波 奎

    高橋 祐貴 東京大学 

    多喜 春華 任意団体JIWA-JIWA共同代表 

    田中 駿介 慶應義塾大学 

    土岐 若菜 任意団体JIWA-JIWA 

    長田 のっこ 大学生

    仲本 和 沖縄国際大学 

    中山 李咲

    西永 怜央菜 作家 

    橋本 思織 京都精華大学 

    濱崎 篤郎 桃山学院教育大学 

    早野 拓真

    春木 萌花 立命館アジア太平洋大学

    福地 リコ ライター/映像制作 

    普久 原朝日 写真家 

    藤岡 もえ

    松島 周

    松本 明果

    宮良 麻奈美 石垣市住民投票の会 

    村田 幸優

    村山颯 Wesleyan University 

    安田 ふみ

    與儀 幸太郎 University of Hawaiʻi at Hilo, Ka Haka ʻUla o Keʻelikōlani 

    吉野 洲馬 個人事業主 (フォトグラファー・ビデオグラファー) 

    吉原 羽南 立命館アジア太平洋大学

    ※名前は五十音順、3月6日時点