政府の対応しかり、マスコミ等の報道しかり、何が正解か分からない状況で、
巷の情報に振り回されないため、そして従業員やお客さん(患者さん)を守るためにも、
まず経営者自身の軸を今一度、整えることが大事だと考えます。
そこで今回のセミナーも前回同様、志・理念にテーマを絞ってお伝えします。
具体的なノウハウは得られないかもしれませんが、あなたの経営者魂に火をつけたい。
今の状況はピンチじゃなくチャンスだと気付け、元気が沸いてくる。
「自分は何のために経営をしているのか?」を振り返るきっかけになる。
「人を大事にする」とはどういうことか?スタッフとの向き合い方が分かる。
前向きな視点とプラスエネルギーを感じ、明日からの活力が得られる。
あなたにはそんな価値をお届けしたいと思います。
「経営の神様」と呼ばれる、松下電器(現パナソニック)創業者、松下幸之助氏ですが、
起業当時は経営理念は無かったと、創業60周年を記念して発刊された「実践経営哲学」で
述べています。
~~~以下、『実践経営哲学』(松下幸之助著)より抜粋~~~
私は六十年にわたって事業経営に携わってきた。
そして、その体験を通じて感じるのは経営理念というものの大切さである。
言い換えれば、“この会社は何のために存在しているのか。
この経営をどういう目的で、またどのようなやり方で行っていくのか”
という点について、しっかりとした基本の考え方をもつということである。
(中略)
しかし実を言えば、私自身、事業を始めた当初から明確な経営理念をもって仕事を
してきたという訳ではない。私の仕事は元々、家内と義弟の3人で、いわば食べんがために、
ごくささやかな姿で始めたことでもあり、当初の間は経営理念というようなものについては、
何らの考えも無かったと言ってもいい。
(中略)
それはまだ戦前の昭和7年のことであったけれども、そのように一つの経営理念というものを
明確にもった結果、私自身、それ以前に比べて非常に信念的に強固なものができてきた。
そして従業員に対しても、また得意先に対しても、言うべきことを言い、なすべきことをなす
という力強い経営ができるようになった。また、従業員も私の発表を聞いて非常に感激し、
いわば使命感に燃えて仕事に取り組むという姿が生まれてきた。
一言にしていえば、経営に魂が入ったといってもいいような状態になった訳である。
それからは我ながら驚くほど事業は急速に発展したのである。
不幸にして、その後戦争が始まり、そして敗戦となって、戦後の混乱の中で会社経営は
著しく困難に陥ったけれども、そうした困難の中で支えになったのは、その生産人としての
使命感であり、何のためにこの経営を行っていくのかという会社の経営理念であったと思う。
(中略)
そして、その経営理念というものは、何が正しいかという、一つの人生観、社会観、
世界観に深く根差したものでなくてはならないだろう。そういうところから生まれてくる
ものであってこそ、真に正しい経営理念たり得るのである。
~~~ここまで~~~
第一次世界大戦、関東大震災、日中戦争、そして第二次世界大戦と、
幾多の混乱期を乗り越えて成長し続けてきた、その原点が『経営理念』だったといいます。
まさに今こそ、「何のために経営をするのか?」この原則的な問いを一緒に考えませんか?