オストメイトとはなにか?
これまで多くの手術を経て来ましたが、
2019年、9月2日、永久ストマ(人工肛門)を造設致しました。
自分の原因疾患がなかなか分からず、
患者歴は確定診断まで25年と、非常に長いものでした。
そして、41歳にして、
自分が「オストメイト医師」という身体障害者兼・医師になるとは、
夢にも思っていませんでした。
残った腸で腹部に造る、肛門代わりの排泄口です。
その為、筋肉を持たず、常に排泄物が流れ出ます。
パウチと呼ばれる袋を24時間排泄口に装着し、
排泄物を受け止める構造になっています。
慣れない頃は、装具が合わず、
便が漏れてしまうことも多々ありました。
紙やすりで切り刻まれるような感覚は、
たとえ医療者であっても、耐え難い日々でした。
ストマ周囲の肌荒れがひどく、一睡もできない夜もありました。
便意やおならをコントロールできないので、外に出るのが怖く、
人と会うことを避けるようになった時期もありました。
脱水によるだるさが強く、育児も仕事もままならない。
体にフィットする洋服も、かわいい下着も着られない。
今振り返ると、この一年は、
それまで当たり前に享受していた日常を、
一つ一つ諦めて行く作業を繰り返す日々でした。
しかし、
ストマとどうすれば共存していけるかを模索するのにただただ必死で、
私自身は、
喪失感を感じる余裕さえもなかったのが正直なところです。