50年前に、私の父が始めたのがやきとり専門店「鳥せゑ」です。 
京都では、一番老舗のやきとり店のはずです。 

当時は、仕事終わりのサラリーマンがポケットに忍ばせた1000円で 
一杯飲んで帰るというのが一般的。 
同じくサラリーマンだった父は、自分と同じ境遇の人たちに 
安くて美味しいものを提供したいと思ったようです。 

10年後には酒造メーカーと共同で、酒蔵での料理提供も始めました。 
当時としてはかなり挑戦的な試みだったと思いますが 
これが大当たりして、店舗も拡大していきます。 

やがて、私が父から代表を引き継ぐと 
「とにかく稼ぎたい」とがむしゃらに働きました。 
けれど、社員が次々に辞めていく。 
困り果てて、いろんな人に話を聞きました。 
経営者セミナーにも参加しました。 

そこで気づいたのが「私は自分のことばっかり考えていた」ということ。 
「大事なのは、社員一人ひとりが満足して働けることなんや」と。 

鶏料理に特化してきた当社が、今回、鉄板串焼きのお店を出店するのも 
鳥インフルエンザ騒動の時に「何かあった時に社員が不安に思うようじゃアカン」と思ったから。 

これを機に社員の活躍の場を広げ、みんなのやりたいことを応援したいと思っています。