--岩崎さん!
「あ、小松さん。なんかいろいろと嗅ぎまわっているって、噂になっているよ」
--嗅ぎまわるだなんて…(失礼な)
コールセンターについて、いろいろとお話をうかがって、お仕事の内容や雰囲気について昨日よりは知識がついたと思っています
そのまとめとして岩崎さんに聞いてみようと思って待っていました
あーで、こーで、そーで、どーだと思うんですが、合ってますか?
「そんな簡潔にはまとめられないと思うけど… うちのセンターの最大の特徴は、インバウンドサービスでありながら、アウトソーシングをしているわけではないということなんだ。通常、インバウンドサービスは顧客の一部門として、顧客の代わりに電話を受けるというスタンスなのに対して、うちの場合はうちが開発して商品化した仕組みを顧客に使ってもらっているというイメージ。わかるかな?」
--いいえ、わかりません
「普通は顧客の一部門にすぎないのだから、電話を受けるルールから、対応の方針まで顧客に決めてもらわないと仕事を進めることができないのに対し、うちは仕組みを作ってそれを使ってもらっているから、すべてのスキームはうちが決めたものなんだ。大手がやっているようなアウトソーシングでは、現場のコール対応者が、現状のままではなく、こんなふうに変えたほうがうまくいくのに、と思ったとしても、それを実際にやろうと思ったら、顧客の決裁まで必要なのでとんでもなく長い時間と労力がかかる。でも、うちはメンバーが思いついたら、それをリーダー、マネージャーと相談し、それが良いとの結論に達したらすぐに実行することができるんだ」
--すこしわかったような気がします!
「特に大手は働いている人も、そんなプロセスが必要だということはわかって働いているので、アイディアを思いつくような発想さえも必要ないことになるよね。考えるだけ無駄だから、うちの場合は、メンバー一人ひとりが考えたり、周囲に発信した意見で対応ルールが改定されたケースは珍しくないよ。それだけ、現場の意向を重視した運営をしているんだ」
--やりがいがありそうですね
「どうかな。きちんとした枠組みがあって、それを忠実に遂行している大手スタイルが合う人もたくさんいると思う。ただ、うちのスタイルがこうだ、というだけで」
--ありがとうございました
きょうはとても良い経験をさせてもらって、とても勉強になりました
「最後に一つ言いたいんだけどいいかな。今うちではAIを活用したLINEによる自動応答システム開発を進めているんだ。一般的に、これからの日本の人手不足をAIやロボテックが埋めるから、コールセンターはこれから消えていく職種ではないか等々言われている。私にはそんな未来は全く見えなくて、これからどんな社会になっていくとしても、リアルに人と人が繋がる電話というテクノロジーが消えることはないし、そこに人間以外のものが入り込むこともできないと思っている。ただ、AIやロボテックがやるべき分野は確かに存在していて、実際にコールセンターを運営しているからこそAIやロボテックに与えられる知見は、この業界の未来を大きく左右していくはずなんだ。そんな未来へと進むマイルストーンを、中から一緒に眺めていくというのはとてもエキサイティングな毎日だと思います」
ということで、私の株式会社ユーエムイー、コールセンターレポートはいかがでしたでしょうか
結局、最後は岩崎部長にカッコ良くまとめてもらってしまいました。