先が見通せない、仕事が終わらない、何をやったらいいのかわからない、使える資料がほしい、教師としての力を高めたい。
そんな新任の先生方のための必携の書です。
授業、学級経営、生徒指導、保護者対応、他、実際に教育活動や仕事を進めていく上で直面する課題や、教師として習得すべきものを広い範囲から多岐にわたって取り上げており、新任教師に必要な内容はこの一冊に網羅されています。
さらに、How toやスキルアップ的な内容のみにとどまることなく、それぞれの教育活動の意義や背景、根拠となる学習指導要領における位置づけや国の動向等にも踏み込んでいます。これを理解することは、日々の教育実践を裏打ちする上で極めて重要であり、ここまで触れている書籍は多くはありません。
加えて、ビジネスマナーや著作権、事務処理を効率化させるための技など、直接的な教育活動以外にも教師として身につけておくべきことを丁寧に解説。「他の研修では学べない」と、実際に筆者が指導した初任者からも好評でした。
初任者が特に勉強になったと指摘した資料、管理職や中堅・ベテランの先生方から要望や評価の高かった資料を取り入れるなど、現場の先生方のニーズを反映させた教師力アップのための必携の書です。
〇求められる教師像
〇あなたが目指す教師像
〇授業は教師の生命線
〇5つの行動指針
〇学級開きの意義
〇学級開きに話したいこと
〇最初の学級通信に載せたいこと
〇学習規律
〇清掃指導
〇給食指導
〇朝の会と帰りの会
〇4月中にやっておきたい5つのこと
〇学級目標を決める
〇学級の組織をつくる
〇朝の会と帰りの会を効果的に運営する
〇授業規律を確立する
〇座席はじっくり考えて決める
〇教室環境を整備する
〇第一回保護者会(学級懇談会)の内容
5 子供を伸ばす授業のつくり方
〇授業改善のためのチェックリスト
〇児童生徒一人一人を理解する
〇教材研究を周到に行う
〇魅力ある授業をつくる
〇学習意欲を高める評価を行う
〇授業改善に児童生徒の視点を生かす
〇授業効果を高める8つのポイント
〇道徳の教科化によって変わるものと変わらないもの
〇道徳教育と道徳科の授業
〇道徳の授業のねらい
〇道徳の授業を構想する
〇道徳の授業について、最初に児童生徒に伝えておきたいこと
〇道徳の授業に対する教師の意識の実態
〇一時間の授業のねらいとねらいに迫る発問
〇授業の組み立てと留意点
〇授業でよく使われる手法
〇「ハゲワシと少女」(ピューリッツァ-賞受賞の写真)を教材にした授業づくりの演習
〇学校で育てる資質・能力
〇学校で培う力や技能
〇人権感覚を育むために
〇学校安全の領域と構造
〇安全教育と安全管理
〇スポーツ振興センター災害共済給付制度
〇学校管理下における事故の例
〇自助・共助・公助
〇授業で使えるサイト
〇情報モラルとは
〇情報モラル教育の必要性
〇SNS等に起因する子供たちの被害の現状
〇情報モラル教育の指導内容(2領域5分野)
〇指導内容の具体例と指導の視点
〇情報モラル教育の実施上の留意点
〇授業で使えるサイト
〇著作物とは
○知らずにやってしまっている著作権侵害
〇著作物を無断使用できる場合
〇著作権に関することで知っておくべきこと
〇児童生徒への著作権教育の必要性
〇著作権教育の授業展開例
〇授業で使えるサイト
〇評価の目的
〇評価の方法と時期
〇評価を行う上での留意点
〇評価規準と評価基準
〇客観性と信頼性の確保
〇指導と評価の一体化
〇評価から評定へ
〇個人内評価でアプローチ
〇新学習指導要領の評価の観点
〇生徒指導の3つの機能
〇コーチングの手法を生かした生徒指導
〇やる気を引き出すテクニック
〇問題行動や事故が発生したときに押さえておきたいこと
〇保護者と対応する上で押さえておきたいこと
〇保護者との対応のしかた(類型別に)
〇保護者と対応するときの望ましい座席
〇「特殊教育」から「特別支援教育」へ
〇一人一人のニーズに応じた教育
〇ノーマライゼーションの理念に基づく教育
〇障害のある人を支援するための各種手帳
〇ADHD、LD、高機能自閉症の特性と支援の手立て
〇発達障害を持つ児童生徒への対応における基本姿勢
19 特別支援教育の視点を生かした授業のユニバーサルデザイン化
〇特別支援教育の視点
〇板書の構造化
〇時間の構造化
〇情報の視覚化
〇簡潔で分かりやすい発問・指示
〇肯定的な指導と評価
〇特別支援教育の視点を生かしたユニバーサルデザイン化とは
〇キャリア教育と進路指導の関係
〇キャリア教育で育てる力
〇小・中学校におけるキャリア教育の目標
〇キャリアガイダンスとキャリアカウンセリング
〇高校中退の実態
〇いじめ問題への認識
〇いじめの構造
〇いじめの定義
〇いじめの兆候、サイン
〇いじめへの対応
〇授業におけるアンケートの活用
〇家庭訪問の目的
〇訪問前の準備から訪問後のまとめまで
〇その他の留意事項
〇学校教育における部活動の位置づけ
〇部活動から得られるもの
〇部活動をめぐる諸課題
〇部活動運営上の留意点
〇国の「部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の概要
〇教職員評価システムの目的と自己評価シートの意義
〇目標の連鎖による組織力の強化
〇自己評価シートの書き方と留意点
〇「先生は常識を知らない」と言わせないために
〇あいさつ
〇言葉遣い
〇電話の対応
〇服装、身だしなみ
〇文章と文字
〇報告、連絡、相談のタイミング
〇来客の対応
〇その他、覚えておきたいマナー
〇体罰
〇交通事故
〇わいせつ行為
〇ハラスメント
〇個人情報の管理
〇金品の管理
〇教職員事故、不祥事の事例
〇服務の関連法規等
〇2つの義務と2つの処分
〇研修
〇出張
〇休暇の種類
〇現状と課題
〇メンタルヘルスが崩れる要因
〇メンタルヘルスが崩れた時にみられる症状
〇ストレスへの対処法
〇新任先生へのエール
〇国が目指す学校(教員)の働き方改革の概要
〇学級担任としての仕事
〇校務分掌担当者としての仕事
〇事務処理等
〇指導要録の取扱い、記入のしかた
〇計算の基本
〇成績処理、会計処理、データの分析・処理等に使えるエクセル関数
〇知っておくと便利なセルの表示形式
毎年、全国で約3万人の新任の先生が誕生しています。そして、新任の先生も他の教師と同じように、4月からすぐに教壇に立ち、責任をもって児童生徒の教育に携わらなければなりません。
新しい先生にとっては仕事の全てが初めてのことであり、手探りの状態で孤軍奮闘していくことになります。最も辛いことは、先が見通せない状況の中で、理解が不十分なまま多くの業務をこなしていかなければならないことです。
教師としての力量は、初めから備わっているわけではありません。日々実践していく過程で、失敗することもあり、自信を失ったり悩んだりすることもあります。毎日新しいことに取り組んでいくのですから、迷ったり、つまづいたりするのは当然です。私が担当した初任者の先生たちも、皆、そのような状況を何度も乗り越えてたくましく成長していきました。
本書は、このような初任者のパワーアップの原動力となった初任者研修の指導資料に、改善を加えて編集したものです。
夢と希望をもって教師を志した若い先生たちの手引書として、そして中堅・ベテランの先生方の確認の書として、さらに管理職・指導職の先生方の参考書としてご活用いただければ幸いです。
1954年 宮城県生まれ。
1977年 宮城教育大学特別数学科を卒業後、埼玉県公立中学校数学科教諭として教職に就く。
教育行政職を経て、小・中学校の校長、教頭として、学校経営及び教職員の指導・育成に携わる。
校長在職時、埼玉県教育委員会より学力向上研究を委嘱され、話合い活動の充実を推進して学力向上を実現。
定年退職後5年間、初任者の指導教員として後進の指導・育成に尽力。
現在、地域の卓球クラブを運営し、小・中学生等の指導に携わっている。
著書に、「フレッシュ先生のためのパワーアップ講座」「子供たちへの話箱」(デザインエッグ社)などがある。