食と農にかかわる物語づくりをお手伝い

はじめまして。竹下大学と申します。

「日本の農業を品種改良で面白くしたい」、こう志を立てて仕事に就いたのは31年前でした。多くの仲間に支えられ勝ち続けた仕事、天職だと感じた仕事でしたが、サラリーマンの立場で続けることは叶いませんでした。
しかし「パラレルキャリア」という言葉を知り、「組織の枠に囚われている限り自己実現はできない」と気づいて行動した時に、私の可能性は再び大きく広がり始めたのです。

いまこうして振り返ってみますと、様々な場所に足を運び、たくさんの植物たちに触れ、大勢の人たちと語り合ってきたことが、一度やる気を失いかけた私を、いつの間にか再び表舞台に押し戻してくれたとしか説明のしようがありません。

自分の力を発揮できる環境、すなわちお役に立てる人との出会い、その輪の広がりこそが、新しい物語の始まりだと私は信じています。

ごあいさつ

生きがいとやりがいを持って魅力を伝える力が、新たな需要を生み出します。
東京都新宿区生まれ。千葉大学園芸学部卒業後、キリンビールに入社。新規事業としてゼロから育種プログラムを立ち上げ、同社アグリバイオ事業随一の高収益ビジネスモデルを確立。2004年には、All-America Selectionsが北米の園芸産業発展に貢献した品種を育成した育種家に贈る「ブリーダーズカップ」の初代受賞者に、世界でただ一人選ばれた。
2010年のアグリバイオ事業譲渡後は、技術戦略立案部署、技術系人材の育成専任部署、一般財団法人食品産業センターへの社外出向を経験。現在はこれらの経験を活かし、植物・人材育成・イノベーション・健康の切り口から、様々な情報発信やセミナー等を行っている。

技術士(農業部門)、キャリアコンサルタント、
CTT+(Comptia認定国際トレーナー資格)

専門分野

農作物、園芸
農作物や植物とのふれあいの魅力をどのように伝えたらわからないまま、思い付きであれこれ動いてはいませんでしょうか?
育種、品種改良
「商業育種」という言葉で関係者の心がひとつになっていますでしょうか?
10年後を見据えた仕事をどれだけしていますでしょうか?
加工食品、地域振興
お客様目線に立った商品開発やサービス提供だと言い切れる根拠は、本当に明確になっていますでしょうか?
人材育成
指導的なポジションの人は、教え方や人の育て方について、正しい知識・スキル・考え方を持っていますでしょうか?

お手伝いできる内容

現地取材
農業、食品関連全般
執筆
農業、食品関連全般
講演
好きを仕事にする方法、弱者の勝ち方、セカンドキャリア、植物に学ぶ生き方、園芸の素晴らしさ
セミナー、研修
イノベータ―養成、自己実現、キャリアデザイン、パラレルキャリア、技術技能伝承、OJT
講義(大学生向け)
育種、農作物、農業史、園芸、キャリアデザイン
その他
商業育種、農産物プロデュース、人材育成関連のコンサルティング

その他
商業育種、農産物プロデュース、人材育成関連のコンサルティング

著書

日本の品種はすごい
中央公論新社
植物はヒトを操る
毎日新聞社
共著
パパの楽ちん菜園
講談社
東京ディズニーリゾート植物ガイド
講談社
監修
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講談社
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地域の食の世界遺産「本場の本物」をめぐる(好評連載中)

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日本の品種物語3:のぞみ

平和への願いを込めて

バラは特別な花だ。なぜなら戦争の名前にまでなっているから。

15世紀半ばにイギリスで起きたバラ戦争は、ランカスター家とヨーク家の王位継承をめぐる30年にもおよぶ内乱である。ランカスター家が一重の赤バラを、ヨーク家が一重の白バラを紋章にしていたことから、後にバラ戦争と呼ばれるようになった。

それから約400年後、フランスで育成され、第二次世界大戦後に「ピース」と名づけられた品種ついては、ご存じの方も多いかもしれない。

日本には現代バラの成立に重要な役割を果たしたノイバラを筆頭に、14種の野生種が自生する。にも関わらず、伝統的な家紋にバラは使われてはいない。どうも私たちのご先祖様にとっては、バラは特別な花ではなかったようだ。

ガーデンローズの開発競争は、プロアマ入り乱れて熾烈を極める。そのせいか世界中で長く愛される日本生まれの品種は、極めて稀な存在だ。おそらく「のぞみ」だけであろう。花の直径は3cmほど。日本では一季咲きだが、欧米の涼しい環境では横に大きく広がり、秋まで無数の花を咲かせ続ける。

そんな「のぞみ」が育成されたのは1968年。育成者は浦和市在住のアマチュア小野寺透氏である。それも初めて交配して採ったタネから選抜した個体なのだ。品種名は、実の妹の子で、3歳で亡くなった娘の名前にちなむ。

太平洋戦争中に満州で生まれたのぞみちゃん。母を亡くして命からがら一人きりで帰国し、戦地から戻った父が待つ品川駅に列車で向かっていた。だが母の遺骨を抱いて座っていたのぞみちゃんは、父に初めて抱かれた時には息を引き取っていた。身体はまだ温かったという。

「のぞみ」は他のバラたちよりも少し遅れて、6月第2週に花盛りを迎える。平和について考えずにはいられない目下の暮らし。バラ園やご近所で「のぞみ」を探してみてはいかがだろうか。

日本の品種物語2:コガネセンガン

芋焼酎の味を変えた

佐藤、天使の誘惑、赤兎馬、もぐら、魔王、森伊蔵、一刻者、明るい農村、富乃宝山、三岳、日向木挽、さつま白波、黒伊佐錦に黒霧島。

何番目でお気づきになられただろうか。そう、これらは芋焼酎の人気銘柄。それも原料に「コガネセンガン」だけを用いているものだ。

芋焼酎ブームが起きたのは2003年。臭いからと九州以外では敬遠されていたのが、一気に首都圏でも飲まれるようになった。クロキリが果たした功績は述べるまでもなかろう。その一方で、味を変えたコガネセンガンについては知られていない。

コガネセンガンの外見上の特徴は、淡黄色の皮だ。赤紫色のサツマイモしか知らない人なら、ジャガイモのような色の品種があることにまず驚く。高でん粉価と1株で47キログラムという最高記録が示す多収性こそ、真の価値だ。

開発したのは国の九州農業試験場(現農研機構九州沖縄農業研究センター、熊本県合志市)で、1966年に命名登録された。もともとは日本のでん粉産業を輸入品から守るために育種された。いまでは芋焼酎原料の9割を占めるほか、菓子でも大量に使われる。育成者は坂井健吉さん。95歳になったいまも毎日のように貸農園に通い汗を流す。 

坂井さんからお話を伺うと役人に対するイメージが一変する。なにせ胆力と行動力が半端ない。次から次へと飛び出す武勇伝。民間企業であってもこれほどの人物には滅多にお目にかかれまい。コガネセンガンはアメリカ、インドネシア、日本の品種の血が混じる。開発体制を含め、多様性を発揮させるために壁を壊し続けたこの人だからこそ生まれ得た品種だと納得だ。

なお、赤霧島は紫芋のムラサキマサリ、茜霧島は果肉がオレンジ色のタマアカネで造られる。白霧島はコガネセンガン100%だが、黒霧島が黒麹で仕込むのに対し白麹を使う。

日本の品種物語1:デジマ

名前の由来はあの出島

「新じゃが」の文字に目が向いてしまう季節がやってきた。新じゃがの糖度は普通のジャガイモよりも低いため、味で勝っているはずはないのにどうしてなのだろう。ツルスベの美肌のせいだかろうか。それとも初物に熱狂した江戸っ子の血が騒ぐのだろうか。

新じゃがとして店頭にならぶ品種は、九州産の「ニシユタカ」である場合がほとんど。新じゃがに限れば、収量と栽培性に優れる「ニシユタカ」は圧倒的なナンバーワン品種なのである。

ただ「ニシユタカ」の味に少々物足りなさを感じる人もいる。それは「ニシユタカ」の一代前の銘品種「デジマ」のせいだ。事実、「デジマ」の方がおいしいのである。

「デジマ」を育成したのは長崎県総合農林技術センター(現長崎県農林技術開発センター、雲仙市)で、1970年代後半から80年代後半にかけては、新じゃがといえば「デジマ」であった。名前の由来はもちろんあの出島である。

出島の面積は約1・5㌶。東京ドームのグラウンド部分より少し広い程度にすぎない。ここにオランダ人が居住し始めたのは、1641年。その後200年間以上も出島から出られなかった彼らは、日本で手に入れられない西洋野菜を島内で栽培するようになる。西洋ニンジン、レタス、キャベツ、ホウレンソウが作られていたようだ。だがなぜか、ジャガイモについては育てられた記録は残されていない。

日蘭史の研究者であるイサベル・田中・ファンダーレンは、「庖厨全書とオランダ料理」の中で、オランダ商館長ブロムホムの日記の一節を紹介している。それによると、「桜馬場という長崎付近のある村に行き、じゃがいもを収穫した。これはその年に15タールの値段で借りて植えてあったものである」とある。

桜馬場の地名は今でも長崎市内に残る。出島までは約1・6㌔㍍。眼鏡橋を眺め、当時のジャガイモロードを想像しながら散策してみるのも一興だ。

連載実績

日本の品種物語                 2020ー      農業、園芸
地域の食の世界遺産「本場の本物」をめぐる    2020ー      加工食品
コアコア新聞                  2019ー       地域創生
知りたい‼ 農産物加工のおもてうら       2019ー2020     農産物加工
園芸親子の花メガネ               2013-2014    園芸
大学さんのフリースタイルベジタブる       2013ー2014    園芸
Wishing Upon A Plant                2008ー2009    品種改良
鵜の目鷹の目ブリーダーの目           2007ー2008      園芸
コアコア新聞                  2019ー       地域創生

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