法人破産とは

法人とは、会社、社会福祉法人、医療法人など、一定の社会的活動を営む組織体をさします。

法人が破産する場合を法人破産と呼んでいます。破産の特徴は以下のとおりです。
下記のように、破産は法人及び個人のすべてが対象となります。
破産のうち、法人が破産する場合が法人破産です。

破産の特徴

  • 適用対象に限定がなく、個人及び法人のすべてが含まれます。
  • 債務者が総債権者に対する債務を完全に履行することができなくなった場合、破産の開始原因とされています
  • 破産管財人が任命されます。破産管財人は、財産処分権を与えられて、債権者間の公平に配慮して、会社の清算を遂行します。
  • すべての破産債権者が手続きに参加し、原則として、平等な配当に服します。
  • 担保権者は原則として手続きに拘束されず、権利行使が認められます。
  • 債務者が総債権者に対する債務を完全に履行することができなくなった場合、破産の開始原因とされています

法人破産の効果

裁判所に破産の申し立てを行うと、裁判所が破産管財人を選任し、破産管財人が裁判所の監督の下で、会社財産を売却・回収し、集まった金額を法律で決まっている優先順位に従って債権者に支払って会社や事業を清算します。

法人が破産すると、その法人は消滅します。債務超過の会社はただ事業をやめただけでは債務が残ってしまうので、会社の清算はできません。
そこで、破産手続きを行うことによって、会社を消滅させることができるのです。

法人破産と代表者の関係

①連帯保証人としての責任

中小企業の経営者の方の多くは会社の債務を連帯保証しています。
そのような場合、当然経営者は連帯保証債務を負担します。

連帯保証とは、会社が借り入れをする時に、代表者個人が会社と同様の債務を負うことです。
このような場合には、経営者も会社破産の申立と同時に自己破産の申し立てを行うのが一般的です。

②代表者が個人破産する効果

経営者自身も自己破産の申し立てを行うため、所有している換価価値のある資産はすべて提供することになります。
たとえば自宅などの不動産、株その他の有価証券、生命保険などです。

ただし、生活の再建のために必要ですので、99万円までは自由財産の拡張を行うことにより手元に持ったまま破産することができます。
99万円をこえる財産は、破産管財人が換価回収して債権者に配当するための破産財団とします。

また、破産したとしても、住民税、所得税、固定資産税などの税金は免責になりません。
但し、家族名義の資産は提供する必要はありません。

③破産管財人への説明義務

経営者は、破産管財人や裁判所から説明を求められた場合、会社や個人の破産に関して説明をしなければならない義務があります。

法人破産のメリット

  • ①代表者が矢面にたたなくてよくなる

    破産開始決定が出たのちには、債権者の対応は基本的には裁判所から選任された破産管財人が行いますので、代表者が矢面に立つことがなくなります。

    代表者が経営状況の悪化した会社の経営から解放され、債権者からの追及などの矢面に立つことがなくなります。

    破産開始決定が出ると、基本的には、債権者の対応は破産管財人が行い、会社財産の換価業務も破産管財人が行いますので、代表者は会社経営の悩みからすべて解放されます。

  • ②取り立てが止まる

    会社が借金を払えなくなると、債権者から厳しく取り立てを受けます。

    弁護士に破産を委任した場合は、弁護士から各債権者に対して、受任通知が発送され、破産申立人弁護士が窓口となりますので、債権者から、会社や経営者に対する取り立てが止まります。
  • ③債権者の同意が不要

    特別清算や任意整理などでは、債権者の同意が必要になる場合もありますが、破産手続きにおいては債権者の同意は必要ありません。

    一部の債権者に強硬に不服を申し立てる債権者がいたとしても、破産法に則って粛々と配当などの手続きを行えばよいのが破産手続きです。

    このように、破産手続きは、一部の強硬な債権者がいたとしてもそのような債権者の同意を得る必要性はなく、一括して会社を清算することができます。
  • ④会社の債務がなくなる

    会社の破産手続きが終了すると、会社は清算され法人格は消滅します。
    そして、全ての債務は消滅します。これによって、経営者は経営の悩みや資金繰りの悩みから解放されることになります。

    破産手続きをきちんと行うことによって、夜逃げのような状況にならず、きちんと債務をなくすことができます。
    そして、再出発への精神的余裕が持てるようになります。
  • ⑤適正に清算手続きを進められる

    破産手続きは、裁判所が関与する清算手続きですので、破産法に則って適正に会社の清算が行われます。


    破産の申立人代理人弁護士が各債権者に受任通知を行うことにより、会社への請求などが止まるため、破産のための準備に集中することができます。

  • ②取り立てが止まる

    会社が借金を払えなくなると、債権者から厳しく取り立てを受けます。

    弁護士に破産を委任した場合は、弁護士から各債権者に対して、受任通知が発送され、破産申立人弁護士が窓口となりますので、債権者から、会社や経営者に対する取り立てが止まります。

法人(会社)破産のデメリット

  • ①事業継続ができなくなる

    一般的に破産申し立て前に事業を停止して閉店してから破産の申し立てをします。
    破産を申し立てた場合、基本的には事業の継続は難しく、申立会社は事業継続を行うことができません。
  • ②取引先の多くを失い、信用が低下する

    本来支払うべき債務を支払わずに会社を消滅させることになるので、経営者に対する信用が大きく低下することは避けることができません。

    法人を設立してから経営者が積み上げてきた信用が破産することによってなくなってしまいます。
  • ③財産を失うことになる

    会社の財産が清算されるのは当然ですが、中小企業の場合、経営者が会社の借入金などを連帯保証していることが多く、会社が破産するときは、経営者も一緒に自己破産せざるを得ない場合があります。

    その場合には、経営者個人の財産も生活に必要最小限のものを除いて失うことになります。
    たとえば経営者が、自宅を所有している場合は、自宅を売却する必要があります。
  • ②取引先の多くを失い、信用が低下する

    本来支払うべき債務を支払わずに会社を消滅させることになるので、経営者に対する信用が大きく低下することは避けることができません。

    法人を設立してから経営者が積み上げてきた信用が破産することによってなくなってしまいます。

法人破産手続きの流れ

Step
1
破産申立の準備

破産の申立を弁護士に委任すると弁護士は全債権者に対して「受任通知」を送ります。
受任通知送付後は、弁護士が債権者の窓口となり、会社は債権者から直接の取り立てを受けなくなります。

会社破産について、弁護士は裁判所に提出する書類の作成を開始します。
そこには、破産に至った経緯や事情、現在の財産、債務の状況などについて詳しくまとめ、裁判所に報告する必要があります。

また、申立代理人弁護士は、債権者一覧表の作成を行います。
ここには、会社債権者をもれなく記載する必要があります。加えて、債権調査票を各債権者に送付し、債権額について調査します。

Step
2
破産の申立
破産申立書を管轄の裁判所に提出し、破産の申し立てを行います。
弁護士に委任した場合は弁護士が行いますので、代表者が裁判所に行く必要はありません。
Step
3
破産開始決定

破産の申し立てをすると、裁判所から破産管財人候補者が選任されます。
そして、静岡地方裁判所の場合、破産手続開始決定前に行う会社代表者の審尋はほとんどなく、東京地方裁判所で行われているような、破産管財人候補者との面談はありません。

破産の要件を満たしている場合は、「破産開始決定」が裁判所から出されます。
破産開始決定後は、破産会社の財産管理処分権は、管財人に移行します。


Step
4
会社財産の換価・調査

管財人が選任されると、管財人は会社の資産や負債の状況、代表者に不正がないかなどを調べます。
会社の代表者は申立代理人弁護士と共に会社の資産や負債状況について、管財人に説明する義務を負います。
管財人は会社の財産や債権の調査を行い、会社の財産を債権者に配当するため、金銭に変えていきます。

Step
5
債権者集会

破産開始決定後、裁判所において、債権者集会が開催されます。
債権者集会は、破産会社の債権者と裁判所に対して、破産に至った事情や会社の資産状況などを説明する場です。

個人の債権者などがいる場合には、債権者集会が紛糾する可能性もありますが、金融機関が債権者の場合、出席者がいない場合なども多くあります。
債権者集会は多くの場合は1回で終わりますが、債権者に配当する財産があるような場合などは、2回以上開催されることもあります。


Step
6
債権者への配当

配当とは、債権者と債権額を特定し、破産管財人が会社の財産をすべて換価した後に、債権者に対して会社の財産を配当する手続きです。
破産債権者には種類があり、優先的に配当を受けられる債権者と一般の債権者、劣後する債権者があります。

Step
7
廃止・終結

配当が終わると破産手続きは終了します。
配当をする財産がないときは「異時廃止」の手続きにより破産手続きが終了します。

破産手続きが終了すると会社は消滅します。
そして、裁判所書記官の職権によって破産手続き廃止や終了の登記が行われ、会社の登記も閉鎖されます。

Step
2
破産の申立
破産申立書を管轄の裁判所に提出し、破産の申し立てを行います。
弁護士に委任した場合は弁護士が行いますので、代表者が裁判所に行く必要はありません。

法人破産にかかる費用

会社破産に必要となる費用には、「申立人代理人弁護士に支払う費用(弁護士費用)」と「裁判所に支払う費用(予納金・実費)」があります。

弁護士に支払う費用

法人破産を弁護士に依頼した場合に費用は会社の規模によりますが、50万円~100万円程度が一般的です。

債権者数や債権額によって金額が変わってきます。債権者数が多い場合には弁護士の業務量が増えるからです。

次に代表者個人が同時に破産する場合は、上記の金額に、30万円ないし40万円が加算されることになります。

静岡地方裁判所に支払う費用

会社の破産手続を行う場合、静岡地方裁判所に支払う予納金は、ほとんど破産管財人の報酬になりますが、破産手続を円滑に進めるためには、50万円から100万円が必要となります。

破産管財人による管財業務がほとんどない場合、静岡地方裁判所に納付する予納金は、法人20万円程度、代表者10万円程度になります。

 

法人破産を検討するなら
弁護士へ早めにご相談を

当事務所は、借金問題で悩んでいる皆様の味方です。
法人破産するときには、破産の専門家である弁護士に相談して精神的に楽になり、手続き的にもスムーズに破産しましょう。

また、是非とも早目にご相談ください。何とか破産を避けようとするあまり、手続きをとるのが遅れ、財産が何も残らなくなるまで頑張ってしまうと破産手続きもできなくなってしまいます。

速めにご相談いただくことにより、適正な手続きを選択することができます。一人で悩まずにぜひ早めにご相談ください。

当事務所について

代表弁護士 大橋 昭夫

私どもの法律事務所は、中小企業法務を重視し、今まで中小企業経営者の皆様方から多くのご相談をいただいています。

私どもの法律事務所は、「中小企業こそ社会発展の原動力」であるとの理念を高く掲げ、今まで活動してきました。昨今の新型コロナウィルスの感染拡大により、静岡県内の多くの中小企業の売上げが減少し、苦境に陥っています。

私どもの法律事務所は、この苦境を打開するために、ホームページ上で多くの提言をしています。
この苦境を乗り切るために、当事務所はいくつかの法的メニューを用意しています。

まず、無利息、無担保の融資を受けての企業の延命が第一ですが、満足な融資を受けることができず、資金繰りに窮する場合には、静岡地方裁判所への民事再生手続開始の申立てを勧めています。

自己破産は最後の手段です。最後の最後まで企業の延命を考え、それでも先行きの見通しがない場合には、自己破産の申立ても決して負の選択ではありません。

私どもの法律事務所の長い経験からしますと、自己破産は、真面目に経営し、社会の発展に貢献してこられた中小企業経営者の皆様方の人生の再出発になっています。

もし、自己破産の申立てを考えている場合、私どもの法律事務所にご相談いただければ、皆様のお気持ちも、いくらか楽になるものと思われます。

新型コロナウィルスにより、多大な影響を被っている中小企業経営者の皆様方に、心より連帯の挨拶を送ります。

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