現場監督になるには信頼できる人間性も大切
現場監督になるには、建築施工管理技士や建築士などの資格も必要です。しかし、さまざまな職種の作業員が働く現場をまとめ、スムーズに工事を進めていくには、現場監督として信頼されることが大切です。そのためにはどういったスキルや心構えが必要なのか、紹介します。
現場監督に欠かせない統率力
現場には、大工や鳶職、重機オペレーター、左官工、内装工事の職人など、さまざまな職人が集まってそれぞれの仕事をしています。それらの作業員をまとめ、工事をスムーズに進めていくためには、統率力が欠かせません。工事をする材料や環境など、作業員が仕事に支障のないよう整備をしたり、調整をしたりするのが現場監督の役割です。それができなければ、作業員たちは現場監督を信頼できなくなります。
また、工事を進めていく中で、トラブルなども生じるでしょう。その際の的確な判断力も必要です。作業員から信頼される現場監督になるためにも、作業員の仕事を理解するとともに、信頼される言動と行動力が大切です。状況を適確に判断し、作業員が迷いなく仕事ができる決断力も現場監督には求められます。
作業員を統率していくには、時には指導をすることも必要です。作業員の方が経験年数は多くても、現場監督として誤った判断をするわけにはいきません。そのためにも、知識をつけるとともに、作業員を指導していくことが必要です。
統率力のある現場監督になるには、自信を持つことも大事です。頼りないと、信頼を得ることもできません。自分の判断に自信を持つためにも、現場のことや工事のこと、建築のことなどに関する情報や勉強をしっかりするようにしましょう。
現場監督の重要な仕事の一つに工程管理があります。工程スケジュールをしっかり組むことも大切ですが、天候やさまざまな理由でスケジュールが遅れることは多いものです。必要な材料の発注や人員配置なども、現場監督の仕事であり、これらはうまくいっていないと、スケジュールに支障が出ることになります。
職人が現場に来ても、必要な材料が届いていない、間違った材料が届いている、などといったミスはスケジュールの遅れだけでなく、作業員の仕事にも支障が出ることになるので、注意しなければなりません。
また、業員の作業内容や困っていることなどを問いかけたり、相談したりするのは現場監督であり、それらの内容に一つひとつ、しっかりとした対応をしていかなければなりません。そのためにも、工程に関することや作業に関することは、しっかりと頭に入れておき、的確な対応をしていくことが重要です。
現場監督といっても、作業員に命令をしたり、態度が大きかったりしていいというわけではありません。自分よりも年齢の上の作業員も多いでしょう。経験も自分より多いことも少なくありません。そういった作業員をまとめ、スムーズな作業をするために必要なのがコミュニケーションスキルです。
経験の浅い現場監督は信用されるまで時間がかかることもあるでしょう。しかし、ていねいなコミュニケーションを取っていくことで、信頼を築いていくことが必要です。作業に関する説明に不足がないようにする、分かりやすい指示を出すなどといったことも重要です。それぞれの仕事をする作業員が、スムーズに、快適に仕事ができる環境や状態を作ることが、信頼される現場監督になるには大切なことです。作業員のモチベーションを維持し、質の高い仕事をしてもらうことが、現場監督の役割でもあるのです。
作業内容に関する指示を出すだけが、仕事ではありません。指示を出した後、その仕事が指示通りにできているかを確認することも大事です。説明不足だったり、誤解をしたたまで作業を進めたりすると、トラブルが生じたり、仕事のやり直しなどにつながったりして、スケジュールの遅れにつながります。指示した作業はしっかりと確認をすることも必要です。
作業現場で働く作業員は、それぞれがプロであり信頼できる仕事をしてくれるはずです。だからといって、まかせっきりにするのは違います。最後まで責任を持つことが現場監督の役割です。また、トラブルを未然に防ぐためにも、あらかじめトラブルが起こりそうなことは想定しておき起きたときの対処を考えておくことも大事です。
社会人としても基本的なことですが、現場監督は時間厳守で動くことが重要です。仕事に関する判断は現場監督がしなければならないこともあります。時間に遅刻したりすれば、その分作業が進まなくなることもあるでしょう。時間にルーズな監督は信頼も得られないので注意しましょう。