体操サプリメント

YouTubeでいつでもどこでも体操補給!

『体操サプリメント』のページへようこそ!
ここでは、広島県呉市で開催している小さな体操教室の様子をご紹介します(映像No.1~7)
『体操サプリメント』という名称は、少し疲れたとき、筋力が低下したとき、薬のサプリメントのかわりに体操のサプリメントで補強するという考え方で名づけました。

映像は7分割されていますが、本来は通しで約60分間。すべて立ち姿勢での運動プログラムで内容は毎回即興的に構成し、各プログラムに合わせた音楽を使います。ただし音楽に“合わせて”体操するのではなく、音楽に乗せられ自然に体操を続けてしまうように作られています。

映像に映っている参加者のお1人は撮影時92歳。20年間この教室に通い続けた結果、驚くほどの身体機能を維持されています。
人生100年時代、この動画をみながら体操することで一人でも多くの方が長く健康に暮らせるように願っています。

体操指導・解説

伊藤 アサ子

1941年 朝鮮からの引き揚げ船内で生まれる。東京教育大学(現 筑波大学)体育学部卒業。女子体操部に所属、1964年東京オリンピック強化選手。高校の体育教諭を経て健康を維持するための体操を研究、50年以上にわたり指導している。
1998年からはフランス発祥の球技「ペタンク」に取り組み、2003年 日本ペタンク選手権大会ダブルス優勝。現在、広島県ペタンク連盟理事長。

体操サプリメント

はじめの体操

運動体系
1ーa はじめの体操
1-b 膝など下半身を強くする運動
1-c 腰痛予防のための体操
1-d 背中が丸くなるのを予防する体操

No.1 YouTube

お腹を締める体操

運動体系
2ーa お腹を締める体操
2ーb ギックリ腰予防の体操(二人組)

No.2 YouTube

背筋と腹筋をゆるめる体操

運動体系
3 背筋と腹筋をゆるめる体操
  ~股関節を支える体操

No.3 YouTube

中国式体操

運動体系
4ーa 中国式体操
4-b ひざを締める運動
4-c 尻しめ運動
4-d 脇腹を締める体操
4-e 弾みの体操

No.4 YouTube

姿勢づくり体操

運動体系
5 姿勢づくり体操

No.5 YouTube

ゆらゆら体操

運動体系
6 ゆらゆら体操

No.6 YouTube

タオル体操

運動体系
7 タオル体操
  ~最後の深呼吸

No.7 YouTube

転ばないように筋力・集中力を高めよう!
『体操サプリメント』  
解説:伊藤アサ子

○自己紹介

私は昭和39年に東京教育大学(現 筑波大学)体育学部卒業後、高校の体育教師として3年間勤務し、結婚退職後は教師の道をあきらめていました。

専業主婦だった当時、子どもが外遊びできるようになりボール遊びの相手をしていると、その遊び方があまりにも面白かったのか沢山の子どもたちがボールを持って自分も遊んでもらおうと順番を待っている様子にびっくり。それを機に皆様から頼まれて子どもの体操指導をするようになりました。そのうちその子どもの上の子、下の子の面倒をみるようになり、さらに子どもを連れてこられたお母さん達の体操指導にまで拡がっていったのです。

私の体操の内容は今から40年も前、そんな中から生まれたものです。当時、家事や育児で忙しく運動不足気味な主婦を対象とした「婦人体操」という言葉はあまり聞きませんでした。

主人は転勤の多い仕事だったのでそのたびに違う土地でまた指導を依頼され、これが体操指導者としての活動の始まりでした。

そして今は自分が後期高齢者になり、年をとっても元気なお年寄りのために体操指導したいと思うようになりました。

 

○体操サプリメントとは

私の娘が中学生の頃、その中学校の体操部の指導中にアキレス腱を切ってしまうというハプニングがありました。そこで、アキレス腱の手術後でもゆっくりリハビリしながら回復できる太極拳を勉強することにしました。

太極拳は10年間習って沢山のエキスをいただき、それが私の体操に大いに役に立っています。

 

「体操サプリメント」という名称には、

★飲むサプリメントと同じくらい効果がありそうな、痛みを取ったり血液の流れをよくしたりする運動

★筋力、集中力を育てる助けとなる運動

という意味を込めました。

 

体操サプリメントは7つの運動体系に分けていますが、その動きにあわせて流す曲を変えています。自然に動ける乗りのいいリズムは何年もかかって探したものです。

60分間なるべく立ち姿勢での運動プログラムで、内容は毎回即興的に構成し、各プログラムに合わせた音楽を使います。ただし音楽に“合わせて”体操するのではなく、音楽に乗せられ自然に体操を続けてしまうように作られています。

今日1日のうちにとれる時間、たとえ3分でも体操ができるように、7種類の運動の中の1種類だけをやってもいいです。


運動体系1ーa はじめの体操

呼吸を意識して呼吸を整えながらゆっくり動き始めます。

生活する中で縮んでしまった筋肉、自分の好きな動きでクセがついてしまった筋肉は、急いで伸ばしてはいけません。

手のひらは返すようにして片手ずつ真っすぐ頭の上の方に引っ張り上げます。息はなるべく長く吐き続け、吸う時は自然に。器具で引っ張るのと違い、自分の意志で天井の方に、足は床の方にと命令します。

体全体の右側(右手・右腰・右脚)と左側(左手・左腰・左脚)のずれを直すつもりで片側ずつ伸ばします。1mmでも上にという気持ちです。

筋肉が縮んだまま左右に腰を曲げると腰を痛めるだけだと思います。

 

次に両手で両膝を押さえます。膝をしっかり伸ばして膝裏から尻の裏側の方向へ、かかとから尻に向かって神経や血管がつながっているイメージを意識して膝をしっかり押します。

リンパ液は体の表面近くを流れているといわれます。「さする」「軽く叩く」動作はとても有効です。

 

運動時にこんな意識で動いてもらいたいというポイントが3つあります。

①膝の関節を伸ばす時や手首から肩の方向に向かって腕を伸ばす時、普通に伸ばすだけでなく「もっと思い切りピンと伸ばして!」と心の中で唱え、関節をしっかり伸ばしながら行います。柔軟性は問いません。

②手のひらと指を伸ばす時、“グー、パー”ではなく“パー、グー”の順序で10回くらい繰り返します。“パー”が先だと指の先までしっかり開く気がします。(※入浴時に湯船の中で足の指をパーグーとやると足がつるのを予防する良い運動になります)

③頭を曲げて首筋・肩関節を伸ばす時、首の骨のまわりの筋肉が縮んでいることがあるので、一度、頭を1mmでも上に持ち上げるようにしてから首を曲げ、倒し、まわします。

 

運動体系1-b 膝など下半身を強くする運動

下半身を強くするにはスキージャンプの高梨沙羅選手のポーズがとても有効です。彼女が飛び立つ準備の時の格好は、膝、もも、足首にしっかり力を入れています。この動作はそれほど痛みを伴わず、その人の力に応じて膝を鍛えるよいポーズです。大腿筋を鍛えるために何回も繰り返し行う運動より効果があります。

そのやり方は、だんだんと回数を増やすのではなく逆に減らしていきます。ポーズを決めたらそこで静止、心の中で少し早口で1~30まで数を数える。そして膝をピンと伸ばして!休む。

次にまた早口で1~20まで数えて、また膝をピン!と伸ばす。

最後に早口で1~10まで数えて、合計でおよそ20秒は静止していることになると思います。なぜ早口で数えるかというと、ゆっくり数えると途中で「疲れた」という感覚が生まれ、途中でやめたくなることがあるからです。

この運動で膝の痛みは緩和され、大腿筋も強くなります。

 

ここまで準備できたら、あとは中等度の動きを開始しても大丈夫です。

【参考】美しい歩き方のために

若い時はきれいに脚を振り、かかと着地で歩いていたのに、高齢になるにつれ脚を振る運動が上下運動に変わってしまった人をよく見かけます。

それは転ばないように、つまづかないようにという気持ちが用心深い歩き方に変わるからでしょう。

脚はO脚になり両膝がだんだん離れていきます。その予防のためにも、両脚のかかとをそろえて立ち、そこから両膝を曲げてゆっくり座り、膝が離れないように立ち上がるという運動を繰り返して行います。すでにO脚になった人でも、中心に向かって膝をなるべくくっつけるようにします。

しゃがんだり立ち上がったりしながら膝を曲げて伸ばす運動を8回くらい続けると、膝を痛めることなくだんだんO脚が直り、真っすぐな脚に近づいてきます。


運動体系1-c 腰痛予防のための体操

日常生活ではかがんだり前屈したりする動きが多いので、少しずつ体を後ろに反らして、普段とは反対の動きをします。

息をゆっくり吐きながら両手で腰を押して2秒止まる。次にゆるめてもどす。段々と弓のようなカーブが深くなるように10回くらいは繰り返した方が良いようです。最初の3、4回はあごを引いて後ろに倒す。その後は頭をだんだんと上げて天井を見るようにします。

下にかがんだ姿勢での草取り、掃除、作業の後にこの運動を思い出してすると、次の日の腰痛を防ぐことができます。

 

運動体系1-d 背中が丸くなるのを予防する体操

両肘を体の後ろへ引くような動作を、背中の上・中・下の三つの部分に分けて意識しながら行います。

①首のすぐ下の肩甲骨まわりの筋肉を中心に寄せて、背中の真ん中にしわを作ります。両腕にだんだんと力を入れながら後ろ方向へ。呼吸は息を少し吸ってからゆっくり吐き、5秒かけて後ろへ引きます。そしてその動作をゆるめます。

②次に肘の位置を少し下げて両脇を締めるような動作から、少しだけ息を吸って両腕を真横からだんだんと後ろに引くようにゆっくり息を吐きます。5秒かけて後ろに引いたらまたゆるめます。

③先ほどの②の位置より手を下げ、両手を逆V字になるようにします。腰骨辺りに意識を集中し、少し息を吸った後、5秒かけて両手を後ろ方向にゆっくり引き、またゆるめます。

 

この3種類の動きで背中側の首から腰までの筋肉に力を加え、ゆるめることにより背筋がピンと伸びたよい姿勢を保つことができるようになります。


運動体系2ーa お腹を締める体操~ギックリ腰予防の体操

通常の「仰向けに寝た状態」で行う腹筋運動は首が痛くなったり、腰が痛くなったりします。これを立ち姿勢(内臓が下にさがっている状態)で息を吐きながら行うことで、余計な筋肉はあまり使わないでピンポイントに腹筋と背筋に力を入れることができます。 腹の中心をまず自分の意思で引っ込め、息を吐きながら両手で腹がぺったんこになるよう押さえ込みます。これを10回くらい繰り返すと、仰向けに寝て行う腹筋運動に近い効果が感じられます。

 

運動体系2-b ギックリ腰予防の体操(二人組)

骨盤をねじって背骨のまわりの筋肉をほぐします。

この運動はギックリ腰の予防にとてもよい体操です。どこかに交点がないとねじれないため、少し膝をゆるめ、お互いの肘(ひじ)のあたりを握るように立ちます。

※両手のひらを握ると、相手に強くに握られて嫌な人もあり、自分の体に目がいかなくなるので肘のあたりを軽く握るほうがいいと思います。

 

膝をゆるめた状態で骨盤を水平にひねり、ひねる方向と反対の足の大腿筋(ももの筋肉)に3秒くらい力を入れます。このとき膝が内側に倒れこまないよう気をつけます。腰痛のある人でも左右2回ずつ、腰痛がなければ左右20回ずつ行います。このとき頭の高さを変えないように気をつけます。最初はゆっくり、だんだんと早くしても構いません。

1人の場合は軽く壁などに手をそえて行います。


運動体系3 背筋と腹筋をゆるめる体操~股関節のまわりの筋肉を鍛える体操

「運動体系2 お腹を締める体操」のあとは、背骨を中心軸として体を回転させ、両手を背中の方にゆっくり振り回します。この体操は40回をめやすに繰り返し、緊張している背筋と腹筋を緩めます。これも息を吐きながらすると、腰のまわりの筋肉がゆるみます。

次に、股関節を大きく開いて沈むスクワット姿勢をとります。少しきついですが、立ち上がってはまた沈む体操を合わせて8~10回くらい続けて、最後は少し長くこの姿勢をキープします。これで合計1分間くらい続けたことになり、筋肉に力をつけます。このときお尻を膝の位置まで下げると、股関節まわりを支える筋肉を育てる効果があります。

 

運動体系4ーa 中国式体操~脇腹を締める体操

中国式体操というのは太極拳の準備体操を取り入れた体操です。この体操に似合っている曲をみつけたので、曲に合わせて息を吐くことを意識して動きます。

肩のまわりの筋肉を呼吸に合わせてほぐす体操と、「まっすぐ立つ」ために大切な背筋・腹筋・脇腹の運動を繰り返します。

中国の体操は基本的に足をゆったり肩幅に開いた姿勢で行います。

 

運動体系4-b ひざを締める運動

続きの曲で両足をそろえた状態で立ち、ゆるんで開いてしまいがちな左右の膝が着くように、最初に少し膝をゆるめて次に上に伸びながらしっかり膝を締める運動を8回くらい繰り返します。ひざ痛予防にもなり、また最後のスクワットの準備体操でもあります。

 

運動体系4-c 尻しめ運動

年をとって筋肉も弱ってくるので失禁(尿漏れ)予防のため、足を肩幅に開いた姿勢のまま「お尻の穴」を意識して、尻のまわりから骨盤底筋を10回くらいギュッと締めます。

 

運動体系4-d 脇腹を締める体操

脇腹まわりの筋肉をゆっくり、なるべく回数を多く、右や左に曲げたり起こしたりします。ゆっくり過ぎず、早すぎず、曲に合わせます。全て8回です。脇腹を意識するということは自然に腹筋や背筋まわりも動き、腹筋や背筋まわりが動けば体がシャンとします。

 

運動体系4-e 弾みの体操

できるだけ回数多く脇腹の筋肉を締めた後は、体全体の弾みの体操です。同じように見えますが「下に向かって弾む」「上に向かって弾む」の違いを意識するのがポイントです。年をとるとこの弾みがだんだん弱くなっていきます。

次に両腕を前後に3回スイングしながら膝を軽く弾ませ、4回目に深く沈むという簡単なスクワット運動を8回行います。

膝を何度も軽くはずませ、曲げたり伸ばしたり気がつかない内に回数が多くなっていればいいなと思います。


運動体系5 姿勢づくり体操

この体操は人間の体を正面(前)側と背面(後ろ)側に分けたうち、背面側の一連の筋肉(後頭部~かかと)を伸ばしたり、後ろにキックして少し力を加えたりします。「ふらつき」を予防するために重要な背筋を鍛える体操を中心に取り入れています。腹筋も大事ですが背筋に力を入れて脚を後ろにあげると、背中が曲がったり立ち姿が悪くなるのを予防します。

体の後ろ方向にゆっくり挙げる、早く挙げる、止めて静止する、とあらゆる角度から背筋を鍛えます。


運動体系6 ゆらゆら体操

急に立ち上がる・人とぶつかる・電車の揺れなどでふらついた際、とっさに対応する「足の動き」、つまり「すぐに重心を修正する能力」がないと転んでしまいます。転倒→骨折という危険を防ぐために、ふくらはぎと足の裏を意識する体操です。

足の裏の「つま先・小指側・親指側・かかと」の4つの点を意識して、ゆっくり~速く体重移動します。片足立ちは、まず両足のかかとを少し上げてふらつかないよう集中し、かかとを上げたまま体重を片足に移して、それから片足を上げたまま2秒止め、できたら4秒止められるようにします。

高齢者になるとこの「ゆらゆら体操」の運動(素早く体幹を片足立ちの方へ移動させる運動)が一番大事です。

 

「かかとをあげる」運動では、両足を肩幅に開いて両脚着地のままかかとを上げます。何かにつかまってやると簡単ですが、脳にしっかり覚えさせるためには補助なしで集中してふらつかない様に注意します。1回でもいいからかかとをあげて、片足になるともっと集中が必要です。

次に足の裏の前側、かかと側、親指側、小指側に重心を移して、斜めになった状態で倒れないように2秒くらい止めます。ふらつかなくなったら5秒止めます。


運動体系7 タオル体操~最後の深呼吸

体の後ろ側で両手でタオルを持ちます。長めのタオルを使って、体の裏側(背面)の肩・背中を中心に、力を入れる位置を少しずつ上から下、下から上へゆっくり移動させていきます。 体の前方に向かって手を伸ばすことはあっても、背中側に向かって手を伸ばすことはなかなかないので、あえてその動きを取り入れます。手に持ったタオルを頭から少し後ろ方向に離して、それを限りなく遠く、1ミリでも遠く、ゆっくり上に伸ばすように意識します。

頭を前後左右にゆっくり倒す体操は、耳の中の「耳石」を動かすことでめまいを予防する良い運動です。

最後は運動した後の筋肉疲労を回復させるような血液の流れをイメージして、自然に呼吸して締めくくります。

 

おわりに

「体操サプリメント」ではそれぞれの体操に合う音楽を使います。

最初は4拍子のリズムに合わせて4回繰り返したり、できるようになると8回、右側、左側と繰り返すと曲に合うようになります。

それができるようになると、音楽はBGMとしてとらえ10回繰り返してみます。音楽に合わなくても構いません。筋肉も段々と鍛えられるようになります。

 

私の体操は基本的に一人で立ち姿勢で行います。二人組で行うもの、笑って楽しめるゲーム性のあるもの、床に座ったり寝たりする体操はありません。

人間は立って動くのが普通なので、その姿勢を保つ運動を優先しました。

体操をする合計時間は45~60分、これがほどよい疲れの限界だと思います。

終わった後、体のすみずみまでスッキリ!

あー気持ちよかった、身体が伸びたー、といわれるのが一番うれしいです。

 

以上、「体操サプリメント」に少しずつ取り組んで下されば幸いです。


平成30年12月