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社会における共創や協働を育む「広義のファシリテーション」初の実践的手引き
徳田太郎・鈴木まり子(著)
『ソーシャル・ファシリテーション:「ともに社会をつくる関係」を育む技法』
『ソーシャル・ファシリテーション』の出版を記念して、著者・事例提供者を交えての参加型イベントを開催します。ぜひ、ふるってご参加ください。
・日時:2021年2月6日(土)13:30~16:30(3h)
・場所:オンライン(zoom:お申込みいただいた方にURLをお送りします)
・参加:無料
・定員:80名(1人1デバイスのみ)
2月1日追記:お申し込み多数のため、定員を120名に増やしました!
2月4日追記:お申し込み多数のため、定員を160名に増やしました!
・プログラム:
- 著者(鈴木・徳田)の対談「『ソーシャル・ファシリテーション』誕生秘話」
- 事例提供者(山口覚さん・遠藤智栄さん)が語る「ソーシャル・ファシリテーションの現場から」
- 参加者同士の対話「私のソーシャル・ファシリテーション」など
※17:00~18:00にミニ・パーティーを予定。詳細はお申込みの方にご案内します。
・主催:『ソーシャル・ファシリテーション』出版記念イベント実行委員会
(Be-Nature School、北樹出版、VOICE and VOTE、その他有志)
おかげさまで、無事に終了いたしました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
ソーシャル・ファシリテーションとは、〈社会的課題に取り組む〉あるいは〈支えあいの関係を育む〉ような場において、〈人々の関係や共同行為を支援・促進する〉働きです。
ソーシャルも、ファシリテーションも、多義的な概念ですが、本書ではそれぞれに2つの側面があると考え、図のように4つの「ソーシャル・ファシリテーション」を想定しています。
そして本書では、左下の(小文字の)social facilitation、つまり職場や地域、学校での日常的な話しあいの支援・促進からスタートしつつ、右上の(大文字の)SOCIAL FACILITATION、つまり社会的課題の解決に向けた事業や組織の支援・促進において、どのような知恵と技術が必要となるのか、具体例を織り交ぜながら、段階を追って考えていきます。
それは、課題を発見し、解決する「市民社会」の力が、これまで以上に重要なものとなっているからです。
福祉や教育など公共サービスをめぐる課題、労働の不安定化や経済格差の拡大から生じる課題、家庭で担いきれないケアをめぐる課題……。
このような社会課題を、ともに解決していくにあたっては、
・人々が集いあい、聴きあい、学びあう場をつくることで、新たな〈つながり〉や〈かかわり〉を紡ぐ働き(social facilitation)
・そのような関係性をベースに、互いに認めあい、分かちあい、支えあう社会への変化を醸し出す働き(SOCIAL FACILITATION)
をベースに、「市民社会」の力を育んでいくことが、強く求められているのです。
課題解決や未来創造といった営みは、一人ではできないもの。思いが重なりあう仲間が必要です。仲間が増えれば、そこでは話しあいが必要となります。何をするか、どうやってやるか。決まったことを実行する過程では、新たな悩みも出てくるでしょう。それを乗り越えていく中で、きっと、さらに仲間が増えていく。一つひとつは小さな取り組みであっても、それらが積み重なることで、私たち一人ひとりは、お互いに認めあい、分かちあい、支えあう「社会の担い手」として成長していくのでしょう。そのような一連のプロセスに寄り添い、後押しする「ソーシャル・ファシリテーション」の技法を、ともに探究していきましょう。
1972年、茨城県生まれ。法政大学大学院政治学研究科博士後期課程単位取得退学、修士(公共政策学)。2003年にファシリテーターとして独立、参加と熟議をテーマに活動を続ける。NPO法人日本ファシリテーション協会では事務局長、会長、災害復興支援室長を経て現在フェロー。その他、Be-Nature Schoolファシリテーション講座講師、法政大学大学院・法政大学兼任講師、東邦大学・文京学院大学非常勤講師。主な著書に「対話と熟議を育む」(石井大一朗・霜浦森平編著『はじめての地域づくり実践講座』北樹出版、2018年)。古書店の前を素通りできない性格。
全国各地には、地域や色々な分野で「多様な困りごと」を何とかしようと頑張っている仲間たちが沢山います。また、ファシリテーターとして、試行錯誤しながら場をつくっている仲間もいます。私もその中の一人として日々悩みながら活動を続けています。本書が、そんなみなさんの活動をきっと力強く後押ししてくれると信じています。実際にソーシャル・ファシリテーションを活動に活かしている事例もご紹介しています。本書を活動の仲間のひとりに加えていただき、折に触れて必要な頁を開いて、仲間と共に対話をしていただけると嬉しいです。
法政大学キャリアデザイン学部卒業。鈴木まり子ファシリテーター事務所代表。NPO法人日本ファシリテーション協会では副会長を経て現在フェロー、災害復興委員。その他、Be-Nature Schoolファシリテーション講座講師、法政大学非常勤講師、浜松の企業が手をつなぐ災害支援ネットワーク代表世話人・事務局長、しずおか茶の国会議メンバー、経団連事業サービスキャリア開発センター認定キャリア・アドバイザー。主な著書に『ファシリテーション:実践から学ぶスキルとこころ』(中野民夫ほか著、岩波書店、2009年)。浜松市在住。趣味は家族や仲間とのキャンプと温泉。
ファシリテーションと話しあい
1.あらためて、ファシリテーションとは何か?
(1) 語源は「容易にする」こと
(2) 「会議術」とは限らない
(3) 「後押し」というイメージ
(4) 「プロセス」に焦点を当てる
2.そもそも、話しあいとは何か?
(1) 話しあいを分類する2つの切り口
(2) 話しあいの4つのモード
(3) 焦点を当てるのは「対話」と「討議」
(4) 「立場の可変性」を重視する
話しあいをファシリテーションする
1.話しあいの場をつくる
(1) 空間のデザイン:「しつらえ」を意識し、工夫する
(2) オリエンテーション:話しあいを方向づける
(3) チェックイン:最初に「一人一言」の時間をとる
2.話しあいの場をホールドする
(1) 発問:「答え」ではなく「問い」を考える
(2) 可視化:書きながら、見ながら話しあう
(3) 「意見の吟味」を促す
コラム:オンラインでのファシリテーション
話しあいをファシリテーションする
1.話しあいの場をつくる
(1) 空間のデザイン:「しつらえ」を意識し、工夫する
(2) オリエンテーション:話しあいを方向づける
(3) チェックイン:最初に「一人一言」の時間をとる
2.話しあいの場をホールドする
(1) 発問:「答え」ではなく「問い」を考える
(2) 可視化:書きながら、見ながら話しあう
(3) 「意見の吟味」を促す
コラム:オンラインでのファシリテーション
ソーシャルなファシリテーションへ
1.ソーシャル・ファシリテーションへの挑戦
(1) 事例の概要
(2) まずは「話しあいのファシリテーション」から
(3) 「共同行為のファシリテーション」へ
2.ソーシャル・ファシリテーションに必要な働きかけ
(1) ネゴシエーション:最善の解決策を粘り強く考える
(2) コーディネーション:対等につなぎ、調和を生み出す
(3) コーチングとメンタリング:一人ひとりの力を引き出す
(4) プロデュース:コンセプトを明確にし、プログラムを組み立てる
(5) リーダーシップとマネジメント:基盤としての働きかけ
ソーシャル・ファシリテーションの現場
1.地域づくり分野におけるファシリテーション
2.災害復興、防災・減災分野におけるファシリテーション
3.医療・福祉分野におけるファシリテーション
4.社会教育分野におけるファシリテーション
5.市民活動分野におけるファシリテーション
「落とし穴」とその対策にふれる
1.ファシリテーションの「落とし穴」
(1) 主体性を削いでしまう
(2) 混沌から逃げてしまう
(3) 策に溺れてしまう
2.「落とし穴」の回避策
(1) 参加者を信じる
(2) 居心地の悪い場に居続ける
(3) 引き算で考える
「次の一歩」のためのブックリスト
「落とし穴」とその対策にふれる
1.ファシリテーションの「落とし穴」
(1) 主体性を削いでしまう
(2) 混沌から逃げてしまう
(3) 策に溺れてしまう
2.「落とし穴」の回避策
(1) 参加者を信じる
(2) 居心地の悪い場に居続ける
(3) 引き算で考える
「次の一歩」のためのブックリスト
中野民夫(東京工業大学教授、ワークショップ企画プロデューサー)
本書は、「ファシリテーション」の幅と深さを大きく広げてくれる。斬新で鋭い概念的な整理と具体的に役立つ手法、そして実際の現場での事例が、実にバランス良く詰まっている。
人が集まる場や社会的な課題に対して、何とかしたいと思うことは多いものの、そう簡単に動き出せるわけではない。2011年3月、自律分散型の社会を目指すNPO法人日本ファシリテーション協会(FAJ)の当時の会長徳田太郎と副会長鈴木まり子は、東日本大震災直後の被災地に手探りでかかわり始めた。人と人の<かかわり>と<つながり>を丁寧に後押しすることで、次第に避難所自主運営や仮設住宅でのコミュニティづくり、さらには住民主体の復興計画の策定まで、多くの仲間を巻き込みながら幅広い災害復興支援に展開していった。
あれから10年、日本も世界も災害や課題は尽きない。簡単な正解がない時代に、少人数の話し合いから大きな社会課題への取り組みまで、共創や協働を育む広義のファシリテーションの実践的な手引きがここにある。
志村季世恵(バースセラピスト、一般社団法人ダイアローグ・ジャパンソサエティ代表理事)
世界50カ国で開催されている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というソーシャル・エンターテイメントをご存じでしょうか? 目的は人種・宗教・性別・障害・肩書などの違いをエンターテイメントを通し、参加者を対等な立場にし、対話をするというものです。私はこの活動を仲間と共に21年間続けてきましたが、継続に最も必要なものはスタッフ間の「ファシリテーション」なのです。
課題解決に向け熱い思いを持つ人が集まると、活動は一見充実するように思いますが、志だけではどうにもならないことが起きます。また社会活動は往々にして経済的には脆弱です。自身の活動も継続を断念せざるを得ないような、大きな荒波に飲み込まれたことが何度か起きています。そのような時に手本となる解決方法はほとんどありません。そこで、私たちは著者の一人である鈴木まり子さんの力をお借りしました。この時に分かったことは、解決となる羅針盤は自分たちの中にあるということ。スタッフと共にその答えを見つけるためには「ソーシャル・ファシリテーション」が必要でした。今回、本書を読みその時の風景が鮮明に思い出され、私にとっても大切な本となりました。理由は立ち返る場が見つかったからです。同時に二人の著者が切望している気持ちも伝わってきます。「ソーシャル・ファシリテーション」を多くの人に知ってもらい実践することが著者の社会課題解決の思いであり願いではないのか。社会を良くしたいという思いを持つ方が、本書をお読みになることで、その先を歩くことの助けになることを私も願ってやみません。
『ソーシャル・ファシリテーション』こんな人にオススメです!
青木将幸(青木将幸ファシリテーター事務所代表)
みなさん、こんにちは。淡路島在住のファシリテーター、青木マーキーです。このたび、僕がリスペクトするお二人が新著を出されるとのこと。おめでとうございます。原稿を拝見しました。ファシリテーションの定義を丁寧に書いています。それだけでも素晴らしい。かつ、ソーシャルな場面での実践例が豊富に載っています。東日本大震災や熊本での災害のあと、お二人がどのように現場に向き合ってきたかがにじみ出ています。これだけでも、良書だと思うのですが、とくに僕が一番面白いと思ったのは【ファシリテーションの「落とし穴」】のページです。「主体性を削いでしまう」「混沌から逃げてしまう」「策に溺れてしまう」という3つの視点は、どのファシリテーターにとっても大切なもの。ぜひみなさん、手にしていただきたいと思います。とくに「言葉を選ばずに言えば」からはじまる以下の一文に、僕は深く頷き、共感いたしました。
「言葉を選ばずにいえば、主役である参加者にとっては、ファシリテーターが想定した通りに進めることは『どうでもよい』ことである。」(p.139)
それでは、いったい何が大切なのか? については、ぜひこの1冊を手にとって、共に考えてみましょう。とくさん、ちびまり、素晴らしい本をありがとう。
当事者同士が話し合って決めて行動することには大きなエネルギーを要する。だから、誰かが決めたことに従うほうがスムーズである。しかし、現在の社会課題の中には、当事者と離れたところで意思決定が行われることで生じる機能不全が原因になっているものが多々あるのではないだろうか。当事者が話し合って決め、行動することを助けるソーシャル・ファシリテーションには、社会課題解決のパラダイムを転換する可能性がある。外野から応援するのではなく、当事者としてこの動きに参画していきたいと思う。
田原真人(デジタル・ファシリテーター)
学生の頃、某NGOでファシリテーターのいるワークショップに参加し、感動したのを覚えています。老いも若きも、男性も女性もみんなが言いたいことを言い、言い出せない人にも話す機会があり、そんなファシリテーターに私もなりたい!と就職活動せずに考えていたことがありました。
東日本大震災が起き、福島県のある場で出会ったのがソーシャルファシリテーターと呼べる人でした。安心して発言できること。その場にいる人同士の対話から自分の考えが変化する可能性があるかもしれないと前提して誰かの話を聞くこと。日本に必要な文化である、と思います。
「自分」が自分の暮らしをつくっている主人公であり、次世代に手渡していく責任があるということを、軽快にそして楽しく、大人も子どもも一緒に語り合える社会を創るのがソーシャルファシリテーションではないか、と妄想中。
ソーシャルファシリテーターだらけの世の中になったら、きっと日本は変わるはず。そうだ、変えていこう!
渡部友紀(福島県三春町在住 La Vida)
この本のクライマックスは、ソーシャル・ファシリテーションがどのように実際の現場で機能するのかが語られている「5つの事例」の部分。どんな働きかけが人や場に変容を起こし、次に繋がっていくのか。それまで淡々と語られてきたモノトーンの概念が、現場の情景の中でカラフルに動き出した、そんな感じでした。
この本に登場する、狭義のファシリテーター像には収まらない活動の、幅と深さ。「ソーシャル・ファシリテーション」という言葉が生まれる前から、それが必要とされる現場に直面して奮闘してきた人たちにとっては、自分が何をしようとしているのかを、この本が整理してくれるんじゃないかと思います。
また、「ソーシャル・ファシリテーション」の定義づけがなされたことで、この活動の認知はぐっと広がるでしょう。それによって、課題解決を誰か任せにするのではなく、どうにかしたいと自ら動き出す人も、また、そういう動きをサポートする人も増える気がします。社会はもっと暮らしやすくなるはず。私自身も自分がやってきたことを振り返り、背中を押してもらった気がしています。
平方亜弥子(アーティスト:ayako_HaLo)
徳田さんから送られてきた原稿に目を通して一番に思ったことは「そうか、私もソーシャル・ファシリテーターを目指そう」でした。
この本の中には、日本各地で地域づくり、災害支援、福祉分野など様々な場面で活躍するファシリテーターの実践例が出てきます。丁寧に話を聞き、多方面との調整役を担い、関係をつむぎ、場を設定する。時に悩み苦しむ人に寄り添い伴走する。かっこよくてまぶしいファシリテーターたちの姿が目に浮かびました。
話し合いの場に限定されない、もっと広い意味でファシリテーションが社会をよくする力になれるかもしれない。今、そんなワクワクを感じています。
20年くらい前ですが、会議ファシリテーションの力を借りて自分のいる組織の文化ががらっと変わった経験をしたとき、「会議が変われば社会は変わる」と思いました。
話し合いの場の促進に加えて、様々な活動を促進するお手伝いができる、そんなソーシャル・ファシリテーターが増えると、もっと社会はよくなる。そんな予感がしています。
姜咲知子(暮らしの実験室やさと農場運営)