2002年に起業して早16年。起業直後から「販売管理システム」の開発に取り組み、今も修行のように開発の日々。コツコツとよく続けてきたものだ。
最近は、農家向けの販売管理システムに力を入れている。
農家向けの開発のきっかけは、長野県にある「のらくら農場」さんとのご縁。代表である萩原さんの農業に取り組む姿勢に感銘を受けたことも大きい。
11年前の東京在住時代に「エコロジーショップ GAIA お茶の水店」のイベントに参加。数ある講演の中から、気になった萩原さんの講演を選んだ。
決して流暢ではないが、一言一言、気持ちを込めてしっかりとした話し方で、内容も相まって、すごく引き込まれた。
GAIAの社長と知り合いだったことから打ち上げの場に誘われたので夫婦揃って参加。嫁がよく飲んでよく喋るので、萩原さんの記憶にキョーレツに残ったらしい。その後何年も当時のことを言われた。
この年から4年続けて収穫祭に参加。萩原さんから栽培方法などの熱弁を聞いたり収穫体験をしたり。そして何よりも、毎回、夜遅くまで飲んでワイワイ喋って楽しい。
2回目に参加のとき「お仕事は何してるんですか?」と聞かれ、当時は「ASP」、今で言う「クラウドサービス」でも提供していたため、「こんな感じのシステムを作ってます」と見てもらったところ、興味を持ってもらえた。
その後、お試しでシステムを使ってもらうための取扱説明や事務処理の現状を把握するために訪問。
このとき、野菜セットの定期購入者の管理方法を聞いて驚愕!ノートに書いて管理されているんだけど、システムを作っている身からすると神業にしか見えない。
これでよく間違えることなく出荷できるなと感心しきり。しかも、嫌いな野菜はセットから抜いたり別の野菜に変更するなどの個別対応まで、このノートで管理しているものだからスゴイ!
ノートを付けている萩原さんの奥様本人は、これが当たり前になっていて「そうなの?」と平然とした反応。
このままでは、出荷数が増えてきたら限界がくるし、この管理をスタッフに渡すことも出来ないので、まずは、この定期購入者の管理を、どうシステム化するかに重点をおいた。
それと、実際の出荷作業現場を見させてもらい、出荷当日の業務の流れも把握できて、これをどうシステムに落とし込むかも課題となった。
2009年5月~正式にご利用を開始頂いて以降も、何回かご訪問してこんな感じのやりとりを繰り返し、そして、昨年遂に、農家向けのシステムは「農家プラン」としてフルバージョンアップ!
苦節?年で、本当に自信を持ってお勧めできるシステムになりました。
今では、知り合った頃からすると、スタッフの数が増えて結構な大所帯となり、がむしゃらに頑張ってる姿で皆を引っ張っていく様を見て、私は萩原さんと同い年ですが、萩原さんのことを、心底、尊敬しているし感謝している。私達の体の源となる食べ物を、食べる人の健康のことまで考えて栄養価が高く、そして美味しいものを提供してくれることは、本当に感謝しかありません。
私は私で、萩原さんのように頑張っている農家が少しでも多く生産に力を注ぐことができて、良質な農産物が少しでも多く世の中に出回るよう、事務が楽になるためのサポートを頑張っていこうと思う。
(写真は、2017年2月、のらくら農場さん訪問時のものです)
2018.10.20
シンプルワークス株式会社 代表 井上克利