獣医の職場は、たくさんあります。

動物病院だったり、公衆衛生や農水産の公務員だったり、企業だったり、学校だったり、いろいろ。


動物のために、というより、実のところ、獣医師は、人間のためにある職業です。


肉にするため、毎日、何百何千ものウシ、ブタ、トリたちの命を奪う。

保健所で、罪もないどうぶつたちを安楽死させる。

わたしは、獣医になってから十数年助けたいはずの動物を死なせるばかりでした。



『殺さなくてもいい仕事が、したい』 



動物病院につとめても、もちろん、すべてを助けることはできません。

情けなさ、無力感、飼い主さんを悲しませてしまった後悔…


嬉しいこと、幸せなことよりもその苦しさに潰れてしまいました。


仕事をするのに、感情が邪魔になっていきました。



だから、感情をおさえて、感じていないように思い込ませて、生きてきました。


私は自分で自分の感情を殺し、自分を傷めつけていたのです。

☆歌うようになってから☆



わたしは、気持ちを生き返らせたくて歌を歌い始めました。

押し殺してきた感情を、

歌に乗せて、素直に感じられるようになりたくて。



歌は、

喜びも、悲しみも、楽しさも、切なさも、強さも、弱さも、

表現するすべてが力を与えてくれました。



誰もが、自分の心を素直に感じられて、楽になるために

音楽は役に立つ。かならず。


ペットや、飼い主さんの心に寄り添って、癒せる音楽がきっとある。

獣医だったわたしだからやれる音楽がある。 



生きとし生けるすべての生命のために歌を捧げます。


楽になりたい、楽にしてあげたい、

元気になりたい、元気にしてあげたい、

そんな気持ちを受け止めます。