御先祖と心のふるさと 丹波篠山
禅 曹洞宗 願勝寺
合わす手に願いを叶え給う
御本尊 薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)
願勝寺の歴史
願勝寺は兵火と再興の繰り返しといっても過言ではなく当初は真言宗千眼寺の末寺として開創され、願王将軍(がんのうしょうぐん)地蔵菩薩を御本尊であることから、願勝寺との称号がついています。元暦元年(1184)、源平の戦に敗れ、一の谷に敗走する平家を追った源義経の軍勢が真南条街道を通過したおり、周囲の寺も 願勝寺も兵火にあって全焼してしまいました。焦土となった寺を、中世、丹波の守護職だった細川氏らが伽藍を再建、古先印元(こせんいんげん)大和尚を迎えて、宗派を真言宗から臨済宗に改め、寺の勢力を盛り返し、山陰十刹の一寺になりました。しかし天正7年(1579)、八上城を攻撃した明智光秀の兵火にあい、またも寺は全焼してしまったのです。その後 土地の豪族、酒井藤左衛門重好が田畑山林を寄進して寺を再建、洞光寺二十五世老山泰静(ろうざんたいじょう)大和尚を迎えて、宗派を曹洞宗に改宗して今に至っています。
檀家のご先祖さまのお勤めや法要や会合などの日常に加えて
願勝寺通信の発行をはじめ、研修会の開催や地元の親交を深める催し、
お寺と地域それに地元の活性化や企業・団体などの教育や修養の場としても
ご活用いただけるように、これまでご縁のなかった方々も広く迎え、
開かれたお寺を目指しています。
風情ある丹波篠山へお越しの折は是非 願勝寺へもお参りください。
第69号 令和6年 12月 発行
『修証義』について
曹洞宗には、宗門の教えを分かり易く、しかも、誰もが実践できるように説かれた『修証義』 があります。日本曹洞宗開袓で大本山永平寺を開かれた道元襌師の主著『正法眼藏』95卷の
中から適切な文言を選び、日常生活がそのまま禅の実践になる内容に編集されています。
お釈迦さまが定められた汉山の戒律の中から、三帰戒・三聚浄戒・十重禁戒の
「十六条 の仏戒」が『修証義』の教えの根幹です。
その内容は、深く仏法僧の三宝に帰依し(三帰戒)、悪をなさず善を行い慈悲の心で周りに尽 くし(三聚淨戒)、身と言葉と心で勤めるべき十種の仏戒(十重禁戒)が示されています。
誰でも戒を受けてそれを保てば、仏の位に仲間入りできるのです。
さらに日常の具体的な生き方として、慈悲心に根差した利他行(人のために尽くす行い)の 実践が強調されます。私たちには本來「ほとけの心」が具わっていますが、その心に目觉めた 生き方をするには「自未得度先度他」の心を起こすことです。つまり自分より先に人様を渡してあげる慈悲の行いです。
この利他行には4種の行いがあります。
① 布施(むさばることなく、へつらうことなく、言葉でも物でも心でも喜んで施す)
② 愛語(慈愛の心で温かく親切な言葉をかける)
③ 利行(誰にでも分け隔てなく平等に、他を利するように振る舞う)
④ 同事(自分を捨て、相手と同じ境遇・心になって、慈悲心を働かせる)
教えは実践するためにあります。
仏の教えを学ぶことで、自らの思い違いや思慮の貧しさに 気づき、仏の教え(仏教)を、仏としての生き方(仏道)に高めていくことが大切です。
每日お仏壇で、お釈迦様・道元禅師・瑩山襌師(このお三方を一仏両袓と申し上げます)や
ご先祖樣にお參りをする。お彼岸やお盆にはお墓參りをする。年回忌には追善供養の法要を營む。 或いは菩提寺で行われる一仏両袓の報恩法要、お正月やお盆の行事、大般若法要、お施餓鬼法要等への參列、梅花講への參加等、これらすべては時間に追われる忙しい生活の中では、つい見失いがちな命の尊さや無常の現実、仏さまやご先祖樣はじめ無数のご恩とご緣を頂いて 「今・ここ」に生かされている事実に心の目を向ける尊い時間です。
どうか積極的にお勤めください。
お釈迦樣・道元襌師.・瑩山禅師のみ教えを深く信じ、その教えに導かれ、「今・ここ」の一 つ一つの行動を大切に、丁寧に勤めるならば、それは坐禅を行じていることに通じます。身も 心も調い、大きな心の安心と共に心穩やかな時を過ごすことになるはずです。
お釈迦さま成道会
お釈迦様は紀元前589年(但し諸説あり)12月8日末明、一週間の坐禅の最中に西の夜空に輝く 明星(金星)をご覧になったその時、人生のすべての悩みを解決されお悟りを開かれ仏さまになられました。御年35歳の時です。
これ以後、ゴータマ・シッダルタ青年は仏陀・お釈迦様・釈尊・仏様と
尊称されるお方となられました。
この12月8日を成道会といい、私たち仏教徒は大いなるご恩に報いる報恩法要を勤修いたします。 当願勝寺では例年のように、梅花講員相集いお釈迦さまに報恩の誠を捧げました。
〇新年の鐘撞き〇
新年早々に旧年の煩悩を拔い清め、新年の新たな誓いをしていただくために「新年の鐘撞き」 を行じます。
尚、併せて古いお塔婆・御札・人形等のお焚き上げも例年通り
致します。
お墓に建ててある古くなったお塔婆や用の済んだお人形・古いお札などをお持ら下さい。
時 令和7年元旦 午前9時00分
所 願勝寺境内 到着後は必ず梵鐘を一撞きはしまし
ょう。
次第
午前8時45分 焚き火点火
午前9時00分 新年の鐘撞き始め
※住職・総代撞初 続いて檀信徒・參拝者
午前9時15分 お焚き上げ供養
午前9時50分頃 鐘撞き終了
※元朝祈祷※
時 令和7年元旦 午前10時00分
所 願勝寺本堂内
次第
総代長ご挨拶
新年元朝祈祷法会
住職・新年の挨拶と法話
※終了後新春茶話会をいたします。