また、なんでもいいので、パソコンに関する資格を取ってみるのもアピールするための方法です。プログラマーなどのIT技術者が持っているスタンダードな資格として「基本情報技術者試験」というのがあります。プログラミング未経験の人がこの試験に合格していると、とても熱意が感じられます。
ただ、この試験は少し難易度は上がります。そのため、少し難しいなと思うようであれば、ITパスポート試験などの比較的簡単な資格を取ってみるのも効果的です。
20代であれば、1つの企業に勤めた勤続年数は短くなります。特に第2新卒であれば、1年くらいで転職してしまう人もいるかもしれませんね。
採用する側として常に気になるのは、「この人はまたすぐに辞めてしまわないいだろうか?」ということです。せっかく時間とお金をかけて雇ったのに、すぐに辞められてしまってはとても困ります。そのために、どうしても聞かなければいけないのが退職理由なのです。
確実に聞かれるので、答えられるように準備しておきましょう。
第2新卒の人や入社して1、2年で転職する人にありがちな退職理由が、「入社してみて、イメージしていたのと違っていた」、「仕事がつまらなかった」というような理由です。このような単純な理由だと、「うちの会社でも同じように思われてしまうかもしれない」と受け取られてしまう可能性が高くなります。
そのようなときは、退職理由をもう少し具体的に詳しく伝えるといいです。
例として2つほどご紹介します。
これ以外にももちろんたくさんありますが、共通して言えるのは、なるべく具体的に詳しく伝えてもらえると、採用する側としてはとても安心でき、採用通知が出しやすくなるということです。
20代後半の方でプログラマーに転職を考えている方にとって必要なことは、20代前半や第2新卒の場合に必要なことと同じですので、すぐ上の「20代前半や第2新卒の場合に必要なこと」の項を参照してください。
基本的には20代後半であっても採用されやすいので安心してくださいね。
ただ、1つだけ20代前半の人と異なる点があります。それは年齢の問題です。
25歳~29歳を20代後半とすると、25歳と29歳では印象が少し変わってきます。というのも、IT業界は基本的に若い人が多いからです。30歳くらいになると主任になる人もチラホラ出てくることもあり、29歳で転職して1年ほどでまだプログラムがあまりかけない状態なのに、同い年の同僚はすでに主任になっているというような状況になると、ちょっと気まずいものを感じるかもしれません。
また、29歳だと採用したくないと判断する企業も増えてきます。若い人が多い企業だと、やはり周りの人間とのバランスが考慮されることもありますし、育成して活躍できるようになるまでに時間がかかると判断されてしまう可能性もあります。
そのため、20代後半の人で、しかも未経験でプログラマーに転職を考えている人は、少しでも早く行動に移した方が良いです。その方が、採用される確率も高くなりますし、入社後も心穏やかに仕事をすることができるようになります。
未経験で転職するわけですから、現在はプログラマー以外の職についていることになります。そうすると、なぜ今の仕事を辞めてプログラマーになろうとしているのかを、採用する側としては知りたいと思うわけです。単に給料が良さそうだから、なんとなく格好良さそうだからといったイメージだけで応募されても困ってしまいます。志望動機がしっかりとしたものであれば、仕事に対して真面目に取り組んでくれそうだという判断材料になりますが、中途半端な理由では、プログラミング技術を身につけることができず、仕事ができないのではと考えてしまいます。
プログラマーになぜなりたいのか、という志望動機を履歴書や面接でしっかりとアピールすることができるようにしておいて頂きたいと思っています。当然のことですが、転職するにあたって、なぜ今の仕事をやめるのかということも聞かれますので、そのあたりも含めて考えておいてください。
志望動機の例として以前あったのは、「大学でプログラミングの授業を受けたときに、自分が作ったプログラムが動くのに感動した。それが今でも忘れられなくて是非チャレンジしたい。創り出す側の仕事をしたい」といった理由で応募してきた人もいました。その人は採用となりましたが、残念ながら他社にも内定をもらっていたようで、そちらに行かれてしまいました。
また、新卒などの採用ではたいてい未経験者の採用となるのですが、こちらの場合も参考になるかと思いますので、ご紹介したいと思います。
「ホームページを自分で作って公開したときに、実際にネット上で見て動作することが楽しかった。自分の作ったものを人が見て、コメントを残してくれたり反応してくれることがうれしくて、IT業界で多くの人の役に立つものを作ってみたい」といった内容のことを言った人もいました。
これくらい具体的だと、気持ちは本当かもと思います。実際仕事をしていると、自分が作って納めたものをお客さんが喜んでくれると、とてもうれしい気持ちになりますし、それが仕事の原動力となることもあります。このように語ってもらえると、自分が役に立つことを喜び、それを仕事へのエネルギーに変えることができる資質を持った人なんだなということが伝わってきます。
しっかりとした志望動機ができあがったら、それを裏付けるようなエピソードや経験、職務事例を考えてください。面接で「やる気は十分です!」「最高のプログラマーになりたいんです」と熱く語られても本当かどうかはわからず、それだけで採用になることはあまりないのではないかと思います。それを立証するような経験など具体的なエピソードがあってはじめて、「この人ならちゃんと仕事をしてくれそうだな」と思えます。
たとえば、何でもいいので資格を持っているのであれば、それを取得するために一生懸命勉強したことを伝え、目的を達成するためにしっかりと取り組むことができる姿勢を伝えるようにしてみてください。IT系の資格を持っていなくてもまったく問題ありません。大切なのは、何かをしようと決めて取り組んで達成できたということが伝えられれば良いです。
仕事においても、今の仕事に対してどのように取り組んでいるのかを伝えましょう。もちろん、しっかりと真面目に努力している姿勢がわかるようにするのがコツです。プログラマーといえども、コミュニケーションスキルは必要ですし、顧客やSEの要求を聞いてそれを形にすることが必要になります。今の会社で顧客や同僚とコミュニケーションをとって仕事をがんばっていたり、お客さんの要望や会社からの要求を聞いて形として反映した経験があれば、そのエピソードを盛り込んでみるといいでしょう。
自分で課題を見つけてそれに取り組み、それを達成・解決できたというエピソードを伝えることができれば最高です。そうすることによって、やったことのないプログラミングでも自分で考えて身につけ、がんばって仕事をしてくれる人だという印象が得られます。
実際に転職する際には転職サイトを利用することが多いかと思います。 求人案内に「未経験可」という表示が出ていてわかりやすい転職サイトがいくつかあります。 このような案件には、未経験可でも大丈夫な理由が書いてあることもあります。
たとえば、ファインドジョブという転職サイトでは、上の画像にあるようにIT・Web業界で未経験OKの求人を簡単に絞り込むことができます。しかも 未経験者に求める人物像やメッセージなどが具体的に書かれていて、なぜ未経験でも採用しているのか といったことが説明されています。求人案内の一部を抜粋してみると、
・「プロのエンジニアになりたい」という強い意志がある方なら、経験問わず積極的に採用したい
・チャレンジ精神旺盛の方
・真面目に、そして継続的に努力できる方
・社会人経験もIT知識もまったくなかった未経験の先輩たちが、お客さまから愛されて求められる存在となっています。何ごとにも真っ直ぐに努力し、一生懸命に人と向き合える人なら、未経験でも必ず活躍 できると思います。
といった、とても明るい気持ちになる説明を読むことができます。 このように未経験でも応募可能と掲げてある案件であれば、安心して応募することができます。 内定を得られる確率もぐっと上がるでしょう。是非積極的に利用してみてください。
ファインドジョブでの未経験歓迎の求人の検索方法はとても簡単で、下の画像のように「実務経験不問」を選択すればOKです。その上で職種や勤務地を選択すれば、希望する職種で未経験の求人を簡単に探すことが可能です。
インターネット上に公開されるプログラムや、会社や組織のLAN環境内でブラウザを使って利用するようなプログラムを開発します。PerlやPHP、Javaなどを使ってプログラムを組むことが多いです。具体的な例としては、ウェブ上で占いを行うようなエンターテインメント系のプログラムであったり、ウェブ上で公開するデータベースの開発、企業や組織の予算や顧客管理データベースの開発などがあります。ネットに公開されているものであれば、検索によって簡単に見つけることができるでしょう。求人案件もとても多いです。
プレイステーションやWiiなどのゲームを思い浮かべればわかりやすいと思います。ファイナルファンタジーやドラゴンクエストなどのメジャーなゲームなどもそうですし、パソコンのゲームもそうです。最近では、ネット上でできるオンラインゲームなどもありますし、スマホなどで遊べる携帯ゲームの開発もあります。大きなプログラムではチームを組んで分業で開発することが多いようです。小さなゲーム会社であれば、1人~少人数でゲームの開発に携われるようです。
言語としては、C, C++が主に使われると思いますが、アンドロイド携帯やiPhone、iPadなどの端末で遊べるゲームアプリを開発するのであれば、Object CやJavaなども使われます。
炊飯器やエアコンなどの機械の中にもプログラムが組み込まれていて、ご飯の炊き具合や部屋の温度の調節を行っています。このように家電製品や携帯電話、デジカメなど、機械の中に組み込むプログラムを開発する仕事です。製品ごとにカスタマイズして組み込まれることが多いです。使われるプログラミング言語は、C、C++、アセンブラが主になります。
ウィルスセキュリティソフトやExcelといった表計算ソフトなど、パソコンにインストールして使うソフトを開発するお仕事です。店頭でソフトが入った箱を購入し、インストールするところを思い浮かべればわかりやすいと思います。パッケージソフトだけを専門に開発している会社もあれば、受託開発の仕事を行いながらパッケージを開発する会社もあります。有名なところでは、Justsystemの一太郎や弥生株式会社の弥生会計などがあります。
使用する言語は多岐に渡り、C,C++、VB、Java、VC++などが使われます。
Unix・LinuxやWindowsなど複数のコンピューターを使ってシステムを構築する仕事です。クライアント・サーバーシステムとして構築することが多いです。上記のWEB系ともかぶるところがあり、複数のコンピューター間の通信がブラウザを用いて行われることもあります。そのため、求人案内にはWEB・オープン系として募集がかかっているのを見かけることもあります。使用する言語はC、C++、Javaなどですが、ブラウザを用いたシステムを構築する場合には、PHPやPerlなどのウェブ系でよく使われる言語も使用されます。
オープン系との違いがわかりにくいことがあるのですが、銀行の金融システムなど企業の基幹システム(メインフレーム)に使われることが多いです。データ量が多かったり、安全性や高い信頼性が要求されるような業務で使われます。独自の言語仕様を持っていたり、文字コードを使うこともあります。他のコンピューターシステムとは互換性が無く、閉じた世界を構築します。反対にオープン系ではUnixやWindowsなど標準化された方法で通信できたり、データを利用できるのでオープン系と呼ばれます。言語としては、COBOLなどが使われます。
ネットワーク機器(ルーター、モデム)やテレビ会議、IP電話を使ったシステム開発など、通信に関連したプログラムを開発します。コンピュータ間のデータ送信・受信に関連した部分が主な仕事になります。言語はC・C++やJavaなどが用いられます。組み込み系・制御系ともかぶる部分があり、ネットワーク機器に組み込むプログラムを開発する場合には、両者の知識を身につけることができます。
WEBアプリケーションというとJavaやPHPが得意な分野ですが、最近はPythonでの開発も増えてきています。というのも、PythonにはDjangoやBottle、Flask、Tornadoといったフレームワーク(開発が行いやすいように、よく使われるセットが一式そろったもの)が充実して、これらを使うと簡単にウェブアプリケーションを作成することができます。
有名なオンラインサービスもPythonを使って開発されています。例えば以下のものはPythonで開発されています。
・Facebook
・Instagram
・YouTube
どれもメジャーでよく知られたサービスですよね。非常にたくさんのアクセス数があるにもかかわらず、しっかりと安定して運営がされていることからわかるように、十分な実用性があることがわかります。
日本ではまだまだJavaやPHPによるウェブアプリケーション開発が主流を占めていますが、Pythonでの開発も増えてきています。ずいぶん前の話ですが、ウェブアプリケーションといえばPerl(CGI)という時代がありました。しかし、近年ではPerlはずいぶんと下火です。Perlの代わりとしてPHPやRubyが使われるようになったのですが、その流れに新たにPythonを採用する事例が増えてきています。
上で述べたようにPythonは数値計算や機械学習、ディープラーニング、テキストマイニングなどの分野で強力なツールとなっています。そのため、いわゆるデータサイエンティストと呼ばれる研究者や解析を行う人でPythonを使う人が増えています。
以前であれば、数値計算をする際にはRというまた別の言語を使うことが多かったのですが、最近はPythonがこの牙城を崩すような勢いがあります。まだまだRは広く使われていますが、Pythonも負けず劣らず強力です。
今後、データサイエンティストを目指そうというような人にとっても、Pythonは非常に強い味方となってくれるでしょう。
また、私の会社では受託開発以外にも自社開発も行っています。
プログラムを書いてソフトウェアやシステムを作るところは同じですが、企画を作るところと宣伝・販売するところも自分たちでやることになります。 企画の段階で自分の考えたアイデアが採用され、プログラミングをして作っていくと言う作業は、とてもクリエイティブな気持ちを味わえます。何しろ自分の考えたアイデアが実現され、世の中の人々に使われるのですから。
さらに自社開発で作った製品を宣伝・販売する場合には、専門の部署があればそこが担当することが多いですが、小さな会社の場合は、宣伝・販売も自分で行うことになるかもしれません。 宣伝・販売方法を考えるのが面倒と思うかもしれませんが、自分が考えて作った製品を少しでも多くの人に買ってもらおうと思うのであれば、勝手に体が動くかもしれませんね。
自分で考えた分、どこがセールスポイントなのか、どういう人に使ってもらいたいのかと言う事が他の人よりもよくわかっていると思います。そのような人が宣伝・販売のために必要な売り文句を考えることは、意外とスムーズにいけるように思います。
こうなると、小さな会社で企画を通して製品開発を行う場合は、企画から開発・宣伝・販売まで、すべてをこなせるチャンスがあります。自分のアイデアを形にして自分の手で売ってみたいと思う人や、物ができて販売にいたるまでにどのような流れになるのか、どんなことが起こるのかということを知りたい人には、このような自社開発のスタイルと言うのは向いているかもしれません。
実際、私も小さなソフトウェア会社で、上記にあるような企画から開発、宣伝・販売まで一人で担当したことがあります。最初はなかなか大変なのですが、やはり自分のアイデアを形にしていくというのは、とても楽しいものでした。1つ売れるごとに、他では味わえないような楽しさ・うれしさを感じることができました。 ソフトウェア開発の3つの面白さのページにもまとめていますので、参考にしてみてください。
私は今の仕事につくまでは、手に職があるとはいえる状況ではありませんでした。
特技もない、スポーツで生きていくこともできない、絵が描けるとか何かが作れるといったこともなく、手先が器用でもない、そんなごくありふれた一般人です。
もし会社という場を離れて給料をもらえなくなったら、一人で生きていくことなどできないような人間でした。与えられた環境でしか生きていくしかことしかできないと、自分に自信が持てない状況が長く続いていました。
しかし、プログラミングを覚えるうちに、いろいろなシステムやソフトを作ることができるようになりました。実際に役に立っているというお声をいただいたり、長きにわたって使い続けてもらっているものも出てきています。
人の役に立つことができる、自分で考えたことがプログラムというツールを使って形にすることができるという自信が少しずつ出てきました。
最近では、面白そうだと思ったアイデアを実際にプログラムを書いて作ってみて、それをインターネット上にアップしてみたりもしています。反応が良かったり、アクセスが増えてくるととてもうれしいものです。
この仕事につく前に感じていた「手に職がない」という自信のなさは今ではだいぶなくなり、いざとなったらプログラムを書いて生きていけるのでは?とも思うようになりました。 プログラミングを身につけることによって、給料をもらうだけでなく、手に職がついたという自信とそこから得られる楽しさが感じられるようになりました。