8月に観た映画で気に入ったものを探したがこれが意外にない。というより、代表と呼べるものがない。気になって2018年の時も調べるとやはり8月は面白い映画が少ない。おそらくこの時期の映画業界は夏休みの学生向けに営業しているのが原因だろう。更に高校・大学生は遊びが比較的多様化しているので選択肢に映画が入る余地が少ない。そのため、主に小・中学生向けにタイトルを組んでいると思われる。なので消去法的に選んだのが「ワイルド・スピード スーパーコンボ」になる。とはいえ、ワイルドスピードシリーズはあまり観たことが無く、「スカイ・ミッション」、「アイス・ブレイク」ぐらいである。本作はスピンオフの作品であるため今までのシリーズを知らなくても楽しめる内容になっている。物語については語る必要なし。とにかく主演のドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムの筋肉とアクションを堪能する作品である。
ジョンソンとステイサムはどちらもハリウッドを代表するアクション俳優であるが、両者には異なる特徴がある。ドウェイン・ジョンソンはまず身長196cm、体重100kg以上という巨大な体と筋骨隆々な肉体が目につき、何もしていなくてもその強さが伝わってくる。ジョンソンは元プロレスラーとして20年ほど一線級で活躍し、その大半の時期を俳優と兼業で行うというタフさと器用さを持ち合わせている。現在でもハリウッドの大作映画を年2,3回出演するほどで47歳とは思えぬタフさを見せている。一方、ジェイソン・ステイサムも元飛込選手でイギリス代表のスポーツマンとして活動した経歴があり、引退後の俳優活動でも本格的なトレーニングを積み、肉体だけでなく銃火器やナイフなどのアクションもスタントなしで見事に演じている。
この二人のように異業種から俳優に転向し、その経験を活かした役を演じる人が日本では少ないように思える。事務所の都合なのか現場の都合なのかは分からないが日本だとアクション系の俳優というと一種類の人しかいないように思える。だから、名前を聞いてもどんなアクションが得意かが、見えてこないのでほぼ無個性と思えてしまう。アクション映画は頭を使う映画ではないが、無個性だと印象に残らないしその他多くに埋もれると思うのだ。