近年、日本国内の大工人口は急速に減少しています。国勢調査によれば、1995年には約76万人いた大工は、2015年には35万人まで減少し、その後も減少傾向が続いています。野村総合研究所の推計では、2030年には約21万人にまで落ち込む見通しであり、住宅の安定供給に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。
一方で、住宅需要は一定の水準を維持しており、施工現場における人手不足が顕在化しています。こうした状況下で、住宅会社各社による人材育成には限界があり、特に若手大工の確保・育成が喫緊の課題となっています。
このような背景を受けて、「大工育成プロジェクト」では、講師派遣や研修資材の提供を通じて、地域における若手大工の育成支援に取り組みます。令和7年度は、静岡西部および静岡東部の2会場にて講習会を実施し、地域の大工人材の持続的な育成を目指します。
1.大工の心得を身につける。
2.現在の業務を振り返りつつ、その施工方法や寸法の裏づけを知ることで、現在の業務に生かす。
3.機械化された作業の中で失われつつある「墨付け・手刻み」の技術を養う。
4.大工仕事周辺の幅広い技術を見につけ、新しい「これからの大工」への第一歩とする。