「轟音系ピコリーモ」のルーツはパンテラとTM NETWORKのあの名曲!?
──Pulse of Humanityは「轟音系ピコリーモバンド」としてメタルなリフと電子的なEDMのリズムにスクリームなヴォイスとメロディがとても特徴的ですが、皆さんの音楽的なルーツをぜひ聴かせてください。
KAZZHiKO(Gt):Pulse of Humanityは何度かのメンバー交代を経て、今の形になったのですが初期メンバーで残ってるのは私だけなんです。
私の音楽のルーツは「TM NETWORK」で、小室哲哉さんに憧れていたので、最初はキーボードから入りました。「Get Wild」のイントロは今でもまだ両手で弾けるくらい弾きこみました。
その後に、友達の兄貴から「お前らこれを聴け」と渡されたCDが、SKID ROWの1stアルバム「SKID ROW」で、それを聴いた瞬間「ズキュン!」とやられてしまいまして。
ちょうどその頃地元の八王子でヤンキー集団を横目で一人ギターを持って歩く金髪ロン毛のバンドマンをみて、「俺もこうなりたい!」と刺激を受けてバンドはじめましたね。
当時のバンドメンバーから、「これを聴けよ」と渡されたパンテラの2ndアルバム「俗悪」がこれも衝撃的で「漢ってこれだろ!!!」って思って、音楽的な転機になりましたね。それからメタルをやるようになりました。
で、そのあとはラウドロック、ミクスチャー、メロコア、メタルなど複数のバンドをやったりしもして、Limp Bizkit、Slipknot、Zakk Wyldeあたりから影響を受けていますね。
そして、ちょうどPulse of Humanityをやる前にテクノロジーがだいぶ進歩してきて、自分でも簡単にPCで曲作れるようなわかりやすいソフトが出てきて、それで、小室哲也さんにさんに憧れてた自分を思い出してきて、「メタルのザクザクとEDMのピコピコが合わさったらどうなるんだろう」、と。まだ当時そういうバンドを知らなかったので、試しにやってみたところ、「これはおもしろい!」となって、Pulse of Humanityを作ることを決めたんです。
──今のPulse of Humanityの音になるきっかけは小室さんだったんですね
KAZZHiKO:そうです、「Get Wild」の中でも「Get Wild ‘89」ってやつです。
Yuu(Vo):そうだったんだ!そんな経緯とルーツがあること知らなかった!
メタル四天王って誰だっけ…?
POPバンドからの転身で周りから驚かれたことも
Yuu:私はもともとは父の影響でフォークソングをよく聴いていて、J-POPが好きです。ザ・ディラン・セカンドやサザンオールスターズをよく聴いていて、サザンはファンクラブにも入っているくらい好きです。
歌番組がすごく好きでその中でも真心ブラザースをみて、「音楽をやっている大人ってかっこいいな」って思って自分でも音楽をはじめました。
当時はギターポップやギターロックをやっていて、フーバーオーバーがとても好きだったんです。その頃は作詞作曲をしていたんですが、実体験を歌にするのが苦手で、フーバーオーバーやミドリカワ書房の世界観に影響を受けて創作していました。なので私の場合はメタルは一切通ってこなかったんです。
──ではメタル要素の強いPulse of Humanityとの出会いはどのような感じだったんですか?
Yuu:ももクロのカバーバンドを遊びでやっていて、その時のベースの友達がカズくん(KAZZHiKO)で、その繋がりでカズくんから、「バンド新しくやりたいからスタジオに遊びに来ない?」と言われて行ったんです。そしたらイカつい人ばかりで焦りました。スキンヘッドの人もいて当時ほんとにびっくりしたー。ここに私いて大丈夫かな、と思った。
一同:(笑)
Yuu:そういえばPulse of Humanityのツアーで地方に行った時に、バスの中でツイキャス配信をしたんです。その時、お客さんに「メタル四天王」を教えてもらったのに、もう忘れてるっ!
一同:えー!
Yuu:えーっと、メタリカ…メタリカ、うん
Taka:もう一個「メ」!「メ」で4文字!
Yuu:メガデス!
一同:おー!
Yuu:次のヒント!初めの言葉は???
Taka:「あ」か「す」!
Yuu:んー!もうね、一生思い出せないっっw
一同:(笑)
※正解はアンスラックスとスレイヤー
Yuu:それくらいメタルには疎いです。メタルの話されると何語かわからないくらいなんです。洋楽はミクスチャーとかは聴いてて、ゼブラヘッドやリンキンパークやランシドは好きだったんですが、メタルにいかなかったなー嫌いじゃないんですけどね。今のバンドは轟音の中で歌うので、めちゃくちゃ耳痛いんですよー。
もともとやっていたバンドはストラトのカッティングでイントロ始まるような、EDMのような音の同期も使わないし、やってるバンドの変化が激しいんです。何で私もここにいるのかな、って感じですが…。
なので前から私のこと知ってる人や友達からは「どうしたのっ?」「怖そうなメンバーとやってるね…」って言われちゃうんです。
パンテラを教えてくれたレコード店員がバンドメンバーに!?
ken the metal☆(GROWL):私は高校時代にバンド始めて、その時のドラムがすげーメタル好きで、家に遊びに行った時にメタリカの「Master of Puppets」がちょうど発売日で、一緒に聴いて衝撃受けたのが始まりです。
音楽の影響でいえば、街のレコード屋にふらっと立ち寄った時に、すげーかっこいい曲かかってるな、と思って店員に「これなんですか?」と聞いたら、パンテラの「COWBOYS FROM HELL」で、これは影響受けましたね。
そして、当時メンバー募集を「Player」という雑誌に投稿したのですが、そこで知り合ったのが、そのレコード屋でパンテラを紹介してくれた人だった。という奇跡がおきまして。
Yuu:ほんとすごい時代だね。あれ?それって雑誌に住所書くの?
ken the metal☆:そうそう、住所と電話番号書いてそれが雑誌に載るんだよ。それでハガキが来るの。
Yuu:えー!個人情報やばいじゃん!!!やば!私の時はネットで、with9だったけどそんな時代もあったのね。
ken the metal☆:さすがにPulse of Humanityに入る時のきっかけはwith9だったけどね。それで、そのレコード屋の人とバンドを組んで頑張ってたのですが、その後いくつかバンドを経由してスラッシュメタルバンドに入った時にGROWLが必要となって今のスタイルが生まれました。VISION OF DISORDERのティム・ウィリアムスやパンテラのフィリップ・アンセルモには影響を受けましたね。
ヌーノに憧れ、浜松ハードコアの雄 VACUUMで目覚めたバンドへの熱量
Taka(Dr):自分は兄貴の影響で中学生の頃に布袋が好きでした。部活の友達がギターやっててそいつがメタル大好きで、布袋きっかけで仲良くなって、「これ聴いてみろよ」渡されたのが、エクストリームの2nd「Pornograffitti 」でした。聴いてみたら、「おー、かっこいいなー!」って思って、そいつが今度は学校にギター持ってきてて、学校でオジーオズボーンの「Crazy Train」弾いてて、「すげーかっこいいーなー!」って思って、「俺もギターやりてー」ってなってギター買って始めました。
で、ヌーノベッテンコートに憧れて、ロン毛にしたかったんですよ、ほんとは。
一同:(笑)
Taka:ロン毛でブーツ履いて、足長くなりたかったんですけど、典型的な日本人男性の体型なんで。
Yuu:中肉中背ねw
Taka:それそれ悲しいかな(笑)
高校の時にそいつからバンドやりたいからドラムやってよ、と言われてやった感じです。
高校一年位の時に友達がライブやるからって行って見に行ったら、浜松のVACUUMというバンドが来ていて、めっちゃかっこよくて、はじめて刺激というか、影響を受けましたね。今はドラムの人がユナイテッドで、ギターの人がShady Glimpseってバンドやってて。多分、一番身近で影響受けているのはそのバンド。そのあと何やかんやで東京に出てきて、今は長渕剛が大好きです。
ドラムでいうと、あまりここ最近ぶっちゃけ影響受けたとは言えなくて、いいなとは思うんですけど、つまみ食い的に聴いてる感じです。二十歳くらいの時に聴いてたのは、レッチリのチャドスミスとか、BLINK 182のトラヴィスパーカーとか、マシーンヘッドのドラマーとか好きですね。最近はあんまり聴いてないですけどね。
「歩いてたら売ってたから」
ジャパコアから強い影響を受けた6弦ベース使いの意外な理由
ishii(Ba):子供の頃からバンド形態のものが好きで、安全地帯、チェッカーズ、CCB、その後に、聖飢魔II聴いて、「バンドかっこいい」って思うようになった感じ。その頃に先輩がジャパニーズハードコアやってて、その先輩たちからライブチケットが回ってきて、買わざるを得なくて。
一同:(笑)
ishii:でも、見に行ったら意外と好きで、そういうのから明らかに影響受けたなと思うのでジャンルではジャパコアかな。GASTUNK、Doom(日本)、ASYLUMとかに影響を受けてて、これ以上話すとすごくマニアックな方向に行くと思うので、ここくらいに。子供の頃はバイオリンを弾いていましたね。ほら、私は育ちがいいじゃないですか?
一同:(笑)
Yuu:いやー、やっぱり品があるもの、石井ちゃんは、品がある。
ishii:今も持っているよ、ほら(バイオリンを見せる)
KAZZHiKO:おーすごい!ライブでやろうよ、ゆうちゃんがピアニカ忘れた時それで。
Yuu:シルエット綺麗だもんね、バイオリンがバンドにいるとすごくいいよ。
Taka:やばい、すごい飛び道具になるね、それ、ここぞというときに使お!
──ishiiさんは6弦ベースを使われてますが何かきっかけはあったんですか?
ishii:6弦ベースのきっかけは、街を歩いていたら売ってたからかな。
──衝動買い、的な…?
ishii:もともと、4弦に5弦の弦を張ってたんですよね。5弦ベースの形が左右対称じゃないので好きじゃなかったんで買わなかったんですが、5弦の音域が欲しかったので4弦ベースに5弦の弦を張っていたんです。
でもやっぱりベースに負荷がかかっていて、ライブの度に弦が切れちゃったりして、みんなに迷惑かけたりしてたので、なんか楽器を変えないといけないかなと思っていた時に、たまたま6弦ベースを見かけて。
見た目的に5弦は嫌だなと思っていたけど、6弦を見たときに左右対称で良いなと思って、使わない弦があってもいっか、となって買いました。
タッピングがしたいとかではなく、欲しい音域に耐えうるハード面としてこれでいけるんならこれでいいんじゃない?というものであって、なんで6弦?と言われると「歩いてたら売ってたから」としか言えない感じですね(笑)
<後半へ続く>