パラレルワーク

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副業ではなく複業

「複業」という言葉の意味を知っていますか?「パラレルワーク」とも言い、複数の仕事を並行しておこなう働き方を指します。
今、会社員にはこの「複業」という働き方がおすすめです。
しかし「副業とは違うのか?」「どうして複業がいいのか?」という疑問を持つ人も多いでしょう。



「複業」と「副業」の違いは?

「複業」とは、「パラレルワーク」とも呼ばれる働き方です。
ひとつの収入先に依存しない働き方のことであり、同時に複数の仕事に並行して取り組んでいる状態のことを指します。
一方「副業」とは、本職のサイドビジネスとしてのニュアンスが強い言葉です。
正社員をはじめとして、あくまでメインの仕事は別に持っている人が、サブ業務として取り組む仕事のことを指しています。
副業があれば「複業状態」になるわけではなく、あくまで別々の働き方・仕事そのものを表していると考えてください。


複業の注目度が上がっている

複業を取り入れた「パラレルキャリア」という考え方は、「マネジメント」の著者であるピーター・ドラッガーが提唱したものです。
彼は複業(パラレルワーク)について、以下のような考えを述べています。
『これからの社会に求められる人間のタイプは、自分に責任を持ち、特定の組織に依存しない人たちだ。そして、自分のキャリアは自分で決める人たちだ』

実際のところ、複業(パラレルワーク)に対する注目度は、日本国内でも年々増加傾向にあるのです。
「複業」人口の増加は、前年に比べて+14万人です。

複業(パラレルワーク)は、現在高い注目を集めており、選択する人が多い働き方でもあるのです。
「複業・副業が働き方の主流になることについて、どう思うか?」という質問に対し、80%以上が賛成している状態です。
多くの会社員が、複業(パラレルワーク)や副業に関して肯定的で、かつ自分も取り組んでみたいと思っているのです。



「複業」をおすすめする理由


それでは続いて、会社員に「副業」ではなく「複業」をおすすめする理由を紹介しましょう。自分に合った働き方が見つかるから複業(パラレルワーク)では、自分の働き方は自分で決めることができます。副業では、週5日フルタイムで働き、就業後や休日に別の仕事に取り組むでしょう。仕事内容や仕事量はある程度調整できるものの、本業の会社に決められた働き方をベースにしなければなりません。一方、複業であれば仕事内容や仕事量、出勤日や仕事場所も、自分の裁量で決められるのです。



得意な仕事に絞りやすい

会社員として働いていると、自分の得意なことだけではなく、苦手なことや気が載らない仕事も、大量にこなさなければならないことがあるでしょう。複業の場合、そういった効率の悪い仕事を、最大限に減らすことができます。自分が好きな案件や得意な案件を選びやすくなるので、効率良く稼ぎやすくなるとも言えます。特技を伸ばしやすくなるという魅力もありますし、好きなことだからこそ集中できることもあるでしょう。また、嫌な仕事を避けやすくなるので、仕事のストレスが減るというメリットもあります。


場所や時間の融通が効く

仕事場所や時間の自由が効くのも、複業ならではの魅力ですね。どのような条件下で働きやすいかは、人によって様々です。在宅勤務の方が実力を発揮しやすい人もいれば、週1日はミーティングをおこなった方が働きやすい人もいるでしょう。育児や介護と両立するため、勤務日や場所が柔軟に調整できた方が良い人もいます。
自分の市場価値が上がるから複業(パラレルワーク)として様々な仕事に取り組むことは、あなた自身の市場価値をアップさせることにも繋がります。


スキルアップのチャンスが増える

複業とは、言ってみれば、どの仕事も本業のようなもの。求められるスキルも高くなりますから、当然パフォーマンスも向上させなければ、ひとつひとつの案件に対応できません。必然的にスキルアップをせざるを得なくなるとも言えます。自分に求められているものを的確に判断できるようになりますから、視野も広がります。色々な案件をこなすうちに、知識も増えますし、責任感も強くなる傾向にあります。関わる人も多くなるため人脈も広がるでしょう。様々なクライアントや経営者、同業者との接触を通じて、良い影響を受けることもできます。多くの人と関わるうちに、「自宅」「会社」以外のサードプレイスを見つけるきっかけが見つかることもあります。価値観の創造や、自信の獲得にも発展していけるかもしれません。



新しい仕事にチャレンジできる

また、複業には新しい仕事にチャレンジしやすくもなるという魅力もあります。会社員が本業一本では経験できなかった分野に飛び込めたり、勉強をしたりするチャンスも増えるでしょう。たとえば、「フリーの編集者として働いていたけれど、自分でライティングや撮影もおこなう必要が出て来たため、ライターやフォトグラファーとしてのキャリアも拓けた」という複業の事例があります。前述しましたが、複業は自分のペースで働きやすいため、「ここに適性があるのでは?」と思った仕事に、フットワークを軽くして飛び込むことができます。新しい可能性を見つけたいときにも、複業は非常に便利なのです。



収入アップやキャリアアップにも繋がる

市場価値が上がるということは、収入アップやキャリアアップにも繋がります。総合的な実力が高い人ほど、より重要な案件は任されやすいでしょう。報酬も高くなりますし、良質なクライアントとも出会いやすくなります。将来は起業を考えている人や、実力をつけてチャレンジしてみたい分野がある人などにも、複業は非常に適した働き方と言えるのです。


会社員の経験を活かせるから複業(パラレルワーク)は、会社員として働いていた経験が活かせるという魅力もあります。フルタイムで正社員をしていると、「副業」はどうしても選択肢が限られてしまいます。
稼働できる時間も少なくなりますし、曜日や時間帯も制限が大きいでしょう。会社員としての経験やスキルを活かせる副業は、決して多いとは言えません。
しかし、複業は会社員時代に培ったスキルや経験を、存分に発揮して働くことができるのです。
これまでの経験を存分に活かしつつ、新しいことにもチャレンジできるようになれば、単純に仕事におけるコストパフォーマンスも上がります。

「複業」は2つ以上の仕事を並行しておこなっている状態のこと。「副業」は本業とは別に、サイドビジネスを持っている状態のことです。

会社員が「副業」ではなく「複業」に取り組むべき大きな理由は、以下の3つです。

自分に合った働き方が見つかるから
自分の市場価値が上がるから
会社員の経験を活かせるから

上記が満たされれば、最終的には、収入アップやキャリアアップなどの結果にも繋がるでしょう。もちろん、ここで取り上げた以外にも、複業(パラレルワーク)には様々なメリットが期待できます。とは言え、いきなりフルタイムの会社員を辞めるのも大変なので、まずは副業として新しいキャリアを築きながら、安定したところで複業に切り替えるのもおすすめです。

あなたのペースで、あなたらしい働き方を手に入れてください。



複業したら年金はどうなる?


あなたが利用する年金はどれ?

パラレルワーク(複業)や副業をする場合、どの年金制度が当てはまるのでしょうか?
実は、一口に「パラレルワーク(複業)」「複業」とっても、実際の働き方によって適切な年金制度が変わります。
それぞれの雇用形態別に、適切な年金制度を紹介します。


個人事業主の場合

会社と雇用契約を結ばず、フリーランスでパラレルワーク(複業)をしている場合は、国民年金のみを利用することになります。
税額は一律となっているため、所定の方法で引き落としや納金をおこないます。
20歳以上から60歳未満まで支払い、以降は加入期間に応じた金額を支給してもらいます。未納期間があった場合は、さかのぼって納めることもできるでしょう。
個人事業主の場合、年金義務は国民年金のみのため、月々の負担は軽くなりやすいです。
一方で、納めている金額が少ない分、老後の支給も少なくなります。手厚い保障を受けるためには、貯金をはじめとしたさまざまな対策が求められるでしょう。

会社員+事業所得の場合

会社員が事業所得としてパラレルワーク(複業)や副業をしている場合は、国年保険と厚生年金の2つに加入することになります。
「会社員」とは正社員だけではなく、派遣社員や契約社員なども含みます。
「事業所得」とは、農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業やその他何らかの「事業」を営むことで得た収入のことです。
会社員のかたわら、業務委託としてイラストレーターやライター、エンジニアや講師などを務めている場合などに適用されるでしょう。
支給額は、国民年金・厚生年金共に加入期間と給与額に応じて決定されます。
そしてこの場合、支払う年金額は一定です。
パラレルワーク(複業)や副業の収入が上がったところで、高い年金を納める義務はありません。


会社員+雑所得の場合

会社員が雑所得としてパラレルワーク(複業)や副業をしている場合は、国年保険と厚生年金の2つに加入することになります。
「会社員」とは正社員だけではなく、派遣社員や契約社員なども含みます。
「雑所得」とは、所得税法で分類されている所得のいずれにも含まれない収入のことです。
「利子・配当」「不動産」「給与(アルバイトやパートを含む)」「山林」などのいずれの所得にも含まれないパラレルワーク(複業)や副業は、雑所得として考えます。
代表的なものとしては、仮想通貨やネットオークション、FXなどが挙げられるでしょう。
支給額は、国民年金・厚生年金共に加入期間と給与額に応じて決定されます。
そしてこの場合も、支払う年金額は一定です。
パラレルワーク(複業)や副業の収入が上がったところで、高い年金を納める義務はありません。


会社員+給与所得の場合

会社員が給与所得(パートやアルバイトなど)でパラレルワーク(複業)や副業をしていた場合、国年年金といずれかの勤務先の厚生年金に加入することになります。
「会社員」とは正社員だけではなく、派遣社員や契約社員なども含みます。
これはたとえパートやアルバイトであっても、以下の条件を満たしていると、勤務先の社会保険に加入する義務があるからです。本人の意志で拒否することはできません。
1週間あたりの所定労働時間(労働契約で決められた各従業員が働くべき時間)が20時間以上
1か月あたりの賃金が8万8,000円(年収換算で106万円)以上
雇用期間が1年以上見込まれる
学生ではなない
従業員数が501人以上の企業で働いている

上記の条件を満たしていなければ、本業の会社側の厚生年金に加入し続けるだけで構いません。

毎月の給与から、厚生年金保険料が天引きされるだけで良いのです。
ただし、上記の条件を満たしている場合は、パート・アルバイト先でも厚生年金への加入義務が生じます。
両方の勤務先について届出をおこない、どちらかを「選択事業所」にして年金関連の手続きを一括化する必要があるのです。
その際、具体的な流れは以下のようになっています。

自分でメインの会社を管轄している年金事務所に出向き、
「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する
年金事務所で給与収入の合計額に基づいた社会保険料を計算し、会社ごとに案分して年金の支払額を決定する
年金事務所からそれぞれの勤務先に厚生年金保険料の通知がされる
それぞれの勤務先で、毎月の給与から厚生年金保険料が天引きされる


つまり、アルバイトやパートのパラレルワーク(複業)・副業を活発におこなうと、支払うべき厚生年金保険料は増えるということになるというわけです。



まとめ

今回の記事では、パラレルワーク(複業)や副業における年金の扱いについて解説しました。
年金には、20歳以上60歳未満の全員が加入する「国民保険」や、会社の社会保険に含まれる「厚生年金」、一部会社が導入している「企業年金」などがあります。

それぞれ働き方によって選択する年金制度が異なっており、支払い金額や条件も異なっています。

パラレルワーク(複業)や副業をする場合、働き方次第で必要な手続きや、納めるべき保険料や変わることもあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。



個人事業主としての登録は必要?


法人以外で仕事をする「個人事業主」になるためには、税務署に「開業届」を提出する必要があります。
フリーランスとして活動している人は、耳にしたことがあるかもしれません。
この「開業届」には、「屋号」を記入する欄があります。こちらは耳にしたことはあるものの、実際に自分はどのように扱えば良いのか分からず、迷ってしまう人も多いでしょう。



「フリーランス」と「個人事業主」は違う?

しばしば困ってしまう人がいるのが「フリーランス」と「個人事業主」の違いです。
「フリーランス」とは、個人事業主と同様に、法人と雇用契約を結ばずに働くことを指す言葉です。
厳密に言えば、「フリーランスは働き方」であり「個人事業主は働いている人」を表しているということですね。
ただし、フリーランスという働き方を選択している人のことを、「フリーランス」と呼ぶことも多いので、都度文脈を読み取ってください。


個人事業主に必要な届け出とは?

個人事業主(フリーランス)は、仕事を始めるにおいて「個人事業の開廃業届出書=開業届」を税務署に提出しましょう。
開業届は、それぞれの税務当局に開業を報告する目的があります。これによって、事業についての課税や減免が受けられるようになるのです。
ただしどの税務局でも、未提出でフリーランスとして活動したところで、特に罰則などはありません。届出をしないまま確定申告をおこなうと、自動的に開業通知がされるため、わざわざ提出しないという人もいるほどです。


「屋号」とは?

「屋号」とは、個人事業主の会社名のようなものです。仕事上の名義や、店舗の名前として使用するのが一般的です。
屋号の発祥は、江戸時代までさかのぼります。
かつて、苗字を持つことが許されなかった身分の人たちが、同じ集落内で商売や取引をする上で不便を感じていました。その際、家ごとに「屋号」をつけて区別するようになったのです。
現代では売買をおこなう人であれば「店舗名」、イラストレーターやライターであれば「ペンネーム」などを「屋号」とする傾向にあります。



まとめ

個人事業主として活動するためには、開業から1カ月以内に「開業届」を提出する必要があります。
未提出でも罰則等はありませんが、何かとメリットがあるため、迅速に提出するべきでしょう。

そして、開業届を提出するときにはできるだけ「屋号」の設定もおこなうようにしてください。仕事の幅も広がりやすいですし、お金の流れも管理しやすくなります。

ただし、屋号をつける上でのルールはきちんと守ってください。



法人化するタイミングや基準はあるの?法人化のメリット・デメリットまとめ

個人事業主をしていて、「法人化」した知り合いはいませんか?

フリーランスで働いていると、しばしば「法人化」について意識するタイミングがあるでしょう。

しかし、実際に法人化することにはどのようなメリットが期待できるのでしょうか? また、デメリットはあるのでしょうか?

今回の記事では、個人事業主の法人化について、特徴や基準、タイミングなどを解説していきます。

将来的に法人化を検討していた人はもちろん、これまでは法人化に興味を持ったことがなかった人も、是非チェックしてみてください。

法人化はメリットデメリットがあるので、要チェックです!

当記事の内容はこちら

個人事業主が法人化することで、節税効果や信用度アップなどさまざまなメリットが期待できる法人化にはデメリットもある。会社設立の手間や費用をはじめとして、法人の維持にも負担がかかる法人化をするタイミングは、利益や売上などを考慮して決めるべき

目次[表示]

法人化のメリットとは?

まずは、個人事業主が法人化をするメリットについて解説します。

節税効果がある

個人事業主が法人化することによって、節税対策がおこなえます。

個人事業主の所得税は「累進課税」となっているため、所得が上がるほど税率もあがっていきます。

一方で、法人税、法人住民税、法人事業税は「実効税率」は34.62%。

年間の所得額によっては、法人化した方が納税額を抑えることができるのです。

また法人化することで、給与所得控除を受けることも可能になります。

個人事業主が自身を社長として、役員報酬を支給すれば、会社員のようなメリットも得られるわけです。

更に家族を役員にして給与を支払えば、給与所得控除による所得分散効果も期待できます。

消費税の負担も軽くなります。

個人事業主の場合、年間売上が1,000万円を超えると消費税の納税義務が発生します。

法人化すれば、会社設立の1期目と2期目は消費税の免税事業者になれるのです。

加えて、法人化されていれば赤字を最大9年間まで繰り越すことができます。

個人事業主の場合、赤字の繰り越しは青色申告をしていても最大3年までです。将来的な税金の負担額を抑えやすくなるでしょう。

そして、法人化していれば生命保険の経費化も可能です。

個人事業主の場合は、微々たる生命保険料控除のみにとどまってしまいますが、法人化されていれば半額から最大満額まで経費として処理できるのです。

多方面からの節税効果が期待できるというわけです。

社会保険に加入できる

健康保険や厚生年金などの「社会保険」は、法人化すると強制加入になります。この際、雇用人数の制限はありません。たとえひとりでも加入可能です。

個人事業主の場合、国民健康保険(国保)や国民年金を利用するのが一般的です。

しかし、社会保険の方が圧倒的に手厚いです。保険料は家族構成や所得によってケースバイケースですが、基本的に扶養家族が多いほど負担が軽くなるでしょう。

有限責任にできる

法人化すると「有限責任」という選択肢が取れるようになります。

これは事業における責任が、一定範囲のみに限定されるということです。

個人事業主の場合は「無限責任」であり、字義用における責任のすべてを負わなくてはいけません。

事業資金として融資を受けた場合、万が一事業が存続できなくなったとしても、借入額の責任は個人で負う必要があります。債務責任から解放されることはないので、個人財産を処分してでも、返済をおこなう義務が生じるのです。

一方、法人化しておけばこういったリスクは避けやすくなります。

万が一事業が存在できなくなっても、処分しなければならないのはあくまで法人財産のみ。債務の支払い責任が、個人の範囲まで及ぶことはないのです。

会社と個人をあくまで別の人格として取り扱うことができるため、出資範囲分のみの責任で済むというわけですね。

社会的信用度が上がる

個人事業主が法人化すると、「法人格」を取得することができます。

法律上で、権利や義務の主体となる権利能力が認められるようになるのです。

法人名義で銀行口座を開設したり、融資を受けられたりするようになりますし、事業所を借りることも可能です。

融資も得やすくなりますし、助成金の審査も通りやすくなるため、事業をより円滑かつ活発的におこいやすくなるでしょう。

そして、法人格を取得しているということは、社会的信用度が上がることでもあります。

法律的に権利能力が認められているというわけですから、事業者として一定の信頼価値があると受け止められるわけです。

企業によっては、個人とのやり取りはおこなわず、あくまで法人のみを取引先としているところもあります。法人化することによって、取引先が増やしやすくなるとも言えます。

求人を出す場合でも、個人事業主よりも法人からの募集の方が、人材も集まりやすいです。給与の支払いや社会保険などが安定しており、信用に値する仕事先だと思われやすいため、採用面におけるメリットもあるでしょう。


法人化のデメリットとは?

さまざまなメリットが期待できる「法人化」ですが、デメリットもあります。

具体的な内容を解説していきましょう。

法人化に手間や費用がかかる

個人事業主が法人化するためには、所定の手続きが必要です。

公証人による定款の認証手続き法務局への登記書類提出税務署への法人設立届出書や青色申告の承認申請書の提出行政への法人設立届出の提出  など

また法人化には費用もかかります。最低でも、以下の費用は絶対に必要です。

定款の認証費用:個人で約92,000円、専門家に依頼すると約52,000円登録免許税:15万円収入印紙代:40,000円資本金:会社による

このように、法人化にはある程度の手間や費用が発生してしまうのです。

会社の維持に手間や費用がかかる

法人格は、維持するためにも手間や費用がかかります。

たとえ何の活動もしていなくても、地方税として70,000円を納める必要があります。

毎年決算を組んで、法人税申告書を作成しなければなりませんし、会計手続きも複雑化します。

これらの手続きは税理士や公認会計士に委託することも可能ですが、費用は最低30万円ほどかかります。

株式会社化していれば、定期的な役員変更の登記も義務づけられています。決算期の3カ月以内に、株主総会や取締役会をおこなって、役員を選び直します。

事業内容や規模に応じ、法人を維持するために手間や費用がかかり続けるというわけです。

赤字でも税金負担はある

法人化していると、たとえ赤字でも一定の納税義務が生じます。

個人事業主の場合、赤字経営の差異は所得税や住民税が免除してもらえますが、法人住民税は赤字でも免除されません。

社会保険の加入が必須

個人事業主の場合は、雇用人数が5名以下の場合、社会保険の加入は義務ではありません。

しかし法人化において、社会保険への加入は義務となっています。たとえ社員がひとりだけの法人であっても、役員報酬の支給のために加入は欠かせないのです。

社会保険の負担は、会社と従業員で折半することになっています。そのため、税額により人件費のコストが上がってしまうという弱点もあるのです。

交際費が全額損金にできない

個人事業主の場合、事業に関連した交際費は、全額損金にできます。

しかし法人の場合、交際費のうち損金に算入できるのは、飲食費のみ50%までとなっています。資本金が1億円以下であれば、年間800万円までという上限が設定されているのです。

事業における交際費負担が大きい場合、法人化によって損金算入の割合が減ってしまうというデメリットがあるでしょう。

法人化にふさわしいタイミングとは?

個人事業主が法人化する(=法人成り)にもっとも適切なタイミングはいつなのでしょうか?

もちろん、具体的なタイミングや基準は事業者によって異なるのですが、今回は多くの個人事業主が目安にしているタイミングを紹介しておきます。

利益が500万円を超えたとき

法人化の判断基準として、「利益が500万円を超えている」というのはとてもメジャーです。

これは、利益が500万円を超えたあたりから、個人事業主でいる税率の方が高くなりやすいからです。

前述したように、個人事業主は累進課税となっているため、所得が上がるほど税負担も大きくなっていきます。法人化した方が税金の負担が軽くなりやすいでしょう。

売上が1,000万円を超えたとき

「売上が1,000万円を超えたとき」も、法人化に適切なタイミングです。

これは、個人事業主で売上が1,000万円を超えると消費税が課税されるからです。法人化けすることで、2期分の消費税免除という選択肢が取れるため、切り替えに向いているタイミングなのです。

まとめ

今回の記事では、個人事業主が法人化するメリットやデメリットについて解説しました。

法人化することで、高い節税効果や社会的信用度などのメリットが期待できます。

採用もしやすくなりますし、社会保険による恩恵も受けやすくなるでしょう。

一方で、法人化には手間や費用もかかります。

法人を維持するためには、会計や事務手続きも複雑になり、デメリットも少なくありません。

そのため、個人事業主が法人化をする際は、適切なタイミングを見定めるようにしましょう。

利益や売上を基準にしつつ、業界や業種ならではの特徴も考慮して、長期的な視点で法人化を考えるようにしてください。