1:陶磁器を破損してしまったら
◆ご自分で接着などなさらずに、そのままの状態でご相談願います。
◆欠けたり、割れたり、ヒビが入ったりしたら、大きい破片は取っておいてください。 欠けた部分からヒビが入っているかどうか見てください。そしてそのヒビに爪がかかったり指ではじいて音が悪い場合は、ヒビの修理も必要です。(欠けや割れだけでなく、ヒビも入っている事例が多くあります。)
◆欠けの大きさ(縦×横cm)、割れの長さ(cm)、ヒビの長さ(cm)を、ご相談時にお聞きしますので、あらかじめ計測願います。(概算見積りのため必要です。)
◆仕上げは23金、錫、弁柄漆、黒漆になります。(上段金継ぎ見本参考)
2:修理が困難なもの
◆直火にかける土鍋など⇒修理部分がもちません。また取っ手がとれた場合など、修理しても熱が加わるため絶対にとれないということはありませんので、もし運んでいる途中でとれたら火傷の危険性もありますので、修理はできません。
◆水がめや大皿のように大きなもの⇒漆を乾かす室に入りません。
(おおむね40×40×40cmが限度です)
◆リヤドロなどの複雑で破損しやすい人形等⇒輸送中に破損する可能性があります。
◆口径より深さが大きい器や口径の小さい湯飲みやカップ類⇒割れやヒビが底の方まで入っている場合は、筆の取り回しが出来ず内側の修理が出来ないのでお受けできない場合があります。
◆洋食器等で金彩部分に傷がある場合⇒修理の工程で耐水ペーパーを使用しますので、傷のまわりの金彩部分に擦り傷を全くつけないで修理することは困難です。
◆漆器及びガラス⇒修理の工程で耐水ペーパーを使用しますので、傷のまわりに擦り傷が非常に付きやすいため、お受けしておりません。
◆「磁器」のカップで「ひび」の入ったもの⇒ひびの場合、漆等を滲み込ませますが、完全に内部まで滲み込まないことと、磁器は漆の接着面への食い込みが悪いので、修理しても使用による熱い冷たいの繰り返しにより、修理部分がまたひびわれてしまう可能性があります。
◆割れを接着剤等でつけてしまったもの⇒剥がして接着面の接着剤を取り除くことは、再破損の危険もあり非常に困難です。
(★ただし接着がしっかりしていれば、剥がさないでそのまま上から化粧金継ぎすることも可能です。)
◆ジグソーパズルのようにばらばらなもの⇒金額が高くなりすぎ現実的でありません。ものにもよりますが新しく買った方がはるかに安くなります⇒飾っておくだけなら、樹脂系接着剤で接着するだけという安価な方法もあります。
◆急須やカップの取っ手で接着面積の小さいもの⇒修理は可能なのですが、絶対にとれないということはありませんので、もし熱いお湯が入っているときにとれた場合、火傷の危険性があります。
(★見た目は悪くなりますが、太く修理する方法もあります)
◆あまりに高額なもの
◆その他はお問い合わせの時に判断致します。
3:ご依頼の流れ
①先ず電話かFAXでお問い合わせいただき、ご依頼される場合はエアキャップなどで壊れないように梱包して住所宛て宅急便などでお送りください。
②届きましたら、傷を確認して大きく異なる場合はご相談いたします。
数にもよりますが、到着後早いもので半月後くらい(冬場は1か月)に送料着払いのゆうパックにて発送いたします。
③ 到着しましたら修理品をご確認いただき、同封の郵便振替にて修理代金のお振込みをお願い致します。
4: 金継ぎ陶磁器取り扱い注意事項
★修理品のため完品と同じ扱いは出来ませんので、ご諒承願います。
蒔絵の技術で修理してありますので、漆器と同じように丁寧に扱っていただけると、修理部分が長持ちします。
以下のことに注意しながらご使用願います。
①:柔らかいスポンジ等で、クレンザーの入っていない洗剤で洗い、硬いスポンジやたわしでは洗わないでください。(金が擦り減って取れてしまいます)
②:電子レンジ、オーブン、食器洗い乾燥機、冷凍庫等の温度変化の激しいものには入れないでください。(陶磁器部分と修理部分は膨張率や収縮率が違うので、壊れる可能性があります)
③:長時間、水やお湯につけたままにしないでください。また、漂白剤には極力入れないでください。入れる場合は薄めの濃度で短時間にしてください。
④:業務用等の使用頻度の高いものとか、縁や底などの擦れやすい部分は、使用により他の部分より早く表面の金が擦り減ってしまいますが、ご諒承願います。
汚れず壊れない物など無いように、器も変化し育っていきます。物を大切にする心とともに、修理した傷を、その証として景色としてお楽しみいただければ幸いです。