住宅ローンの見直しの方法には「借り換え」や「繰上返済」があります。「いずれも『利息の負担を減らすための手段』というイメージがありますが、それだけでなく、『老後の安心のために活用すること』が重要です」。ここでいう老後の安心とは、年金生活に入っても家計が無理なく回ることを意味します。“人生100年時代”ともいわれる超長寿社会となった今、住宅ローンの見直しにはこうした長期的な視点が必要です。

現状の住宅ローンの金利が低金利で、諸費用のコストをかけてまで借り換えるメリットはない。または既に低金利なローンに借り換えをしたが、完済年齢が65歳を超えているので何か手を打ちたい。「そういう場合には、借入先の金融機関に『条件変更』ができないか相談してみるとよいでしょう」
条件変更とは今のローンを組んだまま、返済の条件を変更すること。費用がかからないので手元資金を減らさずに見直しができます。

繰上返済とは、毎月の返済とは別にローンの一部または全額を返済することをいいます。「繰上返済した資金は全て元金に充当されるので、その元金にかかるはずだった利息を支払わずに済む仕組みになっています」 繰上返済には残りの返済期間を短くする「期間短縮型」と、今後の毎月の返済額を少なくする「返済額軽減型」の2種類があります。