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歯について
下あごに前歯8本,口の奥に上下24本の合計32本。上あごには切歯がなく,(上あごの歯茎の部分が固くなった)歯床板があります。この歯床板は草を押さえてちぎるのに適しています。だから,かみつくことはありますが,犬みたいにかんでもあまり危険ではありません。ヤギの歯は年をとると生え変わります。乳歯の生え変わりから,おおよその年齢がわかります。年齢の見分け方は,前歯の下あごが乳歯だけなら1歳未満。中央の一対(2本)が永久歯だと1才(12-18カ月令)。2対(4本)が永久歯だと2歳(24-27カ月令)。3対(6本)が永久歯なら3才(36-42)。4対(8本)前歯は全部で4対)とも永久歯なら4才以上48カ月令~です。歯がすれていたり,永久歯は生え変わりません。年齢が高くなるとすき間ができて7~8才になると抜けてきます
山羊にとって最も有害な体内寄生虫として下痢をひき起こすコクシジウムと線虫類の捻転胃虫を挙げた。 捻転胃虫は第4胃に寄生するがメスは1日に5000~1万個の卵を産むため血液を0・05~0・25cc吸うが、 1000頭いれば1日に250cc失うことになる。 下顎の浮腫、 痩身、 貧血、 うつなどの症状が出る。
幼虫は牧草の朝露の中に潜んでおり、 山羊が草を食べて体内に入ると3週間で成虫となって産卵。 卵は糞に混ざって牧草にまかれ、 3~7日で孵化して再び草に潜む。 離乳後の子山羊や妊娠中の母山羊などが感染しやすい。
放牧地の対策として▽転牧▽草丈の短い放牧地は休ませる▽朝露が乾いてから放牧する▽草地の更新▽完熟たい肥を使う▽立ち枯れや掃除刈りを放置しない▽牛と混牧 (腰麻痺対策が必要) ▽濃厚感染した山羊は放牧しない▽駆虫した山羊をすぐ放牧しない│を挙げた。 駆虫し過ぎると薬剤への耐性を持つため 「一斉・徹底駆虫はしない。 病気になった山羊だけ選択的に駆虫する」
消石灰は濡れると効果を発揮するが乾燥状態では消毒効果がない
コクジウムはオルソ剤のみ消毒できる
バイコックスの休薬期間は60日、この間に決してダイメトンを投与しないでください。非常に相性が悪い薬同士です。(バイコックスは、3ヶ月までの子牛の薬です。)
どちらもコクシジウムの薬ですが、単独投与に限ります
若雌山羊を交配させる最良の時期は、月齢ではなく体重に注目すべきである。若雌山羊 がその品種の正常な性成熟時体重の3/4に到達するまで交配させるべきではない。体重は 良好な栄養と管理によって早く達成される
コクシジウムには、1回投与するだけで予防になるバイコックスという特効薬があります。
獣医さんにお願いして牛用100ミリリットル1万円でした。子山羊に4ミリリットルの白いどろっとした液体を、口の横からスポイトで投与しています。
線虫予防のアイボメックトピカルは、1カ月に一回投与していましたが、線虫がいなくなるとコクシジウムが異常に増加することがあるそうです。
大人の山羊は免疫力があるので大丈夫とは言いますが、体が弱っていると下痢します。子山羊には致命的なので、なるべく早く(1-2週齢)で投与するとよいそうです。
ゴム去勢は可能ですが、一割程度の尿路結石症のリスクがあります。ご納得の上、クエン酸などで尿路結石予防をお願いいたします。
反芻家畜における濃厚飼料多給時の反芻行動を調べるため,山羊4頭を供試し,飼料中の乾草を10%, 20%, 30%, 40%, 60%, 80%とした給与割合の異なる6種の飼料を給与し, 反芻時間,再咀しゃく時間,吐出回数, 反芻期回数などを測定し検討した結果は次の通りである。
1. 乾草割合が増加するにつれて反芻時間は162分(乾草10%給与)~590分(乾草80%給与)に増加した。同様に再咀しゃく時間は104分~472分,吐出回数は152回~608回に増加した。しかしそれらの増加割合はいづれも30%を境として異なる傾向が認められた。
2. 反芻期回数は乾草30%~80%給与ではほぼ一定であったが,乾草10%, 20%給与では減少した。
3. 乾草単位摂取量当りの再咀しゃく時間は乾草給与割合が低率になるにつれて増加の傾向があったが,特に10%給与では急増する傾向が認められた。
4. 各反芻行動に供試山羊の個体差が認められ,特に乾草10%給与では顕著であった。
5. 以上の結果から正常な反芻行動を起こさせるためには,粗飼料として30%以上必要なことが示唆された
ザーネン種を1頭放牧するのに広さはどれくらい必要でしょうか?
A1 1頭あたり10aが目安となります。山羊の採食量は、1日あたり乾物で体重の3%、生草では体重の15%程度です。体重60Kg の山羊の場合、1日あたり乾草で1.8kg、生草では9kg程度を採食するので、その量の草が確保できる面積が必要となります。
第一胃と第二胃で食物は唾液と混ぜ合わせられ、固形分と液体成分に分けられる。唾液には尿素など、共生微生物の成育を促進するものが含まれている。固形分は「食い戻し」と呼ばれる丸い塊になって口に戻り、再びよく咀嚼して繊維質を細かく砕きつつ、唾液と混ぜ合わせられる。細かく砕かれた繊維(セルロースやヘミセルロースなどを含む多糖類)および植物細胞質成分は、胃の中に共生する微生物(細菌と原生動物、それに菌類)によって分解・吸収される(この過程はシロアリが木を消化するのと同じである)。反芻胃内は嫌気性であるため、この代謝過程(発酵)で低級脂肪酸(酢酸やプロピオン酸、酪酸など)を主体とした低分子有機物が生産される。反芻動物はそれらを吸収し、好気呼吸の基質とすると共に脂肪などの再合成を行う。ただし、植物の構成成分としてセルロースと共に大量に含まれるリグニンはほとんど分解・利用されない(シロアリでは多くの種で体外共生菌を通して利用される)。また、生成された低分子有機物のうちメタン等の水に溶解しないものはゲップや放屁などで外部に放出されるため、これらも利用されない。
発酵が終了した食物残渣は共生微生物菌体と共に第三胃に送られ、水分を除去された後に第四胃に移る。第四胃で共生微生物体と食物残渣は消化され、その後小腸に送られ栄養が吸収される。このように反芻動物が実際に消化吸収しているのは、植物そのものではなく共生微生物およびその代謝産物である(哺乳類が消化吸収できる成分は反芻胃で共生微生物が事実上すべて利用してしまっている)ため、反芻動物は厳密には草食動物ではなく微生物食動物である、との見方もある。
反芻を行う動物を反芻動物(Ruminant)といい、ウシ・ヤギ・ヒツジ・キリン・バイソン・シカ・ヌー・アンテロープ(以上は反芻亜目)・ラクダ・ラマ(ラクダ亜目)が含まれる。これらはいずれも偶蹄目であるが、近年、霊長類のテングザルが反芻に極めて類似した行動を行うことが発見された。
同一野菜のやりすぎ注意 ヤギ死因は硝酸塩
昨年12月、佐賀市内の小学校で飼育していたヤギ3匹が死んでいた問題で、県の中部家畜保健衛生所は解剖の結果、餌の野菜くずに含まれていた硝酸塩の体内蓄積による中毒死と診断した。急性硝酸塩中毒は、ヤギや牛など胃を4つ持つ反すう動物に特徴的な症状という。
スーパーから譲ってもらった白菜に高濃度の硝酸塩が含まれており、これを一度に大量に与えたことが原因。
厚生労働省や農林水産省は「市販の野菜を食べて動物が硝酸塩中毒を起こした事例は聞いたことがない」と話す。家畜保健衛生所による病性鑑定で、ヤギの血中から正常値の百倍以上に当たる硝酸態窒素濃度がみられた。また、餌の白菜から飼料の安全基準ガイドラインを大幅に超える高濃度の硝酸塩を検出。加えて、外傷や病変がないことから、急性硝酸塩中毒と診断した。同校によると、夏場は校内に自生している草をヤギの餌にしていたが、草が枯れる冬場はスーパーからの野菜くずを譲り受けており、ヤギが死んだ数日前から、白菜ばかりを与えていたという。植物は栄養分の窒素を硝酸塩に変えて吸収し、成長するが、堆肥(たいひ)などの窒素肥料を与えすぎると植物内に硝酸塩がたまり、濃度が上がる。この硝酸塩が動物の体内に入ると、健康に害を及ぼす物質に変化する。このため家畜保健衛生所は「特定の野菜ばかりを与えると中毒になるリスクも高くなる」「餌を長時間切らせると次に与えるとき、食べ過ぎてよくない」などの注意点を同校に通達。現在は、残ったヤギ1匹にわらや草など数種類を混ぜた餌を与えている。
近年、野菜の硝酸塩について農水省には人間の健康に対する影響についても問い合わせが寄せられているという。食品添加物としてチーズや食肉製品から取り込む硝酸塩については、1日許容摂取量を定めているが、野菜については基準値を設定していない。そのため「今回の白菜が人間に与える影響については化学的データがなく、答える立場にない」といい、「とにかく初めてのケース」と戸惑いを隠せない。ただ、野菜の硝酸塩は「ゆでる」ことや「漬ける」ことで減少することから、農水省は「現時点で人体に問題があるとはいえない。野菜を食べる健康上のメリットを大切にすべきで、一定の種類に偏らずバランスよく取ってほしい」と強調する。
硝酸塩対策 農水省は硝酸塩を減らすための栽培技術開発や産地への研究支援を実施。海外では国連食糧農業機関(FAQ)と世界保健機関(WHO)の合同専門家会合が「野菜を摂取することの利点からみて、野菜中の硝酸塩量を限定することは適切ではない」と報告したが、一方で、EUは1997年から、レタスとホウレンソウについて含有量の基準値を定めた。(2008年03月14日更新)
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おそるべき、野菜の毒性。。。。。
さらに、中国では、今でも、亜硝酸塩の死亡事故が起きている。
食物繊維推進者は肉が発ガン物質のニトロソアミンを発生させるため良くないとよくいうが、そのニトロソアミンは肉だけではただのアミン類であって、野菜に含まれる硝酸塩、亜硝酸塩と反応することによってニトロソアミンが出来る。(亜)硝酸塩はベーコン、チーズ、たばこ、魚にも含まれるが、日本人の場合、その90%は野菜によって摂取される。そのため、最近では発ガン予防には肉よりも野菜を制限すべきだという学者も少なくない。特に、日本は世界で一番硝酸塩を摂取していると言われている。食品の安全性を示す指標の一つに、一日許容摂取量:ADI(acceptable daily intake)がある。これは人が一生涯にわたり毎日摂取しても健康上悪影響がないと推定される化学物質の最大摂取量のことであり、JECFA(国連食糧農業機関と世界保健機関の合同食品添加物専門家会議)によって定められ、各国に提供される(なお、日本の農林水産省の考え方はHPで公開されている)。それから計算すれば、硝酸塩、亜硝酸塩の問題から体重50キロの人が一日食べられる野菜の量はレタス150g、ホウレン草50g、白菜178g、サラダ菜35g、ゴボウ79g、キャベツ425g、ターサイ33g、チンゲンサイ59gである。合計なのでサラダ菜18g食べた後、ホウレン草を25g食べれば危険ということになる。なお、米国では離乳食にホウレン草を使用していた時期があり、それによって欧米全体で160人の乳幼児が死亡した。(亜)硝酸塩は血液中のヘモグロビンをメトヘモグロビンに変え、酸素運搬能力を低下させるために青くなって死んだ子供たちはブルーベビー(1956年)と呼ばれた。(ちなみに漫画ポパイは1930年からスタートし、ホウレン草が健康的であるという思考が定着していった時期に事件が頻発した。)その機序での毒性は1回に1gまたは1日に4gの摂取で中毒し、8~15gの摂取で死亡すると言われている。10㎏の子供であれば200gのホウレン草で致死量となる。(現在販売されている野菜ジュース1パックにはそれを上回るものもあるが規制はされていない。)
妊娠していたら妊娠3カ月過ぎると乳房が膨らみ目立つようになります。
妊娠期間は150日です。初産だと遅れる事があり、経産だと早い事もあります。
1歳で初産だと単胎で雄が生まれる事が多いですが、1歳半以降は2~4頭生れるので、母体の栄養管理に気をつけてください。
寄生虫抑制に効果があると言われる
メドハギ
●条虫症 栴檀(せんだん:庭木や街路樹として見かける落葉高木)の枝葉が条虫駆除に効くという最近の報告もあります。
.日本の在来種山羊
1) 起源
家畜山羊の主たる超源は、西アジアの山岳地帯に生息する野性のベゾアールヤギ(bezo-ar goat:Capra aegagrus)である。本種は雌雄ともに有角で、角は弓状で後方に曲がり、毛色は夏は黄褐色、冬は灰褐色をしている。その後家畜化されたベゾアールヤギは、東に向かって中央アジア、インド、モンゴルと中国の全域に、また西に向かってアラビア半島、アフリカ大陸、ヨーロッパ大陸へと遊牧民によって広められた。東に延びた集団には、アフガニスタン北部、ヒマラヤ山西部に生息する野性のマルコールヤギ(markhor goat:Capra falconeri)が交雑され、またアフリカへ延びた集団には同じく野性のアイベックスヤギ(Ibex goat:Capra ibex)が交雑されて、それぞれの地方の在来山羊の基礎を作り上げたとみられている。マルコールヤギは角がらせん状によじれ、毛色は褐色で、特に肩から首にかけての毛は長く伸びて波状に縮れている。ヨーロッパにおける山羊の起源は定か
でないが、ヨーロッパへ延びたベゾアールヤギが、大型の野性のヨーロッパ・ノヤギ(prisca goat:Capra prisca)と交雑されて、現在の乳用のヨーロッパヤギが作られたと推定される。
日本列島には野生山羊が生息した形跡はなく、わが国にいつ頃、どのような経路で家畜山羊が渡来したかは明らかではないが、わが国の家畜山羊は、約700~800年頃に中国、韓国並びに東南アジアから伝わったと推定されている。特にこれらの地域と早くから交易のあった沖縄県、長崎県、鹿児島県等の九州南西部に、肉用の小型山羊が導入され、しだいに繁殖、普及されて、現在の日本在来種(トカラ山羊、シバ山羊など)が作られたと推定されている。なお現在では、沖縄、奄美諸島の在来種山羊はザーネン種との交雑化が進み、純粋の在来種はほほ絶減したと思われる。
2) トカラ山羊
鹿児島県鹿児島郡十島村(トカラ列島)に古くから飼育されてきたもので、その地名をとってトカラ山羊と俗称されている。明治27(1894)年にトカラ列島を訪ねた笹森氏によって、宝島と小宝島ですでに山羊が飼育されていたことが確認されているが、それ以前トカラ列島において山羊の飼育がいつ頃から開始されたかは明らかではない。またどのような経路で山羊がトカラ列島に入ってきたのか、その由来も明らかではないが、約700、800年頃に交易のあった東南アジアから流球諸島を経由して渡来したものと推定される。体格は小型で、体重は雌20~25kg、雄25~35kgである。体質強健で粗放な管理によく耐え、腰麻痺に村する抵抗カも強い。繁殖旺盛で周年繁殖し、1年2産も可能である。毛色は黒、褐、茶の有色に白の斑紋が入るなど種々雑多で、有角、副乳頭を有し、肉質はない。泌乳期間90日で泌乳量25~100kgと少ない。本種は古くから肉用に供されてきたが、明治以降ザーネン種との交雑が進み、その純粋種は激減して、現在ではトカラ列島の一部の島に残存するにすぎない。
3) シバ山羊
長崎県西部海岸地域と五島列島に古来飼育されている日本在来種山羊はシバ山羊の名で呼ばれているが、このシバ山羊は沖縄、奄美諸島及びトカラ列島の日本在来種山羊とはおそらく来歴を異にするもので、朝鮮半島より由来したものと推定されている。本種はトカラ山羊と同様に、小型で有角、周年繁殖が可能であるが、毛色は自色である。成山羊の体重は15~28kg、体高は40~50cmである。近年、実験動物としての有用性が注目されている。
4) 在来系雑種
主として日本在来種と日本ザーネン種の交雑種で、体格は在来種より大きく、両種の中間タイプを示す。体重は雌で30kg前後である。被毛は白色が多く、有角、肉髯を有するものが多い。体質強健で腰麻痺にも強く、飼いやすい。現在、沖縄、奄美諸島及びトカラ列島で飼育されている肉用山羊は本種が大半を占めている。
世界の山羊
1) 世界の山羊飼養頭数
世界の山羊飼養頭数は年々増加しており、平成10(1998)年現在の総頭数は約7億頭で、その95%はアジア、アフリカ及び南アメリカに分布している。アジアでは、中国、インド、パキスタン、バングラディッシュ、イランの順に頭数が多い。
2) 山羊の主な品種
現在、山羊の品種は約216種とされており、用途別では乳用種、肉用種及び毛用種に分けられるが、地域によっては肉用種でありながら毛や皮などの副産物も利用され、肉・毛皮兼用種として位置付けられるものもある。
(1)乳用種
①ザーネン
スイス西部のザーネン谷原産で、ヨーロッパ、北アメリカなど世界各地で飼養されている。被毛は白色であり、無角が遺伝的に優性であるが、有角のものもみられる。肉髯をもつものや欠いているものがあり、乳量は年間500~1,000kgである。
②トッゲンプルグ
スイス東部のトッゲンブルグ谷原産で、ヨーロッパ、北アメリカなど世界各地で飼養されている。被毛は全体的に暗褐色であるが、鼻梁、耳の周囲、四肢及び尾端に自斑が見られる。角は有角または無角で、肉髯をもつものや欠いているものがあり、乳量は年間600~800kgである。
③アルパイン
スイス、フランスのアルプス地方原産で、ヨーロッパ、北アメリカなど世界各地で飼養されている。プリティッシュ・アルパイン及びフレンチ・アルパインが代表的であるが、近年、アメリカン・アルパインが作出されている。被毛は褐色、淡褐色、黒色、灰色あるいは白色を基調として刺毛や黒色の背線をもつものなど多様で、有角または無角である。
乳量は年間300~600kgとザーネンの約3分の2である。
④ヌビアン
アフリカ東部ヌビア地方原産で、アフリカ、ヨーロッパなどで飼養されている。アングロ・ヌピアンとスーダン・ヌビアンがあるが、ヌビアンとは前者の通称である。毛色は黒、褐あるいは黄褐を基調としてそれぞれの斑紋など多様である。無角で長い垂れ耳をもち、顔面が凸隆している。乳量は年間600~800kg、乳脂率は4~5%と高く、周年繁殖により泌乳期間の延長が可能である。国によっては乳・肉・皮兼用種として位置付けられている。
⑤ジャムナパリ
インド原産で、インド、東南アジアなどで飼養されている。毛色は黒、自、黄褐あるいはそれぞれのまだらなど多様である。有角で長い垂れ耳を持ち、ヌビアンと同様に顔面が凸隆している。乳量は年間250~400kgと少ないが、国によっては乳肉兼用種である。
⑥日本ザーネン
ヨーロッパから輸入したザーネンと日本在来種との交配により作出された。被毛は白色であり、無角で肉髯をもつのが一般的であるが、有角で肉髯をもたないものもみられる。
乳量は年間400~800kgとザーネンに比べ少ない。腰麻痺に罹りやすいのが欠点である。
(2)肉用種
①ボア
南アフリカ原産であり、南アフリカ、中央アメリカなどで飼養されている。有角がほとんどで、顔面は凸隆し、耳が垂れている。体重は90~130kgで、平均日増体量は0.15~0.17kgである。性成熟が早く、周年繁殖化することで2年3産が可能である上、双子率も高い。
②スパニッシュ
スペイン原産で、中央アメリカで飼養されている。被毛は黒色または褐色で、有角と無角がある。体重は35~50kgとやや小柄で、脂肪の少ない赤身肉を生産することから、国によっては乳肉兼用種として位置付けられている。
③カンビン・カチャン(マメ山羊)
西アジアから東南アジアへ伝播したベゾアール型肉用山羊の一つで、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、台湾などで飼養されている。大陸型(黒色)と島嶼型(褐色)があり、被毛に白斑や黒い背線をもつものもある。有角で肉髯はなく、体重は20~40kgと小柄である。腰麻痺に対する抵抗力をもち、周年繁殖が可能である。
④韓国在来種黒山羊
前出のカンビン・カチャンから派生したと考えられており、韓国国内各地で飼養されている。毛色はほとんど黒一色である(80%以上)が、暗褐色もある。有角で肉髯はなく、体重は15~20kgである。腰麻痺抵抗性を有する。
⑤日本在来種トカラ山羊
カンビン・カチャンを起源とし、鹿児島県トカラ列島原産で、鹿児島大学、鹿児島市平川動物公園、農林水産省家畜改良センター長野牧場などで飼養されているが、1955年以降、日本ザーネンの導入により雑種化が進み、トカラ列島に現存する純粋種は極めて少ない。体重は20~35kg、被毛は淡褐色、黒色を基調として自斑や黒い背線(鰻線)があり、有角で肉髯はない。乳汁を分泌する副乳頭をもっているため、三つ子が生まれても同時哺乳が出来る。周年繁殖が可能で、腰麻痺に対する抵抗力が強い。
⑥日本在来種シバ山羊
長崎県西海岸、五島列島原産で、農林水産省家畜改良センター長野牧場、農林水産省畜産試験場、東京大学などで飼養されている。来歴はトカラ山羊とほほ同じであるが、被毛は白色がほとんどであり、有角で肉髯はなく、副乳頭をもつものもある。体重は30~40kgとトカラ山羊よりもやや大きく、周年繁殖し、腰麻痺抵抗性を有する。
(3)毛用種
①アンゴラ
中央アジア原産で、トルコ、北アメリカ、南アフリカなどで飼養されている。被毛は白色で、捻れた角をもつ。産毛量はモヘアとして1頭当たり3kg程度であり、国によっては毛肉兼用種として利用されている。
②カシミア
中央アジア原産で、中国、トルコ、アフガニスタン、イラクなどで飼養されている。稔れた角をもち、毛色は白、褐、黒と多様である。長毛の下に生えるカシミア(またはパッシュミナ)は羊毛やモヘアよりも繊細で、保温性に富むが、産毛量は1頭当たり0.1~0.5kgと極めて少ないため、高級綿毛として珍重される。