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沖縄市高校生プロジェクト委員会

ヒージャーミートプロジェクト 
~ただ日々をぼんやり過ごしていたJKが本気になった

1.すべての始まり

 私は、美来工科高校に通うJKだ。私は今抜け殻だ。最近、自分にとっての小さなゴールへ到達して次は何をしたいのかを見失ってしまった。ただ日々をぼんやり過ごすだけだ。ああ、私はこれから何をしていこう、このまま1日がまたすぎていくのだろうか・・・?そろそろ帰りのバスが来る頃かと思いアスファルトから視線を上げ、道路に目を向けた。

「よう、抜け殻女子♪」

「・・・は!?」

聞き覚えのある声がした方を見ると、メガネにポロシャツとジーパン姿の中年のおっさんが私と同じ方向を見て立っていた。

「いやぁー、つまんないね☆」

「青春大天使ナカザト!?」

「JKは全員暇人なのかYO☆」

「え!?」

「青春だろ?もったいなくね?」

私に話しかけた見た目は中年のおっさんはこう見えて天使らしい。

 出会いは去年、生徒会に入りたてだった私は何かをしたくてきっかけを求めていた。そんな時、生徒会の先パイから「天使からおさそいがあったんだけど…♪」と輝くような笑顔で言われたのだ。この先パイが言っている事はよく理解できなかった。ただ先パイの笑顔は充実感にあふれていて、私は先パイに憧れを抱いたのだった。

 という事で私は愉快な仲間達を誘って、先輩からの誘い「グッジョブ」に参加する事になったのだ。後にその活動名が「沖縄市高校生プロジェクト委員会」と名前を変え、私がその会長になるともしらずに・・・

 しかし!私達は活動する前に重大な事に気づいた。なんと活動を行う拠点がない。するとあの中年ナカザト大先生が拠点を用意してくれたのだ!様々な大人の支援もあり結成式を経て本格的に活動を開始した!!

2.全国高校生ビジネスプラングランプリへの挑戦

 最初の活動として日本政策金融公庫主催の「全国高校生ビジネスプラングランプリ」に挑戦することにした。これは前会長である金城スズカ先輩が「全国に沖縄市の高校生はすごいんだと知らしめる!」という目標を掲げていたから、規模が大きいこのグランプリに挑戦したのだ。プランを考える前に2日間の集中講座や、沖縄振興開発金融公庫職員による出前講座を開催し、そこから3つのグループに分かれそれぞれプランを考案した。

 私たち沖縄メンバーは3プラン「ハイビスカス」「ビワ染キット」「本屋アプリ」、兵庫県播磨(はりま)農業高校との共同のプランの「播磨とコザの高校生が“創るマチ”Start-upProject」を完成させた。プランを立てるために企業訪問や現地調査などのヒアリングを行った。また、体育祭などの学校行事やテストなど学生の大切な取組もこなしながらのプラン作成だった。もちろんダメ出しもたくさんもらった。

私たちは、ただ淡々と学校生活を過ごしているだけでは出来ない経験をたくさん積むことが出来た。

結果、約2662通の中からびわ染めキットがベスト100に入り、播磨農業高校との食育アプリのプランがベスト10、ファイナリストに登りつめることができたのだ!

3.先輩の思いを受継ぐ

昨年、全国高校生ビジネスプラングランプリに挑戦した「ヒージャーミートプロジェクト」というベスト20に入ったプランがあり、その商品のヒージャータコライスを実現させようと頑張っていた。

 「ヒージャーミートプロジェクト」というのはヤギ(ヒージャー)肉で世界を救う!というプランである。ヤギ食は沖縄独特の文化で昔から汁ものや刺身として食べられてきた、くせの強いにおいと独特の皮の食感が多くのヤギファンを生み出している。

 そのファンの多いヤギを活かし、タコライスを作ろうとしたが、商品化への課題が多く、悔しいけど断念した・・・高江ひなた先輩をはじめ先輩方の思いをどうにか形にしたい!

私達は諦めずに新たな商品開発に挑戦している!!


4.新しい商品を開発する

 先輩たちの思いを形にと考え、「ヒージャータコライス」の商品化を目指していたが、残念ながらあきらめ、違う商品を開発することにした。

その商品の名は・・・「ヤギカレー」である!!!



 なぜヤギカレーなのかという事を私達は話し合った。ヤギは高たんぱく、低コレステロール、鉄分豊富、疲労回復、老化防止、などの利点が多いとても素晴らしい食材である事を再認識した。

 そこで、このヤギを広める事が出来る、タコライス以外のメジャーで好き嫌いの分かれない、ヤギの良さを引き出せるもの…それはカレーであると結論を出したのだ。

 そうして全国高校生ビジネスプラングランプリも落ち着いた今、私達は沖縄ハム総合食品(株)と(株)近代美術と共同開発をし、「ヤギカレー」を1月28日に開催される沖縄市産業祭りへの出展を目指して励んでいる。

沖縄市産業まつりに出展する理由は、沖縄市の高校生が開発したものであり、沖縄市の大きなイベントで沖縄市をはじめ、広くアピールし、「全国に沖縄市の高校生はすごいんだと知らしめる!」ことができると考えたからだ。

 沖縄ハム社では、試作品のカレーの試食を何度も行った。新規商品の試食を行うのは高校生活ではなかなかできないことなので私たちにとって非常に大きな学びになった。

近代美術社さんでは原案などを考えそれをデザイナーに商品パッケージにしてもらった。

5.自立した取組と後輩のため

 いつも中年ナカザトに言われていたのは、「自分たちでやりたいことは自分たちで作ろう!」「予算ないぞー」であった。

 だから私たちは東京に行く予算は、全国高校生ビジネスプラングランプリのファイナリスト受賞ということで、自分たちの力で東京に行くことを可能にした。そうだ、私たちは自分たちでできることは自分たちでやる、自立した取組を目指すんだ!

私達は新たな商品開発をし、全国にも沖縄の高校生はすごいんだと知らしめて、地域をもっと盛り上げたいのだ!!

そして、この「山羊カレー」という私たちの商品開発第一弾は、大きな夢を叶えるための取組なんです。いつか私たちは、自分たちで開発した商品を販売し、その収益で活動を展開したいと考えている。そうです、高校生の活動拠点は自立した取組で継続を可能にしたい。この取組が沖縄市だけではなく、沖縄県内に広まり、「沖縄県の高校生はすごい、と知らしめる」取組になることを私たちは夢見ている。