初めまして。
南ラオスで「命の養蚕」を始めたMarusugi-Laoの山本と申します。
母体は町の呉服屋で、10年以上タイで生の絹を作ってまいりましたが、ある時「絹本来の力」に気づき、人のためのシルク作りを始めました。
人のためのシルクは肌に使うので、「一度も薬の使っていない土地で繭を作りたい」と綺麗な土で養蚕できるところを探し始めました。そしてタイから陸路でラオスに渡ったのが2017年のことです。
そこで偶然の出会いが重なります。すでにお蚕さんの餌となる桑を栽培している農家がいて、農薬も肥料も使っていません。早速試験養蚕をしたのですが結果は思った以上に綺麗で良好でした。
いくつかの村を巡ったところ非常に真面目な村の人たちとも巡り会うことができ、「ここでなら本当に綺麗な繭ができる」と、南ラオスの「シノムノー村」というところで本格的に繭作りをスタートさせました。
そんな養蚕に従事しながら自然の中で暮らしていると、現地の人の「生きる力」と「自然の力」を実感することが多々あります。薬も肥料も使わないで育つ植物。そしてそれを食べ暮らす人々。
そんな彼らは、よっぽど今のほとんどの日本人より強くたくましい体をしています。想像していた貧困地域とは違い、みんなとても豊かに暮らしています。ただ危惧することもあります。それは、こんな田舎にまで大規模農業がやってきていることです。
土を返し薬を巻くこの農法では徐々に、そして時に素早く土が枯渇してしまうでしょう。そして数年のちには村の人も自然のものを食べることができなくなってしまうことが予想されます。
勿体無いと思った私たちは、日本にこの自然の力を届けることで、少しでも土がそのまま残る手助けができないか?と考えるようになったのです。