昭和22年の食品衛生法によって、
食品添加物に対する法的規制がはじまりました。
昭和22年以前はどうなっていたかというと、
「衛生上危害を生じるおそれのある成分」を禁止する
ネガティブリスト方式がとられていました。
それが昭和22年に制定された食品衛生法をきっかけに、
禁止する成分を指定するのではなく、
使用して良いものを定めるポジティブリスト制に変わりました。
ですがこの時点では、食品の製造過程において
添加されるすべての物質を、食品添加物として
考えられてはいませんでした。
当初、ポジティブリストで指定されていた食品添加物の数は62品目。
この数は、食品添加物の必要性とともに次第に増えていき、
現在では1000を超える品目が指定されています。
とりわけ昭和32年には、森永ヒ素ミルク中毒事件をきっかけに
食品衛生法とともに、指定される食品添加物の基準も改定されたため、
食品添加物の数が大幅に増えました。
その後、日本の経済発展が進むとともに
大量生産が求められ、食品の鮮度や品質の維持が求められるようになり、
更に食品添加物の必要性が求められ、
ポジティブリストに指定される食品添加物が増えていきます。
そして、食品添加物に関する消費者の注目も集まるようになり、
昭和63年には食品パッケージへの化学的合成品の添加物の
全面表示が義務化され、平成元年には天然添加物も全面表示が
義務化されました。
いまでは食品の全成分表示は当たり前ですが
以前は表示義務がなかったことに驚きですね。
「成型肉」という言葉をご存知ですか?
普通のお肉に見えるのに、実は「本物のお肉」とは言い難い加工されたお肉のことです。