すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
全世界の失業者数は、2007年の1億7,000万人から2012年には2億200万人近くにまで増大していますが、そのうち約7,500万人は若い女性と男性です。22億人が1日2米ドルという貧困ライン未満で暮らしていますが、安定的で賃金の良い仕事がない限り、貧困を根絶することはできません。2016年から2030年にかけ、全世界で新たに労働市場に参入する4億7,000万人に雇用を提供する必要があります。加工や製造に携わる中小企業は、全世界の企業の90%以上を占め、雇用の50~60%をつくり出しています。
1990年の時点で、南アジアでは、小学校に通う女児の数が男子100人に対し74人にすぎませんでした。2012年までに、男女の就学率は拮抗しています。サハラ以南アフリカ、オセアニア、西アジアでは依然として、小学校と中学校に入学しようとする女児が障害に直面しています。北アフリカでは、非農業部門の有給雇用に占める女性の割合が、5人に1人に達していません。46カ国では現在、女性がいずれかの議院で議員数全体の30%超を占めています。
開発途上地域では、約26億人が安定的な電力供給を受けていません。全世界で25億人が基本的な衛生施設を利用できていないほか、水資源にアクセスできない人々もほぼ8億人近くに上っていますが、そのうち数億人がサハラ以南アフリカと南アジアに暮らしています。開発途上国の国内で加工される農産物は、わずか30%にすぎません。高所得国では98%が加工されます。このことは、開発途上国に大きなアグリビジネスの機会があることを示しています。
世界人口の半数に当たる35億人が現在、都市に暮らしています。現在、スラムには8億2,800万人が暮らしていますが、その数は増加の一途をたどっています。面積にして地球の陸地部分のわずか2%にすぎない都市は、エネルギー消費の60~80%、炭素排出量の75%を占めています。急速な都市化は、真水供給や下水、生活環境、公衆衛生に圧力を加えています。しかし、都市の稠(ちゅう)密(みつ)性(せい)は、効率性を高め、技術革新をもたらしながら、資源とエネルギーの消費を低減する可能性もあります。
全世界で極度の貧困の中で暮らす人々の数は、1990年の19億人から半分以下に減少しました。しかし、今でも8億3,600万人が極度の貧困に苦しんでいます。開発途上地域では、およそ5人に1人が一日1ドル25セント未満で生活しています。南アジアとサハラ以南アフリカには、極度の貧困の中で暮らす人々の圧倒的多数が集中しています。脆弱で紛争の影響を受ける小さな国々では、貧困率がしばしば高くなっています。全世界で5歳未満の子どもの4人に1人が、年齢に見合う身長に達していません。