学生時代には受けるなんて頭にもなかった京大。
少し大人になって実は行きたかった憧れてたんだと気付きました。
私には頑張りきらなかったストーリーがあるんです。

小学生の頃、すごくお勉強のできる子でした。
「今まで受けもった子の中で一番できる子です」母の前で先生がこう言ってくれました。
いや、嬉しかったなあ。
ところが「この子の姉の方ができました」と母。
母はとっさに謙遜しなきゃ！と思ったんですかね？ この言葉のおかげで40年患いました。
父がよく言ってたのは「張りつめた糸は切れやすい」 一生懸命頑張りすぎてプツンと切れてしまうことを心配しての言葉です。
だけどもこれは私にではなく姉を心配してかけてる言葉なんです。
とかく頑張り過ぎる姉を諭す父の言葉を横で聞いて幼い私は育ちます。
私は何がなんでも一番良いものを取りに行こう！とはしない子になりました。
よくできる、けれど別に一番じゃなくても良いや。と。
できるんだから順番なんて別に関係ないよね。と。

高校を選ぶときは地域一番の進学校に行けると言われていたのに、そこを選びませんでした。
なにかともっともらしい理由をつけて選ばなかったんです。
次は高校三年生、受験のときです。
一次試験が終わって友達に「え、がんばれば京大行けるんちゃう？」そう言われても華麗にスルー。
「いや、別に行きたいと思ってないし」 いつも余裕のある状態で 「本気出せばできるねん」と言ってたわけです。
それって「本気出してやったけどダメだった」を怖がってるんです。
カッコ悪いことは自覚してますから、そのうち「学生時代には京大受けるなんて頭にもなかった」なんて言い換えだします。
ウソばっかり！ ほんとは行きたかったくせに。
カッコつけのウソつきです。

ずいぶん大人になって一人の女性と出会います。
京大に行った女性です。
お家の人に「地元の大学に行けばいいじゃない」と京大進学は反対され、予備校や塾には行かず、それでも自分で勉強して京大生になった人です。
「ごくごく普通に当たり前のことですよ」という顔で「勉強して京大に行きました」とニコニコしてるんです。
あー、私は何でこんな風にできなかったんだろう。
そう思いました。
ちなみに、私は京大に行くのを反対なんてされてません。
京大行くなんて一言も口にも出してませんでしたからね。
ごくごく当たり前に行きたいところに行ったこの人を見て「すごいな」羨ましいな。
こう思ったんです。


いや、正直に言います。
悔しいと思いました。
羨ましいより悔しかったんです。
私もチャレンジすればよかった。。
なんでやらなかったのか。


このときすでに46歳。
いや、まあ「今さら」ね。
まさか今から京大って。
この期に及んでまだ言うてました。
もう遅いと思ってました。 もう遅いを言い訳にしてました。
だけどもね、京大のことだけじゃありません。
一番じゃなくてもいい。
本気出せばできるねん。
いろんなこと諦めてるからこの発想です。
もっともらしい理由をつけてやらないこと、諦めることを正当化してること、もう直視しないわけにいかなくなりました。

諦めるのやめよう。
そう思ったら、そう思って周りの人を見渡せば、私の周りには勉強好きな人がとても多いんですよ。


ふつふつと京大に行きたいと改めて思いました。
いろいろ押し込めていたんだと50歳になって気付きました。
今更大学に行ってもと蓋をしていたけど「あれ？今からでもチャレンジすればいいんじゃない？」と。


やらない理由を考えてみたけど、出てこない。
「受かるわけがない」という気持ちから「やってみないと分からない」という気持ちになりました。


「今から大学行って何になるの？」という疑問は「勉強するのは楽しいよ！」という答えを出しました。
「落ちたらかっこ悪い」と思って言い出せなかった目標は「そう思ってチャレンジしないことの方がカッコ悪い」と思えるようになったのです。


人間に興味があり、人のかかわり方に興味があり「人について学びたい」その思いが強くなりました。
ですので人間のことが一番学べるであろう京都大学総合人間学部に来年入って学びたいです。