西川絵里香弁護士インタビュー
「離婚したいと言ったら親権や慰謝料を請求された!」

神奈川を拠点に活動される西川絵里香弁護士に「離婚したいと言ったら親権や慰謝料を請求された」と言われた場合についての対処方法を伺いました。

夫に離婚したいと言ったら、「慰謝料を払え!」「親権を渡せ!」と言われた場合の対処方法

西川絵里香弁護士
勇気を出して夫に「離婚して」と言ったら、「離婚するなら慰謝料を払え」「子どもは絶対に渡さない」と言われてしまうケースがあります。

そのようなとき、必ずしも慰謝料を払う必要はありませんし離婚や親権を諦める必要はありません。

以下で夫から慰謝料や親権を求められたときの離婚の進め方をご説明します。


慰謝料について

西川絵里香弁護士
離婚の際に慰謝料を払わないといけないのは、どちらかに「有責性」がある場合です。

有責性とは、離婚に至らせたことについての責任です。

つまり「どちらか一方が悪い」場合に慰謝料が発生します。

典型的には以下のようなケースです。

  • 夫婦のどちらかが不倫した
  • DVやモラハラがあった
  • 生活費を払ってもらえなかった
  • 相手が家出してしまった
  • DVやモラハラがあった

反対に以下のような場合には、慰謝料は発生しません。

  • 性格の不一致
  • 宗教観の不一致
  • 借金
  • 飲酒
  • 相手が離婚したくないけれど離婚に応じてもらう
  • 宗教観の不一致

あなたの方から「離婚してほしい」と言って相手が「慰謝料を払え」と言っても、あなたが悪くない以上は慰謝料を支払う必要がありません。

親権について

--妻が「離婚したい」と言ったら夫は「離婚には応じても良いが、子どもは絶対に渡さない」と言い返すことも多いです。
このような場合、離婚するために子どもを諦めるしかないのでしょうか?


西川絵里香弁護士
そのようなことはありません。
親権については争いがあれば家庭裁判所で決めてもらうことができます。

また実際にも、父親よりも母親に親権が認められる事例の方が多いです。

親権は以下のような判断基準で決められるからです。

  • これまでの育児実績
  • 現在の子どもとの関係
  • 離婚後、子どもと接触できる時間を多く作れる
  • 子どもの年齢(乳幼児の場合にはほぼ母親となる)
  • 離婚後、相手との面会交流に積極的
  • 経済力
  • 住環境
  • 健康状態
  • 現状優先(現在子どもと一緒に住んで子どもが健全に生育していたら現状が優先されます)
  • 現在の子どもとの関係
一般的に母親の育児実績の方が父親より高いことが多く、離婚後も子どもと過ごす時間を作りやすいものです。

子どもの年齢が低いと母親が優先されます。
一方経済力については、考慮されますが重視されていません。

そこで、離婚時に母親が子どもと一緒に生活していて子どもが普通に元気に暮らしていたら、多くのケースで母親に親権が認められています。

相手が「お前に任せると子どもが大学に行けない」などと言ってきてもおそれる必要はありません。

大学費用は相手に支払わせることも可能です。


慰謝料や親権で折り合いがつかない場合の離婚の進め方

西川絵里香弁護士
まずは夫とよく話し合い、上記の内容を伝えてみましょう。
夫も冷静になればあきらめて離婚に応じ、調停なしに離婚できるケースも多いです。

夫が慰謝料や親権にこだわってどうしても離婚が進まない場合には、子どもを連れていったん家を出て別居しましょう。
そして生活費(婚姻費用)と離婚の調停を起こします。

家庭裁判所で調停委員を交えて、お互いに冷静に話し合えば、多くのケースで離婚が成立します。
もちろん慰謝料は払わなくて良いですし親権も取得できます。

調停でも解決できない場合には訴訟が必要となりますが、訴訟になるケースは全体の1%程度で少数です。

もしも夫に追い詰められて自分一人の力ではどうしようもなさそうであれば、抱え込まずに弁護士に相談してみましょう。