■精子提供とは?
妊娠を希望しているけれど不妊で難しいカップルの場合、原因が男性側の精子にあるケースは少なくありません。また、結婚はしたくないけれど子供は欲しいという女性もたくさんいますし、女性同士のカップルだと子供が欲しくても精子がなければ妊娠することは不可能です。そうした精子のニーズに合わせて利用できるのが、精子提供というサービスです。
精子提供のサービスを利用することで、これまでは妊娠をあきらめていた女性でも、赤ちゃんを授かることが可能となります。精子バンクによっては、提供された精子を冷凍保管し、ニーズに応じて女性へ提供するという方法もあれば、精子提供者がバンクへ登録し、ニーズに合わせて女性へ提供するという方法もあります。精子バンクの中には精子提供者の血液型や年齢を始め、身長や体重、体型などを選べるサービスもあり、より希望に近い精子を利用しての妊娠もできます。
■精子バンクの種類
日本国内における精子バンクには2種類あり、日本産婦人科学会へ登録されている医療機関が運営する公的バンクと、民間組織や個人が運営するバンクとに分類できます。
公的バンクは、夫婦でなければ利用できない条件があるとともに、精子提供者の血液型しか指定できないというルールがあります。自身で精子提供者を選べないため、子供を何人か授かりたい場合でも、同じ男性から精子の提供を受けることも難しいでしょう。
こうした公的バンクがカバーしていない部分を網羅しているのが、民間の精子バンクです。夫婦ではなく、子供が欲しい独身女性や女性同士のカップルでも利用することが可能です。どんなサービスを提供するかはバンクによって異なりますが、精子を提供してくれる候補者と事前に面談ができるサービスもあります。これは、面談することによって自分の希望により近い精子を選べるというメリットがあり、人気です。また民間の精子バンクなら、同じ提供者から複数回の精子提供を受け、複数人の子供を持つことも可能です。
■ネットで精子提供を受けることも可能?
近年では、精子提供サイトが増えていて、ネットで精子の提供を受けることも可能となっています。この場合には、サイトの運営者が精子提供者となるケースが多いため、利用の際にはあらかじめ理解しておいた方が良いでしょう。
公的な精子バンクと民間機関とでは、それぞれメリットとデメリットが異なりますし、運営状態も異なります。そのため、どの精子バンクを利用するかを決める際には、慎重かつ冷静になり、複数のサービスを比較検討した上で決めることを、おすすめします。