2019年12月 第1回がん哲学外来「大分ふぐカフェ」の感想文
①私はがん患者本人で、周りに心配をかけまいとして我慢してきたけど、家族の人の話を聞いて残される人の思いも知りました。頑張って生きていくしかないと思っていましたが、少し肩の荷が抜けた気がしました。素敵な時間を有り難うございました。(花田智子さん)
②今回、がん哲学外来「大分ふぐカフェ」に友人と2人で参加しました。友人から、ある日突然連絡があり、
私に病ののことを打ち明けてくれました。私に何ができるんだろう? そんな時にこの「大分ふぐカフェ」の事を知りました。思い切って友だちを誘い福岡から参加しました。私は友人がどんな風に感じるか初めは心配でした。
しかし、すぐに安心感に変わりました。友人が笑ったり、真剣に考えて自分の気持ちを伝えている姿を見たからです。私自身も何を話しても温かく受け止めて下さる先生、スタッフ、参加者の方々のおかげで、素直な気持ちを話す事ができました。帰りの電車の中で友人は「行って良かった」と満面の笑みでした。そして、またいろんな事を話してくれました。「みんなが、健常者、障害者じゃなく一人の人間として私のことを見てくれた。それが嬉しかった」「私ね、大丈夫よって、ずっとずっと言ってきたけど、本当は全然大丈夫じゃなかった。大丈夫じゃなかったんよ」「次は一人で来られる。またあの人達に会いたいもん!」 人との出会いってすごいと思いました。
いろいろな方の思い、考え方を聞くことで自分の本当の気持ちに向き合う勇気や希望がわいてくるんですね。
隣でぐっすり寝ている友人の寝顔を見ながら、私はとても満たされた気持ちでいっぱいにになっていました。
「大分ふぐカフェ」へのプチ旅は自分発見の旅になりました。友人とふぐカフェの皆様に感謝です。
(桐島照美さん)
2020年1月
今回友人よりカフェがあると知り視野を広げたいと思っていたこともあり参加させていただきました。
母親が37歳の時にメラノーマで亡くなり私はその時姉と弟の三人兄弟で小学2年生でした。
母親が亡くなるということは道しるべを失うことだったんだなと今回振り返ることができました。そのためか何故かずっと自分は何者なのかを知りたいと思って生きてきました。今は特養ホームの看護師として看取りを含めた寄り添ったケアに生きがいを感じています。参加するにあたり改めて自分の生きてきたことを回想しながら紙に書き起こしていく作業ができたこと、今回そのことを皆さんに聞いていただいたこと本当に感謝しています。私の人生の宿題を提出させていただきありがとうございました。(中山 美佳さん)
2020年4月
先日は話を聴いて頂いて有り難うございました。がん宣告を受けた時、自分自身は冷静に受け止めているつもりでしたがショックでした。「何か悪いことした?」「なぜ私なのか?」「間違いでありますように!」の思いでいっぱいでした。不安定な日々を過ごして”うつ”になるのが怖いと考え、阿部さんに相談して「がん哲学外来」の存在を知りました。
お会いして話を聴いて頂いて先生の「今を考える」の言葉で少し前を向けました。がん宣告を受けてから過去を振り返り未来の事を考えると、思いはマイナスの考え方しか出来ませんでした。先生の「今を考える」の言葉で現実を受け入れる事により自分自身を見つめることが出来ました。「いま」を生きる、「いま」を考えることの大切さを知ることが出来ました。少し頭を上げることが出来ました。これからは一歩足が(気持ちが)前に出るようになるといいなあ、と思っています。貴重な時間を作って話を聴いて頂き有り難うございました。(野田 敏美さん)
2020年10月
私が林先生に是非お会いして、お話を聴いてみたいと思ったのは、Facebookで、パッチアダムスと同じ赤い鼻をつけておられるのを見つけたからでした。がんと聞いて暗い心で生活している中で、先生のようなユーモアをお持ちのお医者さんのお話を聴いてみたいと思ったからです。会場はやさしい、ホワッとした雰囲気で、先生は穏やかな話し方で、一人一人にやさしい眼差しを向けて下さり、心療内科のお医者さんのように感じました。看護師さん達の笑顔も素敵でしたし、患者さんの話からもいろいろ学びました。久しぶりに良い会に参加させて頂きました。これからも参加させて頂き心を上向きにしていきたいと思います。
それから、お名前を伺わなかったのですが、会が終わって、おばさまの例を挙げて食道がんの事、励まして下さった方、大きな力を 頂きました。ありがとうございました。(簑原 康子さん)
2020年11月
お一人お一人の話を聴きながら、共感し心の中で拍手をしたり心の声でエールを送ったりしました。すてきな出逢いのひと時でした。合間にお茶を頂きながら、晩秋の窓辺に目を移したら、小さな鳥がチョン・チョン動いていてなかのようすをうかがっているような…… 可愛くて思わず微笑みました。カフェの後半、林先生から紹介された方の凜とした生きる姿勢、ユーモア、感謝の思いなどに深い深い感動を覚えました。本当にありがとうございました。
(樋口典子さん)
2020年12月
第7回がん哲学外来「大分ふぐカフェ」に参加させて頂きありがとうございました。 林先生との出会いは、私の友人てるちゃから「こんな素敵な活動をされている先生がいるよ」と聞いて私も会いたくなり、11月に林先生主催の「もしバナゲームサロン」に参加させて頂いたのが最初です。身近にこんな素敵な考えをもたれている先生がいらっしゃるんだと、とても嬉しく思った事を覚えています。その後、私がずっと観たかった映画「いきたひ」の上映会で林先生と長谷川監督の対談も拝見させて頂き益々ファンになりました。そんな尊敬する先生が毎月主催されているがん哲学外来「大分ふぐカフェ」があると聞いて迷わず参加させて頂いたのですが、参加されている皆さんが素敵な方々で、生きる力を頂いて帰りました。私も経験してきた事を皆さんの前で話させて頂きましたが、私の経験が少しでも誰かのお役に立てるといいなあ~と思います。話したくなかったら話さなくても良かったり、話したい人は安心して話が出来る雰囲気にとても心が癒やされたので、また参加させて頂きたいと思います。(田崎貴代子さん)
2021年1月
コロナ禍であるが、人と会いたくて人と話がしたくて、マスクや消毒液やいろいろな防御をしながらビクビクふぐカフェに出かけてみました。しかし、ビクビクした自分を忘れるように時間を過ごすことができました。林先生をはじめ、闘病中の方や姉妹が闘病中の方、看取りをされたご家族の方、闘病中の方としっかり向かい合っている看護師の方、苦しんでいる友人を見守る方など。いろいろな立場の方が参加されており、それぞれの現状や思いを聞かせていただきました。声のトーンやマスクの奥の表情や伝わってくる雰囲気を感じながら皆さまと同じ時間を過ごすことができました。お一人お一人の話は個々のもののように感じますが、何かしら共通点があったり自分のことのように捉えることで、モヤモヤしている自分を振り返ることができたり問題解決の糸口や方向性が見えできた気がします。具体性のない表現ではありますが、立ち止まっている私の足が、再度前に少し振り上げることができそうな気がします。参加させていただきありがとうございます。皆さんとの出会いに感謝いたします。(入船幸恵さん)
2021年2月
今回、サバイバー仲間と初めての参加でした。コロナ禍で“がんサロン”の開催も難しくなっている中、コロナ対策もバッチリで皆様との素敵な時間を過ごさせて頂きました。 サバイバーになって、人との出逢いが私を元気にしてくれていますが、今日も皆様から、沢山のエネルギーをもらい、心地よい一時でした。「幾つになっても“挑戦”」と話されていた方の力強い言葉と笑顔が心に残っています。今日、出逢った皆様に心からありがとうございました。(山本さん)
2021年3月
友人からのお誘いで初めての参加でした。「大分ふぐカフェ参加について」 の中に上手に話す必要ありません、しどろもどろでも…聞くだけの参加でも構いません。を読んで緊張が解れたのか自己紹介の時にもう余分な話しをしてしまってご迷惑お掛けしました。あたたかい林先生のお言葉と導入そして会場の雰囲気にのまれたのだと思います。今日は16年前に亡くなった主人の病気の事で医者にも友人にも言えなかった心のモヤモヤをはき出させて頂いたお陰で身も心も軽くなった感じで帰路に着いた処です。本当に有難うございました。いつか又参加できる日を願いつつ…。 (梶取さん)
2021年4月
二回目の参加でした。今回は、どちらかというと、がんのある方や家族を、サポートする支援者側の参加が多かったようです。皆さん日々、がん治療や緩和ケアのなかで援助者として、人としての自分自身を投入し、おそらく医学や科学を超えたところで人の人生に向き合い、揺さぶられ、いろんな想いを抱いているのかなというご様子でした。支援者自身が受け止めて貰えるという場所もひょっとしたら少ないのかもしれません。私自身も、軽い頭痛がマインドフルネスで取り除かれ、手作りおやつの黒糖饅頭がツヤツヤでとてもおいしく、温かいお茶、そして優しい他者に受け止められたことに、とても感謝です。また共にありたいです。(小野久美子さん)
2021年5月
大分県ではコロナ陽性者の数が高止まりしています。病床使用率と人口10万人あたりの新規感染者数はステージ4の段階で、総合的に判断してステージ3となりました。いつ「まん防」が発令されてもおかしく有りません。
この状況下で皆さんには、参加にあたり慎重な判断をお願いしたところですが、連絡が取れなかった方、予約されていない方の突然の参加を考え、304号室で待機しました。案の定、二人の参加があり、十分ソーシャルディスタンスを取った上で、有意義な雑談となった事を報告します。(林良彦)
2021年6月
①今日は、共にがんになったご夫婦がふぐカフェに初めて来られました。 奥様は自分の思いを、水道から水が勢いよく出るように語ってくれました。 私は、医療現場という限られた時間と空間の中ではこんなに話してはくれないだろう。こんな風に誰かに聞いてもらえる場所があることはとても大切で、みんなと共有している空間もまた大切なんだろうと感じました。対面で話をしたり聞いたりすることの大切さもまた感じました。
がん哲学外来とは、生きることの根本的な意味を考えようとする患者とがんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする人との対話の場であるとありますが、私は、今日の皆さんの話から自分のそばにわかってくれる誰かがいるということはとても大切で、存在していることは知覚されることで、知覚されないと存在しないということにつながるような気がしました。生きることの根本的な意味を考えて皆さんと成長していきたいと思います。
(阿部純子さん)
②この度は、先生からのお誘いをを受けて、がん哲学外来「大分ふぐカフェ」に参加させて頂きました。私は人生の半分を病気と共にしています。今回は参加された皆様の病気に関するさまざまな話を聞くことができ、また私自身の話も聞いて頂く事ができて、本当に良い機会となりました。そして私も、これからの人生をもっと強い気持ちを持って病気と向き合っていこうと思いました。病気に負けることなく、1日1日を大切にしながら、妻と共に笑顔で過ごしていきたいと思います。今回参加された皆様と、またどこかで再開できる日を楽しみにしています。素敵な機会を本当にありがとうございました。(田渕 宗継さん、真知子さんご夫妻)
2021年7月
出会いと巡り会い、今日の大分ふぐカフェでは中野正三さんという患者さんの話でしたが、そこには林先生が中野さんと出会い、医者と患者という巡り会いがあり、最後を林先生に診てもらえたから、がんになったが幸せだったと思えたんだと思います。また、今日初めて来られた方が林先生のお父様の時にお世話になったエピソードもありましたが、その方が今日の大分ふぐカフェに参加しなかったら聞けなかったエピソードである為、出会いと巡り会いによっては自分の人生の分岐点(ターニングポイント)になり得るのではないかなと思いました。 また、僕も今日来られていた樋口さんからどこから来ているかを聞かれました。うきはから来ている事を伝えたら樋口さんは日田の前津江村の柚木に住んでいた事を知りました。これも、僕と樋口さんがふぐカフェで出会い、話をする機会があったからこその巡り会いだったのかなと思います。そう考えるとカフェに来ている方たちといろいろな話をしたら意外とどこかには共通する事や繋がりがあるような気がしました。また、出会いと巡り会い、それを偶然と思うのか必然と思うかによっても出会った方との今後が変わってくるのかなと思いました。僕は林先生と出会ったのは必然であり、必然で出会えた事が僕の人生のターニングポイントになってます。 これが僕の今回のふぐカフェの感想です。
(石井克幸さん)
2021年8月
支援に行った北海道での25日間の活動から昨日8月26日、無事に大分に帰県しました。
現地では1週間に2回の抗原検査 濃厚接触者が出ればその都度職員全員にPCR検査を行いながらの活動でした。
最初は片道1時間かけての往診に戸惑い、右を見ても左を見てもひたすら真っ直ぐな道路に方向感覚を失いました。
この間、2例の在宅看取り、1例の施設での看取りが有りました。コロナにもかかわらず、家族がそろった中での旅立ちで確実にいのちのバトンが遺された家族に受け渡されていると感じました。家族の絆や患者さんの底力は全国共通ですね!!(林良彦)
2021年9月
①今回、たまたま集まったとは思えないくらい縁を感じるような参加者の方から、貴重なお話を聞けて、本当に良かったです。中でも、私が気づいて良かったことは3つで、1つ目は、妹と私の気持ちが整理できたこと。2つ目つは、父の病気と引き換えに、父の歩んできた人生を教えてもらっていたこと。今年の初めに、父の病気が発覚してから、父と親しい方から、お見舞いの言葉と共に、父との思い出や性格を教えてもらっていました。また、父の学生時代からのアルバムを作り、父自身からも思い出話を聞くことができました。初めて聞いた話も多く、とても新鮮でした。そして、父は周りの仲間に大変恵まれていたなぁ。と、しみじみ感じました。 3つ目は、林先生をはじめ、医療従事者の方にゆっくりお話を聞いてもらえたことです。普段、忙しそうなので、遠慮して聞けないこ とを聞いてもらえて、とても安心感を覚えました。これから先、不安も多いですが、家族で手を取り合って、乗り越えていきたいと思います。ぜひ、また参加させていただきたいです。本当にありがとうございました。(後藤由紀子さん(姉))
②今回、父の友人の紹介で、初めて参加させてもらいました。父の病気の事で今後の治療やお世話をどうするかという心配事があったからです。参加するまで、先生が一通りお話をされて、何か質問が有ればお答頂くのかなと考えていました。しかし、参加者ご自身の自己紹介をし、今、ご自身の病気の事や、家族の病気の事を報告し合い、話を聞く形でした。
今まで、主治医や看護師さん、親族、友人からアドバイスを受けたり、心配事を共有する事は有りました。でも、同じ様な境遇に合われた方のアドバイスを受ける事 は経験した事が無かったので、とても貴重な体験をさせて頂きました。参加する前はどうしたら良いのか不安で、涙をこらえながら発言させて頂きましたが、他の方のお話を聞き、全部終わった後には心がスッキリしました。
皆さんの意見を聞いて、それぞれの抱える心配事や家族を大切に思う気持ちは同じなんだなと感じました。
先生が仰っていた「いかに穏やかに過ごすか」は、普段から目標にしたいです。また、家族を看病する時も常に頭の中に入れて置き たいと思いました。答えは無いとは思いますが、参加者に恵まれて、これからの考えがまとまりました。素敵な会に参加出来て光栄です。先生を初め、皆さんどうもありがとうございました。
(大塚真澄さん(妹))
2021年10月
机の上に1枚「大分ふぐカフェ」の紹介文書が置かれていた。お話しても、しなくても良いとある、途中退出も自由、がん哲学外来?? 何故、今私はここにいるの? そして、「神よ! 変えられないものを受け入れる心の静けさと、変えられるものを変えられる勇気と、その両方を見分ける英知をお与え下さい」ラインホルト・ニーバー
(牧師)と記載されていた。 何気に参加しただけなのに、読みながら えっ!私のために用意された時間なの? そんな想いが心を乱していましたが、参加者の暖かい眼差しが私の終わらない心配事を話す背中を押していただいたように思いました。辛い思いを、今まで話さなかった訳では有りません。今までこんなに優しく人に寄り添う方々にお話しする事はありませんでした。 必死に今を生きる、を目標に好きな事に没頭している時間その積み重ねが今の私、何事も楽しんで来たように思います。
ただ、心暖まる時間を味わい「大分ふぐカフェ」に集う方々の優しさに包まれ、不安な気持ちが、流れに抗う事の無いような、随分遠くにあった記憶を手繰り寄せた心地よさのような、少し不思議なほっとした気分の自分がいました。優しい時間を有難うございました。この機会を頂けた事ほんとうに感謝いたします。(AEさん)
2021年11月
私はステージ4のがん患者です。様々の治療を受けながら、5年目を迎えようとしています。医学が進歩し「癌=死」と考えるのはナンセンスな時代になりましたが、辛い療養中には「治療に苦しめられて死ぬのは嫌だ。死ぬことさえ難しい。」と鬱々することもあります。ある朝、林良彦先生(大分合同新聞10月29日)の記事を拝読し、「死を身近な問題と捉えて自分の生き方を見直して」という言葉に、これからも私らしく生きるために強い心構えもちたいと、がん哲学外来「大分ふぐカフェ」の扉を叩きました。
当日は、たくさん話し(放し・離し)、たくさん聞き、おかげ様で、生きる命すべてに課せられた死への恐れではなく、今の私の生活をもっともっと楽しみたいという気持ちが強まりました。私は、自分自身の大切な人生の一日いちにちは、病院や施設ではなく、大好きな自宅で草むしりもしていないジャングルのような庭を見ながら自分らしく生き続けるつもりです。「神よ!変えられないものを受け入れる心の静けさと、変えられるものを変えられる勇気と、その両方を見分ける英知をお与え下さい」カフェでいただいた牧師(ラインホルト・ニーバー)の言葉は、癌を生きる人々が納得するものだと思います。ありがとうございました。(MAさん、70歳代女性)
2021年12月
令和3年11月10日 母往生
10月19日、デイサービスから戻った母は「きついから横になる」と言って横たわった。それから1ヵ月もたずに…… 亡くなって悔やまれる事ばかりだが、意見の合わない姉妹には言えない日々。そんな時、がん哲学外来「大分ふぐカフェ」に参加してみた。 参加者の発言を聴いているだけで心が洗われ、涙がポロポロと。
だんだん頭がスッキリしていく。母のしたい事、したくない事を尊重して良かったんだと思い直した。
カフェからの帰り道、母を通して知り合った方々の顔が浮かんできました。私の知らない母の側面を教えてくれたり、私の事を心配して「大丈夫かえ? 何かあったら電話ちょうだい!」と声かけしてくれました。
参加する前のモヤモヤをいつまで引きずるのかという不安の思いは、「自分を大事にしていこう。落ち込んでいては母は喜ばないぞ」と切り替えできそうです。
本日のカフェに参加した2時間は早すぎもせず、遅すぎもせず、問題を先送りにせずに本当に充実した2時間でした。このような場がある事を教えてくれたSさん、私の心の内に求めていた物に気づいて頂き、大分ふぐカフェへのご縁をありがとうございました。(OTさん、60代、女性)
2022年1月
今回、はじめて参加させてもらいました率直な感想をまず一言でいうなら「人の死に対して優しい」他人であったり、自分であったり、こんなに誰かの死に対して優しい考えを話せる場がある事に驚きました。併せて、母の死の宣告をされてから、母がいなくなるという不安で押しつぶされそうになり、どこかに救いを求めていた自分を、穏やかに包み込んでくれる場所であったように思います。当たり前のように明日も生きているという考えから、生きてる今を大事にしようという考えになったのは、やはり 母の死を、人の死を大事に考えているからこそではないかとそんな感じでまとめさせて頂きます。(後藤真由子さん)
2022年2月
2021年8月に大好きな母が緩和ケア病院でこの世を去りました。母が亡くなるその瞬間に間に合うことはできませんでした。きっと深い深い悲しみに陥いらないよう、この先のわたしたちの人生を思ってくれての「優しさ」ではないかと私は受け取っております。闘病におきましては、仕事をつづけながらも膵臓がんのすべての治療を終え、「この先は大丈夫!」と母が強く言った言葉を わたしたち家族は誰も疑いませんでした。しかし、行動や発言がおかしいことに気づき、2021年2月に全くもって想定しなかった脳での発症(脳腫瘍)がみつかり、そこから「本人にどう伝えていいのか」「かぎりある日々をどのように送るのか」などを本人の思い、本人と家族の思い、家族同士の思いの中で、いろんな決断を迫られました。「1日でも長く生きたい。家族といたい。」と治療に挑み続ける母の心とは真逆に、身体はどんどん痩せていきました。私は「もう何もしない方がいいのではないか」とさえ思えた程です。しかしながら、本当に想定していたよりも長く長く生き続けてくれ、出来る範囲で一緒に過ごすことができたと思っています。医療関係者の方々や支えてくれたすべての方々に感謝です。
なぜ、私が「大分ふぐカフェ」に参加しようと思ったのか、なのですが、母を亡くした後、『私は大丈夫』と思いながらも、なぜか毎日涙が勝手にでて、私の心にぽっかりと穴ができていました。私は何かでその穴を埋めたくて埋めたくて仕方がありませんでした。「大分ふぐカフェ」では、林先生が寄り添ってくださり、毎回参加にあたって「メッセージ」を伝えてくれます。そしていろんな「問い」を投げかけてくれます。
参加されている方もいろんな方がいらっしゃいます。「私に起きたこと」を皆様方といろんなことをお話をする中で、私の心の穴は少しづつ埋まっていており、今は皆様方のお話を聴くことしかできませんが、何か心の穴があれば一緒に埋めてあげれられたらと思っております。(山村法子さん)
2022年3月
第21回がん哲学外来大分ふぐカフェに参加させていただきました。ありがとうございました。これで3回目の参加となりますが、先生の器の広さと皆さまとご一緒できる時間の素晴らしさ、穏やかさに毎度癒されています。
今回のテーマは「プータローと社会貢献」だったのかな?と勝手に捉えております(笑)。皆様のこれまでの生き方、生き様を聞きながら、社会貢献ってなにも特別なことでもすごいことでもなくて、そこにいることであり、生きていることそのものであると学びました。私の悩んでることなんて小さいなあと思わされました。
そしてご家族を林先生に看取っていただいた方が名言を言ってくださいました。「あの世はきっといいところに違いない、だって誰も戻って来ない」と。その方のユーモラスなそれでいて慈愛に満ちた表現に一同引き込まれました。だから、あっちで待っててねと。別れは寂しいけれど、どこか怖いところに行ったわけでもなく、自分の大事な誰かはきっと素敵なところで自分のことを待っててくれてるんだ!と思うと、それも大事な支えになるなと思いました。いつも素敵な感動や発見があるふぐカフェは素晴らしいです。皆さまありがとうございました。また参加させてください。(池田祥子さん)
2022年4月
只今、臨床宗教師として活動すべく研修をしております。今回はそのような中で初めて「大分ふぐカフェ」に参加いたしました。林先生とは以前別の研修で一度お会いした以来でしたが、先生、参加の皆さまが私そのままをすっぽり受け入れてくださり終始穏やかな時間を頂きました。皆さまがそれぞれ大切にしている傾聴のあり方も聞かせていただき、目の前の方を大切にしたいというお気持ちだからこそ抱く悩みも互いに語り合えたことは大変よい経験でした。私においては林先生が患者を演じた傾聴のロールプレイもさせていただき、今も一言一句、間、沈黙、仕草、などを振り返っています。土いじりが大好きな患者さん、長らくの入院から外泊でご自宅に戻り、安堵しながらも畑の現状を知って出た言葉「畑も耕さんといけん、心も耕さんといけん…悔しい」の言葉。〇〇さんが今、耕そうとされているところに、よかったらそばに居させてくださいと、自身の気持ちを再確認しています。ありがとうございました。(森智崇さん)
2022年5月
前回の出席がコロナ前ですから2年以上も参加していなかったことになります。久しぶりの参加なので今回は聞き役に徹しますと事前に林先生に表明。しかし、今回は4名の少人数での会となりフリートーク。結果、うまく乗せられ(?)林先生よりも発言をしたのではというのが終了してからの感想です。現在、地域の民生委員をしています。
一人暮らしの高齢者の見守りなどが主な役目ですが、そのほか地域の方々の様々なお困りごとなどのお話をお聞きしたり、適切な機関に繋いでいくなどもその役割です。民生委員の話から地域における医療、福祉の話になりました。介護が必要になっても、認知症になっても、様々な課題があっても、住み慣れた地域で安心して暮らし続けられることを目指しているのが「地域包括ケア」とか「地域共生社会」のお話です。なかなか具体化していくことは簡単ではありません。医療・福祉に携わる方そして行政の方の熱い思いと地域の方の「お互い様」の思いやる気持ちが必要なのかなと思っています。このカフェの参加者の皆さんのように。(奈須俊之さん)
2022年6月
本日は、樋野先生の映画「がんと生きることばの処方箋」を皆さんに見て頂きました。 そして感想文を依頼しました。とても心情がよく分かる感想文を頂きましたが、本人さんが掲載を望んでいませんので、大部分を削除して掲載させて頂きます。
樋野教授をはじめビデオに登場していらっしゃる方々から,生きていくうえでの数々の名言を教わりました。「人は,生きていく」,その人らしく生きていく,まさしく人生なんだなぁと思いました。(Hさん、女性)
2022年7月
第25回がん哲学外来「大分ふぐカフェ」はコロナ患者さん急増のため、参加者は3人でした。
このため急遽緩和ケア病棟で最期までの期間を過ごした患者さんの中から「治らない病気になったミュージシャン」と題して主治医が患者さんから受け取ったギフトの話をしました。(林良彦)
2022年9月
第26回がん哲学外来「大分ふぐカフェ」は台風の九州直撃コースと店長の鎖骨骨折のため中止とさせて頂きました。北海道で出会った終末期患者さんとの出会いを紹介します。
彼は、1.延命治療はしない 2.痛みは取ってもらいたい 3.自分の人生には悔いがない 4.穏やかに人生を全うしたいしかし、現状は食事が摂れない、歩けない、動けない、そこで、家族に嫌われなければもう家に帰りたいと懇願しました。あなたならどうしますか?(林良彦)
2022年10月
① 爽快に晴れ渡った日曜日。会に先立ち、N氏の前立腺に関わる重大な情報の暴露があったので、とんでもないところに来てしまったのではないかと不安になったが、それはまったくの杞憂であった。がんと聞くと多くの人は何か正しいことを言わなければならないといった風で体が強ばってしまう。だから、なんだか申し訳なくて、これまでがんについて自分からすすんで人に話をすることはなかった。人に自分の体験を話すことが、これほど気分の良いものであるのかと、おどろいた。この気付きがカフェ参加の大きな収穫だった。
がん哲学という言葉に惹かれての参加であった。この解釈は間違っているかもしれないが、自分の信条のために毒杯をあおったソクラテスのように、自分の存在を賭して真実を考えぬく行為を哲学というのであれば、やむを得ず突然に向かい合うことを強いられた自分の生死について思考する「がん哲学」こそ、本来の哲学なのではないだろうか。(山口和敏さん 男性)
②「山口くん大丈夫なの?」と、まるで悪事の打ち合わせをするように小声で聞いてくる人が多いので、私も小声でごにょごにょと病状を説明する。だから大きな声でお話でき、すっきりした。得難い機会に感謝している。
連れ合いにがんが見つかる以前、私はとてもわがままで彼の行動をすべて制御しなければ気がすまなかった。イケメンで女性にもてて仕方がないというわけでもないのに、常に気掛かりで、彼の一挙手一投足を逐一束縛していていた。彼も大変だったと思うが、私もいつも息苦しく、自己嫌悪に悩む日々であった。
それが、彼にがんが見つかったことで一変した。生きていさえいてくれたらそれでよい、と思えるようになった。こころが楽になり、自然な姿勢で彼と向き合えるようになった。手術でちょっと変わった顔になったので、もてる心配もなくなったと話すと彼はたいそう笑ってくれる。
(山口さんのパートナー 女性)
2022年11月
おはようございます。久しぶりに皆さんと、お逢いすることができて良かったです。
今回は2ヶ月ほど前にがんで亡くなった友人の母親の話しをさせてもらいました。その母親は娘に「一緒に神様の所に行って欲しい」と言ったそうです。その友人は私と同じように体が不自由で独身なので「母親は将来の自分の事が心配なのか、それとも自分ともう少し一緒に居たかったのか、どちらと思うか?」と私に問うのです。「貴方が遠くから戻ってきてくれて嬉しかったのではないか」と答えました。もちろん本当の所は分かりません。
明日はその母親の月命日にあたります。一緒に偲ぼうと思います。
これは私ごとなのですが、最近1人で出かけても「付き添いの方は?」と周りに聞かれるのがいやで、下を向く事が多くなっていたのですが、昨日の帰り道、足が悪くて可哀想という言葉にたいして「大丈夫ですよ」と答えました。林先生と、ふぐカフェの皆さんは、私にとっての名医です。ありがとうございました。 (花田智子さん)
2023年1月
2018年夏、膀胱がんと診断される。それから骨転移、骨折手術、ランマーク副作用で口腔外科治療、新たな骨転移、、と色々あったが、抗がん剤治療を断り続ける私に医療はいささか冷たいのでは?と思ったこともあった。しかし癌になり5年となる今も私は生きている。ある日、免疫治療でお世話になったA医師から「大分ふぐカフェ」に参加してみてはどうか?と言われ、少し悩んだ後、参加を決心した。
今季最強の寒波が日本列島を包み4日目の日曜日。海抜400〜500mに住む私の町はまだまだ寒気のど真ん中、そこから大分市内の「ふぐカフェ」の開催会議室へ、すごく温かく感じた。304号会議室のドアを恐る恐る開けて入るや否や「藤田さん」ですかと温かい声で迎え入れられた。声の主は主催の林Dr.その人である。その林Dr.のご用命によりこのレポートを提出します。
その日の出席は癌患者4名(私を含む)、ご家族2名、主催者Dr林氏と医療従事者の方1名、計8人の座談会であった。それぞれの方々の自己紹介から個々に体験談等のお話があった。皆様のお話を聞き、患者とは弱い立場であり、苦しみ、悩み、不安の中にいる事を再認識させられた。癌という同じ問題に直面しても何を考え、何を気づき、何を選択するかは百人十色であると思います。そこで以下は私の個人的意見でありそれが多数意見で普遍的なものであるという傲慢な気持ちからではなく、あくまで私自身が経験し私自身の心と体が導いた一つの考え方であるとの事でお聞きいただきたい。しかし私自身の事に関して正真正銘、正直に述べるものであることもお含みおき頂きたい。
巨大医療コンチェルンが一隻の大型船で航行しているようなもの。しかし、船長不在で舵も故障。唯々そのまま進むだけ。方向転換は不可能。しかしこの様に「ふぐカフェ」を開催し続ける林Dr.のその行動行為は「蟻の一穴」になるのかもしれない。思うだけではなく声に出し行動する。敬意に値する。、、、頭が下がる思いである。しかし私はいつからか?人に変わってもらう事、世の中が変わる事、その事は諦めた。いや諦めようと心掛けた。そのエネルギーの持ち合わせがない事を自覚した。しかし自分を変えることが出来ることに気が付いた。すると癌に感謝できそうになった。癌になることで魂の崖っぷちに立たされたのだ。癌に成るべくしてなった己の心と体。そう思うとこれまでの自分の心持が恥ずかしくさえなった。「否定ではなく肯定」「疑いではなく信じること」「闇を見ず光を見る」「幸せを求めるのではなく自らこの瞬間、幸せな気持ちになる」その様にこれまでの自分とは正反対の心となるように、、、この世は変わらねど泥の池に蓮の花を咲かせるように、、、日々、エクササイズしています。大きく深呼吸をしながらストレッチをしながら心のプログラムを「幸せな気持ち」に書き換える日々を楽しんでいます。確実に来る「死」、その瞬間に「幸せな気持ち」でいたい。林Dr.は「心まで病ますまい」と会の中で2度ほど仰った。あわせて「今」だけであると考える私の心境を現わす、30代の頃から時折勉強してきた哲学者「中村天風」氏の一節をご紹介してこのレポートを終了致します。
「さしあたる事柄のみをただ思え。過去は及ばず、未来知られず。」
「たとえ身に病があっても、心まで病(や)ますまい。たとえ運命に非なるものがあっても、心まで悩ますまい。
否、一切の苦しみ をも、なお楽しみとなす強さを心にもたせよう」(藤田 克剛さん)
2023年2月
新聞で紹介されていた林先生の著書「最後のカルテ記録」に出会い、縁を頂いてがん哲学外来「大分ふぐカフェ」に参加させてもらっています。 病を得て暮らしの中で不安が募ったり、心が閉ざされて向けなくなったりする日常から少し離れて 先生、がんの当事者、そのご家族、医療に関わっている方々・・・のお話を聞ける”場”は私の大切な居場所になりました。カフェでの心に残った”ことば”や語られた話などを思い出して次のカフェまでの心の支えにしています。
病気のことばかり思い沈んでいないでカフェに出かけて辛いことを周りの人に聞いてもらい、弱い自分を恥ずかしいとか隠そうとしないで打ち明けてみよう! 私も話されている人にそっと寄り添い隣にいて静かにしっかりと語られる言葉に耳を傾け、優しい微笑みを差し出せたら・・・なあ・・・
(樋口典子さん)
2023年3月
今回はリピーターで常連さんの参加でしたので、互いに分かち合いを簡単に行った後、大分ふぐカフェ店長から
「緩和ケア秘録:終末期患者さんのユーモア」と題して、病棟で経験した事例を話させて頂きました。(林良彦)
2023年4月
今回はいつものメンバーでのふぐカフェでした。皆さんはいろいろな地域から来られているんですが来る手段がさまざまで電車で来られる方やご家族に送ってもらって来る方、県外から下道を使って来る方などいますが来るまでにはご家族の支援や同意があって来られているので家族の協力があって参加しているんだなあと思いました。参加したふぐカフェで他の人の話を聞くだけでも参加した意義があるという話がありました。僕もふぐカフェに参加して毎回いろいろなテーマで話をするので毎月のふぐカフェが新鮮でいろんな方の話が聞ける事は自分にとってもプラスになる話ばかりで参加する事が楽しみで毎回参加してます。この感想を見て興味を持たれた方は気軽に参加してほしいですね。また、今回のふぐカフェで自分の決断について家族の後押しがあって決断した話がありましたが自分が迷っていることについて家族から後押しがあればこれほど心強いことはないなあと思いました。来月は平日でのふぐカフェ開催ですがすごく楽しみにしてます。(石井克幸さん)
2023年5月
今回も素敵な出逢いと学びがありました。参加された皆様、本当にありがとうございました。いつ参加しても、家に帰ってきたようなそんな感じでいます。緊張するどころか、くつろがせていただいています。どうしてそう感じるのか?福岡からソニックに乗ってきたのに、感覚としては「ただいま」だったりする。「暇気な風貌」で「偉大なるお節介」を売りとしているカフェのマスターがいるから? そしてそこに集まるお客様も皆さん気の置けない方ばかり。安らげる空間がそこにはある。だから、電車に酔いながらもまた来てしまう。ほとんどマニアックです。
今回は「臨床宗教師」の方が来られており、活動内容などについてレクチャーいただきました。私自身仕事柄(=ケアマネ)、「聞くこと」がミッションであると思っていますが、それはまだ「聞いた気分になっているだけ」なんじゃないか?と思わされました。何と表現してよいかわからないけれど、臨床宗教師は本質を聞けるプロだと感じました。臨床の場において、病気の告知など多く行われるそんなシビアな場にこのような方がおられたなら、当事者だけでなく、医療者側だってどんなにか心強いだろうか。大切なのは価値観は皆違う、ということを知ること。「みんな違って、みんないい」。自分の価値観を押し付けない! そういったところは、「大分ふぐカフェ」とも似通ったところが多いな、とも感じました。
また、次回を楽しみにしています。ありがとうございました。(池田祥子さん)
2023年6月
今回は、先生を含めて5人でアットホームな感じで始まりました。皆さんと近況を話しながら、自然とセルフケアのことに、話が行き着いた感じです。先生が、セルフケアをする時に、4つに分けて分類して、その中に項目を作るという話を臨床宗教師から聞いたということをシェアしてくれました。「症状が出ている時」と「出ていない時」「1人でできるケア」や「みんなとするケア」で4つに分けていくつか書き出してみたら、先生は、遊びの項目が多かったという話を聞いて、私も同じだと思いました。症状が出ている時、このがん哲学外来も、こうやってみんなと話をするだけで、セルフケアに使えると思うので、ぜひ一度試してみるのもいいと思います。
そして、自分を見つめる内観ということを、お寺でやったことがあるという方の話もありました。自分の小さい頃から今までを、改めて深く見つめ直すことを、お寺で経験した後で仕事に戻ったら、自分の顔つきも変わったし、お客様に対する感謝の気持ちがあふれ出て、対応も素早くなったとのことでした。そして、環境が変わると視点も変わるとの感想や、今いる自分というものを改めて見つめ直すというマインドフルネス、自己客観視ということにもつながるなあと思いました。
自分を客観視することで、怒りや痛みも軽減するというマインドフルネスを少しの時間、呼吸法を中心にみなさんと一緒に共有して今回の会は終了しました。カフェの最後の頃には、皆さんのお顔も最初よりほぐれてみえました。そんな感じの33回目のふぐカフェでした。皆さんもお気軽にお越しください。(阿部純子さん)
2023年7月
今回は、店長が今週末にがん哲学外来コーディネーター養成講座で講演を予定していることから皆さんにお願いして講演内容を聞いてもらいました。分かりにくかったところ、こうした方が良いと様々な示唆を頂きました。今晩から手直し作業です。ありがとうございました。(林良彦)
2023年9月
今回は8月、北海道で在宅緩和ケアクリニックに応援に行った時の様子を皆さんと分かち合いました。中でも印象に残った終末期患者さんにおこなったディグニティセラピーの話をスライドを交えて披露しました。皆さん一様に在宅の素晴らしさを認識して頂いた気がしました。その中で花田智子さんが送ってくれたメッセージを転載します。
今回の「ふぐカフェ」では、私の父が肺がんと脳梗塞を起こした事を話せてもらいました。私自身もがん患者であり障害者でもあります。にもかかわらず、私とは病気が違うと言われた事、父親の弱っていく姿をみるのが怖くて逃げていました。でも北海道在住の吉田さんの素敵な家族写真を見て気づかされました。どのような結果になるかわかりませんが、父親の主治医と向きあってみたいと思っています。家族とは改めて良いものだと思えたし、がんで不安に思っている人がいたら一度ふぐカフェに遊びに来てください。きっと背中を押してくれると思います。(林良彦)
2023年10月
今回の参加者は、先生を含めて11人でした。がん患者さんやそのご家族が5人、医療従事者5人、臨床宗教師1人でした。まず、いつも最初に必ず、がん哲学外来の参加にあたっての項目を読むのですが、読み終わった後に、何か質問ないですか?と尋ねたときに、あるがん患者さんが、「横文字や、カタカナが多いとよくわからない。小さな声で早く話すとわかりずらい」というような事を伝えてくれました。
確かに医療従事者は、知らない間に、横文字の言葉や、医療用語の略語を当たり前のように使い、いつも同じようなことを話しているので、早口になっていることも多いと思います。そのことに改めて気づかされました
患者さんとの信頼関係も、このような事があると、うまくいきませんよね。
先生の、「今、幸せですか?」との問いに、その方は、「意思の疎通が医者とできないことがあっても、
自分でいかに生きるか、よい死にかたをしたい。好きな畑に出て、収穫したものを食べると、とても美味しい」
とも話してくれました。
「幸せは、なるものではない。幸せに気づく。」と言う先生の言葉のお返しにもはっとさせられました。
「体は大切。心が病気にならないように」と言った声かけも、とても心地よかったです。
医療従事者は、患者さんの表面に出ている症状を、データで見るだけではなく、このような声かけと共に
寄り添えられたら、冒頭のような言葉を聞くことはないのかもしれません。
残念ながら、このような心に溜まった不安や、心配に気づくことは現場では多くありません。
なので、このような、がん哲学外来カフェで、皆さんのお話を聞いたり、自分の事を話したり
することで、目に見えないつながりができているような気がします。
ずっと椅子に座っていたので、途中、マインドフルネスストレッチをして、体を緩めてもらいました。
あっという間に2時間が経ってしまい、皆さんそれぞれから話題がつきませんでした。大分駅近くで開催して
いますが、福岡から電車で、山の方から車で、遠くからふぐカフェに参加してくれています。
大分の他の地域にもこのようなカフェが作れればいいね。と言ったところで今回は終了しました。(阿部純子さん)
2023年11月
ふぐカフェが終わり、ホルトホールから外に出ると、秋晴れの素晴らしい天気。おだやかな日差しがふりそそいでいました。ふぐカフェ37回目ということで、「そうか、36回で3年としたら、もう4年目になるのか」「いや、待てよ、コロナなどもあったし、8月はお休みだし・・・」
家に戻り、自分の日記のような手帳を調べてみました。ありました。
な、なんと2019年11月9日のページ、自分が初めて参加したふぐカフェのことが書いてあるではありませんか。ちょうど満4年たったのです。「今回は5年目に入るという記念すべき回だったのだ。俺しか知らないんじゃないか」と一人ほくそ笑みながらこの文章を書いています。
今回も新しい出会いがあり、心に残るお話があり、今日の天気のように穏やかに受け止めてくれる人たちがいて、いつもの「大分ふぐカフェ」でありました。(奈須 俊之さん)
2023年12月
明るくなる頃、農園に着く車を北向きに停めて真っ白な霜の中、まず一歩踏み出す。大きく深呼吸。胸いっぱい朝の新鮮な空気を吸い込みながら正面を見る。高崎山 鶴見山 由布岳 雨乞岳 西には雄城台 南には霊山 東には日本晴れの中 朝日が登る。
さぁ 今日もがんばって がんばって。桃🍑の花芽も少しふくらみかけていますよ。葡萄棚作り 草むしり 休憩 水分補給自然の流れに身をまかせて作業をしていたら、太陽が真上に。野菜を少し収穫して帰ります。
人は自然の流れの中で過ごして来ました。自由に動き、集まり、自分と違う人と対話することにより違う考えを得て、自分の社会や未来を創って来たのです。
最後に 私は時間が大嫌いです。(加藤さん)
2024年1月
初めてふぐカフェに参加しました。
店長をはじめ、参加されている方が温かく受け入れて下さったお陰で、拙いながらも自分の思いを言葉にできました。皆さまのお話しはどれも素晴らしく、気付きの多い時間を過ごさせていただきました。今日いただいた紙の「あなたにはまだ、死ぬという大切な仕事が残っている」言葉が心に残りました。日々のタスクを追われ、死を迎える前の自分を想像すらしていない事に気付かされました。店長がおっしゃられた、いい死とは…「感謝できること、ユーモアがあること、許すことができること」
死を前にしてそんな境地になれるか今は自信がありません。またふぐカフェで皆さまのお話を聞いたりしながら、自分で掘り下げていこうと思いました。参加された方の、マインドフルネス=自分を満たすこと。自分が満たされないと人にも与えられない…
とのお話に納得! もっと自分を大切にしようと思いました。(まえだ ともこさん)
2024年2月
私は内科の開業医です。開業して33年、その間、在宅医療に17年関わってきました。その私が気になっていたのは、樋野興夫先生のなさっている「がん哲学外来」というものです。 大分の緩和ケアをなさっている林先生は以前から存じていましたが、先生が大分で、がん哲学外来をなさっているということを知り、長い間、気になっていました。
ところで、私も、もうすぐ古希を迎えるという年齢になり、偶然にも、私の診療所を手伝ってくれるという奇特な先生がいらっしゃって、4月1日より、仕事を半分に減らすことができました。医師には定年がありませんが、働き方改革も後押しして、ようやく、私の人生にも、時間的なゆとりができたわけです。といって、趣味のことと言っても限りがあり、贅沢ができるほどのゆとりもありません。私に医療以外の、何ができるのか悩む毎日でした。そこで、とにかく、いろいろな方にお会いしてみたいと思いました。
ふぐカフェで、患者さんではなく、生きている人としての皆さんにお会いして、さまざまなお話を聞かせていただき、私も、自分の人生について、初めての方に、お話しして、心が透き通っていくような気持ちの良い時間を過ごさせていただきました。誰にも気兼ねせず、心の中を打ち明ける時間。これが、私の目指しているものかもしれません。こんな場所が、医療と患者さんの隙間を埋める道具なのかもしれないと直感いたしました。
林先生のお人柄か、ゆっくりと、普通におしゃべりをしながら、話を広げるでもなく、批判もせず、教育するのでも無い、それでいて、熱心に聞いてくれる司会が心地よく、あっという間に時間を過ごすことができました。何を話していたのかも、よく覚えていませんが、心が洗濯されたような愉快な時間でした。またお世話になりたいと思っています。そして、できれば、この町で、同じような場所を作れたらと考えております。(宮崎秀人さん)
2024年3月
友人の前田さんから「今度ふぐカフェがあるのですが一緒にいかがでしょうか?」とラインがあり「いいですね、その後ランチしましょう」と返信した1時間後に横浜在住の難病を抱えた友人から大分へ帰省すると電話がありました。まさに絶妙なタイミング、ご縁だなと思いふぐカフェに誘い一緒に初参加させて頂きました。
あんなに元気だった自分がどうして?何で難病?受け入れ難い現実の中主治医の放つ冷たい返事に心が凍り付き絶望の淵に立たされました。今は信頼出来る主治医を得て現実を受け入れつつリハビリに頑張っている友が、林先生の穏やかで優しい語り口に誘われて自分の中にたまっていた思いを吐き出すことが出来ました。横浜に帰ったら地元のがん哲学外来に参加して前向きに生きたいと言ってくれました、本当に誘って良かったと前田さんや林先生に感謝しています。「生活環境や言葉が違っても心が通えば友達であり、心が通じ合う人と出会うことが人間の一番の楽しみである」(新渡戸稲造) まさに今回ふぐカフェに参加させて頂き、苦しみや悩みを抱えていてもお互いの心に寄り添い労り合う「ふぐカフェ」は一筋の光だなと思いました。
自分もサバイバーでもあり、親友を苦しみのはてに亡くして絶望したこともありますが、どんなにあがいても運命は変えられないのであればせめて今を大切に笑顔で生きていきたいとあらためて思いました。
ふぐカフェの後で、久しぶりの青空のもと加藤農園さんの桃の花に癒やされ心身共に充実した一日を過ごすことが出来ました。
皆様優しさをありがとうございました。(小田さん)
2024年4月
約2年ぶりに参加しましたが、和やかに迎えて頂きました 林良彦先生、事務の石井さん、参加者6人の計8人で、それぞれの
自己紹介と今抱えている問題や状況などを順番に話しました。
お父さんを在宅で看取った方は福岡から参加 家族4人で川の字になって3か月寝ていたそうです。穏やかに逝かれた姿にお母さん、妹さんは満足しているが、ご自分には悔いがあると・・・
農園のお仕事に精を出して達観した暮らしの男性 それでも血圧、酸素などちゃんと計測している・・・
医師とのコミュニケーションをとるのは難しいと語った方
ご自分は17年前にがんに、今は年一の検査で親しかった友人が別の癌と分かり、3ヵ月で亡くなった哀しみを話してくれました。知り合いのお子さんを誘って次回も参加してくれます。
マインドフルネスに詳しくて、中津でがん哲学外来カフェ開設したいと考えておられる方はマインドフルネスの指導をして下さいました。 癒やしのvoiceでした。
私はこれまでの経験と今の課題の地元の病院探しについて緩和ケア病院を教えていただきましたが、舌足らずで突っ込んだ話が
出来ませんでした。( ; ; )
石井さんは鯛生金山の砂金取りの説明をしていたこと等を聞いて、場が一層和みました。(佐藤さん)
2024年5月
今日のふぐカフェには自分を含め8名の参加でした。林先生をはじめ、隈診療所の宮崎先生、臨床宗教師の森さんと医療従事者の方が多かったです。そんな中で自己紹介を簡単に行い日田市に宮崎先生が日田あゆカフェを創られ、6/8に開催されるとの事で林先生がそのカフェで話をされることも告知されました。僕も何か協力できることがあればお手伝したいと思いました。 その後、農園されている加藤さんからニンニクの話があり、ニンニクにまつわる話や食べ方などの話で盛り上がりました。また、その話を聞いていた森さんが違う視点での見解などがあり、なるほどと思うところもありました。その後に患者の立場である佐藤さんの体験で医者からのストレートな告知や看護師からの問いに数字で表す話などがあり、患者さんの気持ちや目線、医者の目線、看護師の目線で捉え方や思うことが違い、いろんな立場での目線や着眼点がある事を知り、考えさせられました。今日のふぐカフェでは宮崎先生のハーモニカも披露されとても素敵でした。6/8の日田あゆカフェがすごく楽しみになりました。(石井さん)
2024年6月
初めて大分ふぐカフェに参加させてもらいました! 参加したいけど…どんな会なのかな? 私1人で大丈夫かな?
何か話せるかな?…等色々考えてなかなか、参加の送信が送れませんでした。抗がん剤の副作用も続いており当日体調が悪かったらどうしたら良いのか?なども。でも思いきって送信しました。しかし、体調が悪ければ無理しなくて良いですよと先生から暖かい言葉を頂き無事当日を迎え、会に参加することが出来ました。当日は、ドキドキしながら部屋へ。笑顔と暖かい空間が広がっていました! 会が始まり、ドキドキも緊張も少しずつ無くなりました。先生は、パワーMAX!M先生は暖かく! 会に参加の方々はパワフルで癒される笑顔いっぱいで、話を聞くだけで力をもらえました。癌なり、今まで家族と共に乗り越えて来ましたが、なかなか第三者の方に気持ちを聞いてもらうことがなかったのでとても良い経験になりました。まだまだ緊張で上手く話が出来なかったり、聞きたいことが聞けなかったりでしたが、また参加してパワーをもらいたいと思います!皆さん本当にありがとうございました。
(油布さん、女性)
2024年7月
本日はリピーターの常連さんばかりでした。そこで先週京都で行われたがん哲学外来コーディネーター養成講座「カフェの未来像--大人も子どもがんカフェを知る」の様子・活気に満ちたディスカッションの様子を報告をしました。あまりの熱気に今日の参加者も養成講座に参加してみたいと声が上がりました。また予定している講師の先生方にも期待している声も上がりました。まだ確定していませんが、みんなで力を合わせて準備していく決意を新たにしました。(店長 林良彦)