「いのちのエール」田口ランディ講演会
046-834-0386:担当 山崎
「いのちのエール」 

  講演:田口ランディ(作家)
「佐藤初女さんから娘たちへ」

  映画上映「地球交響曲第2番」
大好きな青森のお母さん、
初女さんのことばをお伝えします。
あなたはとってもとうといの
やさしく、そっと、たいせつにね。
イベント概要
「いのちのエール」
 
講演:田口ランディ(作家)
「佐藤初女さんから娘たちへ」
映画上映「地球交響曲第2番」
 
2016年7月15日(金)
18時半開場・19時開演  21時終演
定員300名・全席自由 チケット:2,500円
かなっくホール(神奈川区民文化センター)
※京浜東北線・横浜線の東神奈川の駅から1分
 都心からも近いです
facebookでも情報発信中(初女さんのすてきな写真がアップされています)

プログラム

1. 佐藤初女さん紹介ビデオ(ガイアシンフォニー2番より)
2. 講演:田口ランディ
「いのちのエール・初女おかあさんから娘たちへ」
3. わかち合い

田口ランディ(たぐちらんでぃ)

1959 年生まれ・女性・2000 年に処女作「コンセント」を出版。大ベストセラーとなる。デビュー当時から佐藤初女さんと交流、初女さんの生き方に感銘を受け数多くのエッセイを執筆。

2015年には交流を綴った「いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ」(中央公論新社)を出版 「初女さんとの約束」であった本の出版はお互いの誕生日である10月3日に。翌年、2月に初女さんは逝去。

佐藤初女さんと映画「地球交響曲」

岩木山の麓でひっそりと「森のイスキア」を営んでいた佐藤初女さんを、日本中に知らしめたのは、龍村仁監督の「地球交響曲(ガイアシンフォニー)第二番」というドキュメンタリー映画だった。


初女さんは四季折々の食材を使い手料理をつくる。手間ひまをかけたお料理や、初女さんのおむすびが、深い悩みを抱えた人たちの心にぽっと小さな灯をともす。深い慈しみの心がいのちの注がれるさまを、映画は見事にとらえていた。


小さな小石を積み上げるような初女さんの生き方は、バブル時代もバブル後もたくさんの共感を生みつづけた。いま、初女さんは90歳を超えられ、足もご不自由になってきた。それでも、台所に立ち、講演のため日本中を駆け回る日々を送っていた。


15年前に、ご縁をいただき初女さんの「娘」にしていただいた。当時、私は兄と母を相次いで亡くし、生の意味を探していた。特に兄はひきこもりの末の孤独死だったため、兄にもっとしてあげられることがあったのではと悩んでいた。

豊かな日本で食べることを止めてしまった兄には、どんな風景が見えていたのだろう。そして、兄を追うように亡くなった母。「子どもに伝えられるようなおふくろの味が、私にはありません」と、呟いた私に、初女さんはきっぱりとおっしゃった。


「だったら、私の娘におなりなさい」

 翌朝4時、私は初女さんと一緒に台所に立った。夜明け前で暗い。初女さんはじっとガス釜をのぞきこんでいた。中には前夜に水に浸けたお米が入っている。お水の加減を見ているのだろうか、お米と対話しているみたいだった。


「お水を吸うとお米は白くなります。でもね、あまり吸わせてはだめなの。お米がじぶんの力で立ち上がるために、8分目くらいにしてあげるの」

初女さんの炊くお米は、しゃんと立ち上がる。お米がじぶんの力で立ち上がる加減を、暗い台所ではかっている初女さんは修行僧のように見える。


初女さんのにぎるおむすびは、おいしかった。ぬくもりが伝わってくる。2016年2月に亡くなる直前まで、初女さんは呼ばれるままに講演活動を続けて、食べることの尊さ。生きることの尊さを語りつづけた。


最後に初女さんからたくされたこと。それは「生物多様性とぬか漬け」

森のイスキアで初女さんが続けてきたことを、映画を鑑賞しつつ、少しでもみなさんにお伝えできればうれしいです。

田口ランディ

田口ランディ「いのちのエール 初女おかあさんから娘たちへ」(中央公論新 社)より

自分が
自分が
 そう思って生きて来た
 自分のことばかり考えて
 自分の都合を押しつけて
 何かをしてあげようと思い
 してあげることに夢中になり
 相手の話はよく聞かず
 一を聴いて十を知った気になり
 何かが上手くいかないと
 外側に理由を探し
 苦しいのは自分だけだと感じ
 持っているものの有り難みをわかろうとせず
 ないものばかりの数を数えて
 ああしようこうしようと計算し
 思い通りにならないと
 腹を立てて苦しみ
 苦しいことも全部人のせいにして
 誰かが自分を幸せにしてくれると思い
 叶わぬと嘆いて
 手に入らぬものは あれはすっぱい葡萄だといい
 手に入れたものは たいしたものではないと満足が出来ず
 そういう自分をどうにかできると思い
 自分ではないものに憧れて
 自分が
 自分がと
 自分のことばかりしゃべってきた
 自分のことばかり考えていると
 だんだん苦しくなってどうしようもなくなって
 心が破れそうになった
 そんな時
 初女さんは
 そっと教えてくれました
 言葉を超えてね
 言葉を超えるってどういうことかな
 と思った
 ずっと分からなかった
 言葉はいつもここにある
 私を満たしている
 私は考えで一杯
 でも初女さんの隣にいる時
 しんとする
 初女さんはとても静か
 ああ、なんて静かで深いんだろう
 深い森の中の湖のよう
 ほんとうは静かになりたい
 求めているのは静けさなのに
 心はいつも波だっている
 この静けさに、触れたい
 何も話さなくていい
 ただじっと、この沈黙の中にいたい
 沈黙の中にある 無音に耳を澄ます
 こんなに豊かな静寂が
 言葉と言葉の間に満ちている
 すると、はるか遠くから
 私を呼ぶ声がする
 呼ばれた時
 やっと私はここにいると気づいた
 呼ばれている
 空の果てから美しい鐘の音に
 なんだ、私はあの音に
 ずっと呼ばれていたんだ」
 
イベントに寄せて
『初女さんとの出会い』

田口ランディさんに「すなおさんは、どうしてそんなに初女さんが大好きなの」と聞かれたとき、間髪入れず「初女さんがいなかったら、今の私はいないから」と答えていた自分がいました。
そう、初女さんに出会っていなかったら、あの悲しみと折り合いがつけられずいまだに「なぜ」を繰り返していたかもしれません。「元気が取り得!」と言っていた息子が、放課後、友達とリレーをした後で「疲れた」と言って校庭に寝転がり、なぜかそのまま心臓が止まってしまったのです。

何がなんだか分からないまま葬儀を終え、2~3日経ったときに息子の空のお弁当だけが返ってきたのです。最後に息子が食べたのは、私が作ったおむすびでした。

もっと美味しいものを食べさせたかった。この思いは消えない苦しみとなってさらに私を苦しめていきました。
悲しむことにも疲れ果て、ボロボロになっていた時に、新聞の小さな告知で初女さんの講演会を知り飛んで行きました。初女さん出演の『ガイアシンフォニー2番』を観て泣き崩れてしまいした。
そして、講演で初女さんが「おむすびはソウルフードです」と話されたのです。
その一言で、息子の最後の食べ物が「おむすび」で良かったんだと初めて思えました。帰って直ぐに初女さんに手紙を書きました。すると間もなく「佐藤です」というお電話があり、夢のような思いで初女さんのお声を聴いていました。
森のイスキアに呼んで頂き、息子の写真を長い間見ていた初女さんの頬に一筋の涙が伝わっていくのを見た時、私の抱えて来た悲しみや苦しみはすべて受け止められた。生きていこう!と、思えたのですあれから13年。

講演会を6回やらせて頂き、最後の講演会が田口ランディさんとの対談でした。
ランディさんとの出会いも初女さんが与えてくれたのです。
今年の2月に初女さんが亡くなり、心の中に初女さんの存在と不在を感じながら、ランディさんが語る初女さんを聴きたく、講演会の準備をしています。
「初女さんとの出会いなくして、今の自分はいない」
どんなに歳を重ねても、この思いは色あせないと思います。

森のこもれび 山﨑 直

お申し込み方法
●あらかじめメールまたは電話にて、お名前・ご住所・電話番号・枚数をお知らせ下さい。
電話:046-834-0386(山﨑)
メール:komorebi@sc4.so-net.ne.jp
●予約の確認連絡から10日以内にゆうちょ銀行へお振り込み下さい。
(10日を超える場合は自動的にキャンセルになりますので、改めて予約確認をお願い致し ます)
●お振り込みをもってご予約が確定致します。
●振込用紙の控えはチケットと交換させて頂きますので、当日必ずご持参下さい。 (チケットの郵送はありません)
●託児はありません。車椅子ご利用の方は、事前にお電話でお知らせ下さい
-----------------------------------------------------------------
お振込み先
ゆうちょ銀行 振替口座:00280-6-81909 名称:森のこもれび
振替口座へ銀行からお振込みの場合 支店名:029店 当座 0081909
主催:森のこもれび http://www014.upp.so-net.ne.jp/m-komorebi/
協賛:ミュージックハーベスト 後援:神奈川県教育委員会、中央公論新社
-----------------------------------------------------------------
みなさんのご参加をスタッフ一同楽しみにしています
(このイベントは営利目的ではありません。収益が出た場合は森のイスキア、森のこもれびの活動に寄付されます)。