◆例えば、
70歳ぐらいの方が遺言書について相談があると言って 士業である、あなたの事務所に来訪されました。
あなたは遺言書のことなら、よくわかっているとばかりに「遺言書には主に自筆証書と公正証書・・・」 とイキナリ説明を始めました。
→ おやおや、これはダメですよね
とりあえず、お客様から、いろいろお話をお聴きすると
・遺言書を書くのは家族に迷惑を掛けたくないから
・自宅は奥様に、会社経営は長男に、
賃貸マンションは次男に、預貯金は・・・
・孫たちにも資産を渡せるようにしたい
・私と家内の認知症対策もしておきたい
・成年後見制度は使いたくない
・可愛がっているペットのこと 等々
お客様が遺言書を書いておかなければと考え始めたら、とめどもなく家族への想いや自分の人生のことが思い浮かんできます。
ご存知のように、死なないと効力は出ないのが遺言書であり、遺言書そのものには法的お作法も限界もあります。
どうも、このお客様(相談者)は遺言書を作成しさえすれば何でも対応できると無意識に考えておられるようです。
さて、あなたは この方にどのように ご提案されますか?
~超高齢社会・超長寿社会の今、100歳まで生きても何も珍しくはありません。
この方が仮に72歳だとして、100歳まで生きられたら遺言書を書いても結果として28年間は効力がでない。
成年後見は はなからイヤだとおっしゃっておられるのに無理やり、認知症対策をされたいのなら、これしかないですからと任意後見契約のご提案をされるのですか?
★確かに、民事信託だけではこの方やご家族を守れない事がありうるので、私もこのような方に任意後見契約も併せて採用された方が望ましいですよと、理由を延べてご提案したことはあります。
でも、これしかないのではなく、なぜ望ましいのかの理由を説明した上で、選択肢の一つとしてご提案しています。
◆例えば、
父A、母B、子CDEの3人(CDは結婚により別居)の幸せなご家庭に不幸が訪れました。
父Aが急逝したのです。
相続財産は、
・父A名義の土地建物
(評価額8000万円・BEが居住)
・預貯金2000万円
子3人は母Bがすべてを相続すればいいと考えました。
もちろん 「信託脳」を有した上で、士業専権業務として
例えば、信託契約書作成能力などが必要になってきます。
では、どうすれば「信託脳」を養成することができるのか?
民事信託の講座をちょこっと聴いて、関連書籍を何冊か読んで、わかった気になっている人は多いと思います。
あるベテランの先生から、こんなことを言われたことがありました。
「中道先生、民事信託はダメなんじゃないかな。私も、これまでいろいろな人に「民事信託(家族信託)はいかがですか?」とかなり薦めてみたんだけど、「ぜひそれで!」という人は一人もいなかったんだよ」
→ テレビとかで「家族信託」が認知症対策には欠かせないとの特集でもあった直後ならば、この先生の投げかけにまさにヒットする場合もあるでしょうが、基本的にはこちらから、お客様のご事情を勘案して、しかも、その場で即座に信託スキームを設計し、こうすれば解決の糸口が見つかると思います というぐらいの具体的な提案を示せなければ、多くの場合は採用されることはないと思っていたほうがいいです。
「遺言書」と聞けば、概ねどんなものか推測できる人はとても多いと思いますが、
「民事信託(家族信託)」と聞いて即座に
「ああ、あれね。 ぜひそれで! 」と
了解して、依頼してくれる人はまだまだ圧倒的に少ないのです。
ほとんどいないと言った方が適切でしょう。
ぜひ、この機会に受講下さい。