私がなぜ本書を書きあげようと思い立ったのか、そこにはいくつかの理由があります。いつどこで結核に感染したのか、どのような治療方法になっていくのか、そして今後どのような入院生活が待ち受けているのかなど、わからないことだらけであったからです。
ギリシアの哲学者ソクラテスの言葉ではないが、無知の知ということに気づかされ、疑問点を解消していきたかったからというあせりもあります。
神様が与えてくださった、長めの休暇とそれにまつわる試練、これを思し召しと考え、少しでも結核になった患者とその家族の一助になれば、と願いをこめて筆をとった次第です。
偶然にも同じ病室となり、仲よくなった患者の人たちとは、治療にまつわること、人間観察など面白い話のほかにも、仕事・政治・経済・歴史など多岐のジャンルへと会話が弾みました。会話から知りえた結核の情報や、面白かった話の一部を抜粋して、本書では紹介しております。
医学・薬学・栄養学など専門外の、素人がノンフィクション体験記としてよくここまでの内容に仕上げたものだと嬉しく思います。その制作過程では、自ら体験し、見たり聞いたり、質問したり調べたりと、多くの時間を割きました。
この本を読んでくださる結核を患った方々が、少しでも早い社会復帰と、その後の完治を何よりも願うばかりです。そして、いつの日か体験したことを、若人へ語り受けついでいただけると幸いです。
IT界、教育界などに従事した頃から、本の執筆や講演を手がけるようになった。企業財務や特許などの統計調査に従事するなど、多彩な仕事経験を持つ。新しもの好きで、すぐに試したくなる性格により、失敗こそ多いのが少々難点といえる。Office系ソフト、情報処理技術者試験、電気工学など、数多くの出版作品があり、最近ではジャンルを問わず、いろいろな原稿を執筆している。
IT界、教育界などに従事した頃から、本の執筆や講演を手がけるようになった。企業財務や特許などの統計調査に従事するなど、多彩な仕事経験を持つ。新しもの好きで、すぐに試したくなる性格により、失敗こそ多いのが少々難点といえる。Office系ソフト、情報処理技術者試験、電気工学など、数多くの出版作品があり、最近ではジャンルを問わず、いろいろな原稿を執筆している。