言葉が話せない症状は長期に渡って改善する見込みがある障害
失語症や高次脳機能障害は、長期にわたって改善する見込みがある障害なのですが、医療保険や介護保険の事情で、まだ良くなる可能性があっても、「退院してください」「リハビリは終了です」と言われることが多くあります。
「私、まだ元に戻ってないのに。退院?」
「うまく喋れないのに、これからどうしたらいいの?」
「少しでも元に戻りたい」
「不安で不安でたまらない。でも、どうしていいか分からない」
私たちは、言語聴覚士として、こういった患者さんの声を山ほど聞いてきました。
リハビリに通っていたが、高次脳機能障害などのため、通院、通所の負担が大きくてあきらめた
自費での言語リハビリの費用が高額になるのではと心配
復職したけれども、言語リハビリを継続したい
言語リハビリをしたいが、近くに言語聴覚士がいない
研究メンバーは、2019年度三菱財団社会福祉事業・研究助成金により、オンライン言語リハのプログラムと効果を研究しています。
●1週間のできごとを「順をおって話をする」
記憶の練習をかねて、順番に話をしてもらいます。もちろん相手に、必要な情報が伝わるように5W1Hを意識して話をします。どうしても忘れる人は、手元に「いつ・どこで・だれが・何を」そして「なぜ・どのように」も書いておきます。「なぜ・どのように」はすぐに言わなくても、相手から質問が来た時に答えるでもOKです。
●気になったニュースの「要点」を伝える
「見出しをつけるとしたら?」と練習をしていきます。たくさんの情報から、ポイントを抽出するのが苦手になる人もいます。話している内容を、言語聴覚士が書き留めて、大項目・中項目・小項目と、一緒に整理していきます。
●事実3つに、感想1つで話す
事実と自分の感想や意見をごちゃまぜにして伝えると、相手にわかりにくいのです。事実を3つ述べ、最後に、その事実から自分がどう思ったのか、どう感じたのかを話す。こうした型にそって話をしていくことは、自分の思考の整理にもなります。
●簡単な挨拶訓練
失語症などの方に「おはようございます」「ありがとうございました」「さようなら」とその場にあわせた挨拶の訓練を行います。
また、「今日のお天気はどうですか?」「昨日はどこかに出かけられましたか?」「朝ごはんは何を召し上がりましたか?」等、人と会った時に口に出すようなやり取りを行い、言葉を引き出す訓練をします。
●はい、いいえの表現訓練
脳梗塞や脳出血などが原因で失語症になり、言葉を発するのが難しくなっても、相手の質問に「はい」「いいえ」をはっきり答えることができたら、なんとなく会話は通じます。
しかし、失語症などの方は、ついつい何か答えようとして、「はい」「いいえ」と表現することがおざなりになります。この癖を身に着けてもらうようリハビリしていきます。
●絵カードを使っての会話練習
言語リハビリ用の絵カードを用いて、カードを「共通の話題」として使います。鉛筆のカードを見ながら「日頃、使いますか?ボールペンのほうが多いですか?」など問いかけて答える練習をします。
また、絵カードと動詞を組み合わせて、文章を作る訓練も行います。例えば、「鉛筆」なら「鉛筆で・・書く」とか「鉛筆を・・削る」などです。
2018年X月左脳梗塞で急性期病院に搬送。18日目に回復期病院に転院。3か月目で退院。退院後すぐに言語オンラインリハビリ開始。
発症7か月で配置転換し、復職。
喚語困難、談話障害あり。
<言語リハビリの内容>
①一週間のふりかえり
ご本人が、1週間内に経験したエピソードの中から一つを選び、全く状況を知らない人(社会人を想定)でもわかるように説明をしてもらいました。
具体的に言葉で説明しにくい箇所を、はしょってしまう傾向があるったので、言語聴覚士の誘導で丁寧に説明できるように促しました。
こうして、説明する練習を繰り返し、少しずつ言葉を獲得してきました。また、話す順序も、型にそって繰り返し練習し、改善していきました。
②業務とニーズに合わせたプログラムを実施
会議を想定した対話の練習。長文の聞き取り(メモをしながら)とまとめを実施しました。
例えば、ご本人が「ミーテングでは、私の話をよくわかってくれないんですよ」と訴える場合、「だれが何に対してわかってくれないのか」「どんな反応があったので、わかってくれないと感じたのか」「どう伝えたら理解してもらえるのか?」など、すべて言葉で説明してもらうことで、言葉の改善をうながしていきました。
③談話練習
これらの言語リハビリを1年間実施しました。その結果、事前準備が必要ですが、プレゼンは好評を得るようになり、少しずつ回復傾向にあります。そして、ご本人やご家族、同僚からも喜びの声を頂いています。
2014年X月外傷性クモ膜下出血。6か月の回復期病院入院、その後3か月外来リハ実施。自宅療養後、管理職から一般事務に配置転換し復職。
コミュニケーションの行き違いが多く孤立化。
2019年よりオンラインリハ開始。
喚語困難、談話障害、遂行機能障害、易疲労あり。
<言語リハビリの内容>
①一週間のふりかえり
ご本人が、1週間内に経験したエピソードの中から一つを選び、決められた時間内に話をしてもらいました。テーマがそれてしまうことが多いので、ずれたら言語聴覚士から指摘をして、修正を繰り返します。体調管理については、自覚を得るために、細かく話してもらいました。
➁障害についての学習・プレゼンの練習
失語症について職場の人に理解してもらうためだけでなく、将来、同じような仲間を支援(ピアカウンセリング)したいとのことだったので、失語症全般についてテキストをもとに学習していきました。
毎回、予習したテキストの内容で、わかりにくい箇所を言語聴覚士が説明しました。さらに同僚に症状を説明するための資料を作成、それをもとに質疑応答の練習をしました。
③談話練習
気になったニュースについて、「そのニュースを知らない」人に教えるというシチュエーションを想定して練習しました。わかりにくいところ、詳しく説明してほしいところを、言語聴覚士が質問し、対話形式で言語リハビリを進めました。
これらを半年実施しました。人と会話をする際の苦手意識は軽減してきています。現在も、レベルを上げて談話練習を言語リハビリを継続しています。
2017年X月脳炎発症。回復期病院を退院後は、リハセンターでOT,ST継続。2019年1月よりオンラインリハ開始。
2020年5月に小学校教員に復職、同時に外来リハ終了。
喚語困難、談話障害、遂行機能障害。
職務遂行に対し不安が強い。
<言語リハビリの内容>
①一週間のふりかえり
仕事に自信を持ってもらうため、1週間のできごとの中から「できたこと」に焦点をあてて、話をしてもらいました。できなかったこと、特に他人の評価についての認識については、「事実」なのか「自身の認識」なのか区別を促しながら言語リハビリを行いました。
➁言葉の説明
話題になっている言葉、よく使う言葉、地元のネタなどについて、小学1~3年生を相手と想定して説明してもらいました。わかりくいところなどがあれば、言語聴覚士によるアドバイスを行いました。
③談話の練習
時系列にそって話をする、論理的に話をする練習をしました。いずれも、職務にあわせた複雑で長文のものを題材に選びました。
これらの言語リハビリを1年半行っています。言語機能の改善とともに、職責が増えているので、引き続きレベルを上げて実施しています。
2017年X月脳炎発症。回復期病院を退院後は、リハセンターでOT,ST継続。2019年1月よりオンラインリハ開始。
2020年5月に小学校教員に復職、同時に外来リハ終了。
喚語困難、談話障害、遂行機能障害。
職務遂行に対し不安が強い。
<言語リハビリの内容>
①一週間のふりかえり
仕事に自信を持ってもらうため、1週間のできごとの中から「できたこと」に焦点をあてて、話をしてもらいました。できなかったこと、特に他人の評価についての認識については、「事実」なのか「自身の認識」なのか区別を促しながら言語リハビリを行いました。
➁言葉の説明
話題になっている言葉、よく使う言葉、地元のネタなどについて、小学1~3年生を相手と想定して説明してもらいました。わかりくいところなどがあれば、言語聴覚士によるアドバイスを行いました。
③談話の練習
時系列にそって話をする、論理的に話をする練習をしました。いずれも、職務にあわせた複雑で長文のものを題材に選びました。
これらの言語リハビリを1年半行っています。言語機能の改善とともに、職責が増えているので、引き続きレベルを上げて実施しています。
利用者様の声
オンラインに抵抗がありましたが、簡単でした
※成果には個人差があります
40代女性
50代女性
50代男性
40代女性
20代男性
60代男性
10代の親御さん
40代女性
オンラインビデオ通話の接続方法が不安な人はサポートいたしますのでご安心ください。
3回まで接続の練習を行います(練習)。
ことばの天使 オンライン言語リハビリ
代表 言語聴覚士 西村紀子
1992年 大阪大学人間科学部卒業
2003年 言語聴覚士 取得
老人保健施設、療養病院、一般病院、回復期病院、脳神経外科病院にて勤務。
2018年 NPO法人Reジョブ大阪を設立
高次脳機能障害者、失語症者の社会復帰支援、家族のケア、啓発を理念に、当事者会、講演やイベントなどSNSを使って広く活動
2019年 (株)くるみの森を設立。オンラインでの言語リハを事業化
2020年 「失語症の日」認定に関わる。
現在、当事者や家族が障害について学び、自立した生活を支援するオンラインスクール「脳ケアゼミ」を運営。
【関連サイト】
Reジョブ大阪 https://www.re-job-osaka.org/blog
言語聴覚士のお仕事 http://kurumin.jp/
【学会発表】
口腔ケア学会・日本摂食嚥下リハビリテーション学会・言語聴覚士学会・高次脳機能障害学会・臨床脳神経外科学会・リハビリテーションケア大会・回復期リハビリテーション学会など
【論文】
急性期病院における就労支援の困難さと、当院外来リハビリの取り組みについて
【執筆】
看護技術「認知症ケアにおける看護倫理」嚥下障害領域 2018年5月 メディカルフレンド社
「アドバンス・ケア・プランニングの実践」高次脳機能障害領域 2019年5月 メディカルフレンド社
みんなの図書館「見えない障害について」2019年5月号 教育史料出版会
【出版】
「知っといてぇや これが高次脳機能障害者やで」2018年5月
「言語聴覚士のお仕事」 ネクストパブリック社(オンデマンド出版)
【講演】
闘病記フェスティバル「障害とともに暮らす」「学童期における高次脳機能障害」
中材業務および感染対策研究会「面で支える看護師と点で関わる言語聴覚士」
大阪府立高校・常磐学園大学「命の教室 高次脳機能障害を知っていますか?」
大日本住友製薬会社「高齢化社会に伴う嚥下障害」
大阪市立中央図書館「見えない障害について」
東大阪高次脳機能障害当事者会「見えない障がいを理解するために」 など
【セミナー】
高次脳機能障害者の社会復帰支援 (株)gene (株)Altura
高次脳機能からみる自己の気づき NPO法人Reジョブ主催
嚥下障害者に対する事故防止研修・意思決定支援・脳外傷による見えない障害「高次脳機能障害について」 (公財)介護労働安定センター
その他、言語聴覚士養成校、看護師養成校、老人保健施設、有料老人ホーム、大学医学部など
これは編集画面用のサンプルです。
「プレビュー」から実際の見た目をご確認ください。
これは編集画面用のサンプルです。
「プレビュー」から実際の見た目をご確認ください。
これは編集画面用のサンプルです。
「プレビュー」から実際の見た目をご確認ください。
ただし、当社提供のサービスの趣旨に合わない場合や当社の事業や関連当事者の信用を損なう可能性がある場合、掲載が不適切と判断されるサイト様はお断りさせていただいております。あらかじめご了承の程お願いいたします。
サイトURL:https://peraichi.com/landing_pages/view/kuruminomorionline
サイトタイトル:くるみの森オンライン言語リハ
サイトバナー:お手数ですが左のバナーを右クリックし、名前をつけて画像を保存しご利用ください。
リンクに関するお問い合わせは下記お問い合わせボタンよりご連絡ください。
株式会社 くるみの森
MAIL: kuruminomori21@gmail.com
TEL: 050-3550-0221
大阪市中央区南本町2-4-16 本町デビスビル7階