歌川国芳筆「東都名所シリーズ」から
「東都名所両国の涼」「東都名所両国
柳橋」「東都名所鉄砲州」を考察。三
画共、ペリー提督が1853年アメリ
カ大統領の国書を携え4艘の黒船を率
い浦賀に来航した黒船艦隊来航を描い
た画である。2艘の蒸気船が2艘の帆
船を曳き来航した。白頭鷲、ガラガラ
蛇、ロバも登場する。三画共画中に四
艘の黒船が描かれる。構図は国宝絵巻
「鳥獣人物戯画」甲巻から採る。
先に画から考察。
1、中央の男がアメリカ大統領の国書
を幕府に押し付ける名将ペリー提督。
2、十三星を冠する白頭鷲が画面中央
に鎮座する、白頭鷲はアメリカ大統領
旗である。白頭鷲はアメリカ大統領の
国書の受け渡しを見届けている。
3、屋形舟で浦賀奉行戸田氏栄と井戸
弘道がアメリカの国書を受け取る。
舟の奥には老中阿部正弘が控える。
芸者が三味線を弾く、アメリカ艦隊は
見かけ倒しで三味を弾いている。
4、アメリカ海軍旗のガラガラ蛇の帽
子を被ったアメリカの水兵達が騒ぐ。
5、花火が上がる、これは黒船艦隊が
湾内で打ち上げた威嚇の空砲である。
6、右の提灯に千八百五十三の文字。
1853年は黒船来航の年である。
次に画題から考察。
画題の両国とは日本とアメリカの事。
画題「東都名所両国の涼」=「とうと
う名将ペリーが来航した両国の令」=
「とうとう名将ペリーが来航したどう
なる日本とアメリカの条約」となる。
幕府はついにペリー艦隊の威嚇に屈し
アメリカの国書を受理する。構図は日
本の国宝絵巻「鳥獣人物戯画」甲巻か
ら採る。以下に関連画像を掲載する。
先に画から考察。
1、4艘の黒船の前に立ちアメリカの
国書を渡すブチの犬がペリー提督。
木陰からロバがアメリカの国書の受け
渡しを見届けている。ロバはアメリカ
民主党のマスコット。時のアメリカ大
統領ピアースは民主党員である。
2、怯える2匹の白い犬は、浦賀奉行
戸田氏栄と井戸弘道の二人ある。
3、提灯を持ち、話を立ち聞きする男
は老中阿部正弘である。
4、遊女が男(帆立)を引く、黒船は
蒸気船が二艘の帆立船を曳いて来航。
次に画題から考察。
画題の両国とは日本とアメリカの事。
画題「東都名所両国柳橋」=「とうと
う名将ペリー提督が来航した両国の矢
無き話」の意となる。
その後、アメリカの威嚇に屈し日本は
開国に向かう。「鳥獣人物戯画」から
構図を採る。以下に画像を掲載する。
先に画から考察。
1、三人の役人が、釣り人に身を変え
黒船艦隊の来航を監視している。
2、中央の男はド派手な帆立貝を背に
敷く、黒船艦隊は蒸気船が帆立船を後
ろに曳き来日した事を揶揄している。
3、沖に4艘の黒船が微かに見える。
次に画題から考察。
鉄砲洲はピストルの国アメリカの事。
画題「東都名所鉄砲洲」=「とうとう
名将ペリーが来航したアメリカから」
その後、アメリカの威嚇に屈し日本は
開国する。構図は「鳥獣人物戯画」か
ら採る。以下に関連画像を掲載する。