嘉数高台公園から米軍基地について学ぶ
基地のある日常で学ぶ平和な未来
沖縄戦や平和について
「がち(本気)でゆんたく(話す)」
実現型ディスカッション企業「株式会社がちゆん」のプロデュースで、今回の友愛キャンプで実際に見て感じたことについてディスカッションを行います。
(2015年3月23日琉球新報論壇)
去る2月11日から14日にかけて兵庫県で開催された「第42回兵庫・沖縄冬期友愛キャンプ(主催・兵庫県、沖縄県)」に参加しました。
この事業は戦後間もなく、兵庫県出身の島田叡元沖縄県知事や戦後復興の手助けをしてくださった兵庫県の多くの方々の好意を受けて、兵庫・沖縄両県の交流をより一層深めることを目的に始められました。
私は今回初めて参加させていただき、さらに沖縄青年団代表として多くの成長の機会を与えていただきました。沖縄での事前研修の後、兵庫での本研修へ向かいました。4日間の本研修はあっという間に過ぎ、沖縄へ戻り事後研修を経て全てのプログラムを終えました。
この事業の良い点は、単に交流をして青年同士の仲を深め観光地を巡るだけではなく、両県の歴史や過去について学び、これからの時代に生かして、リーダーを育成しようとする点です。恥ずかしいことに私自身、この事業に参加するまでは兵庫と沖縄の結びつきすらあまり知らずにいました。
島田元沖縄県知事の活躍や、両県の青年たちのお互いの支え合いのことも深く学ぶことができた研修となり、得るものはとても多かったです。沖縄では史上最大とも言われる地上戦があり、兵庫では神淡路大震災という大きな自然災害が街を襲った過去があります。
沖縄の復興には全国から多くの支援があり、兵庫からも青年たちの多くのボランティア活動を受けて、沖縄は猛スピードで本土並みの復興を遂げました。兵庫で起きた震災時も同様に、全国や沖縄からたくさんのボランティア活動や支援活動が寄せられました。お互いの強いつながり合い、多くの支援活動なくしては現在の両県の発展はなかったと言っても過言ではありません。
さらに、この事業に参加した多くの先輩たちは日本にとどまらず、世界各地で活躍をされている方が数多くいます。今回参加した皆さんもこれからの兵庫や沖縄、日本を本島に背負っていけそうな人ばかりでした。私も負けじと、沖縄の将来を背負っていくつもりであります。
両県の決して忘れてはいけないつらい過去を後世に語り継ぐためにも、これからもこの事業が続き、みんなのリーダーとなっていく人たちを多く、世に排出してほしいと思います。
友愛の心、ゆいまーるの精神をもって、これからも両県の発展を祈願します。
那覇市、沖縄国際大学2年、20歳 當間太一
兵庫・沖縄友愛キャンプ
歴史学ぶ、つながり再確認
(2013年8月22日 琉球新報)
「第41回沖縄・兵庫夏季友愛キャンプ」が沖縄県交流推進課の主催で開催されます。次世代を担う沖縄と兵庫の若者が共に沖縄の自然や文化に触れ、歴史を学び、これからの社会の在り方を考える貴重な4日間です。
沖縄と兵庫の交流のきっかけは、太平洋戦争までさかのぼります。最大の激戦といわれる沖縄戦では兵庫県出身者にも多くの犠牲者が出ました。
また、厳しい戦火の中、最後の官選知事として大規模な疎開政策・食料調達・軍との関係改善に命懸けで取り組み、壮烈な最期を遂げた沖縄県知事島田叡さんも兵庫県出身でした。
兵庫県出身ながら、どのような状況でも沖縄県民の命を最優先に考える島田氏は沖縄県民の心の支柱でした。(先日、島田叡知事の生涯を迫ったドキュメンタリー「生きろ~戦場に残した伝言」が放送され、感銘を受けた方も多いと思います)。
戦争で焼け野原になった沖縄は米軍統治時代を経て、急スピードで復興を遂げました。その裏には、国や地方自治体、民間企業など多くの支援がありました。中でも特筆に値するのは、兵庫の若者たちの働きでした。彼らは沖縄の苦しみを自分のこととして捉え、精力的な復興支援を行いました。
街頭募金や農業技術交流など、「友愛運動」と呼ばれた彼らの活動は瞬く間に日本中に広がり、大きなムーブメントを起こしました。那覇市の奥武山総合運動公園の一角にあった「沖縄・兵庫友愛スポーツセンター」は、その時に建設されたものです。
41回を数える沖縄・兵庫友愛交流キャンプは、このような歴史の上に成り立っている事業です。先の大戦から68年、そして沖縄の本土復帰から41年がたち、多くの命が失われたつらい歴史を知る人は年々少なくなっています。
また、島田氏の功績もあまり知られていないのが現実ではないでしょうか。そのような中この交流キャンプが、歴史から将来を見つめ直し、戦中戦後の長きにわたり交わされた友愛と献身について再確認する大切な機会となると思います。
夏キャンプ後には別日程で報告会を開催し、キャンプに参加できなかった方々も一緒になって兵庫と沖縄の歴史や今後のつながりについて話し合う場を設ける予定です。この事業を通じて島田氏の思いを引き継ぎ、社会のリーダーとして羽ばたく若者が数多く誕生することをご期待・ご声援いただけると幸いです。
会社員、26歳 野中光