自分自身から離れて、いくら正解を探しても、どこまでも道に迷うだけ。

答えはすべて自分自身が持っているのです。

自分自身を見失ったまま、いわゆるワンオペ育児での産後を過ごし、仕事復帰して1年後には「強制終了」となって仕事にも行けなくなってしまったわたしは、しばらくはとにかく寝て、寝て、寝て、、、少しずつ回復すると同時に、「自分に還る旅」に踏み出しました。

わたしはもともと相手の感情などを過剰に読み取りすぎてしまうところがあり、人と関わることを苦手としていました。

実を言うと今でも、誰かと同じ空間で、長時間を過ごすことは得意ではありません。

そんな私にとって、ひとりで黙々と石と向き合うジュエリーアーティストとしての仕事は、まさに適職でした。

そして、石との出会いは、私に思いがけないもうひとつのギフトをもたらしました。

ひたすら石と向き合う時間に集中することで、さまざまなものの本質をフラットな目で見る目が磨かれたことです。

(万物と会話する力は、決して特別なものではなく、誰もが持っているものです。たまたまそれが磨かれる機会を多く持つことで研ぎ澄まされたということです)

おかげで、もともとマイナスに作用していた「人のことを読み取りすぎてしまう」という性質も、プラスに活かせるようになりました。

石と同じように、人を見る時も、その人の本質、どこで引っかかっているのか、どうすれば最大限に輝くのか。そういうことがわかるようになりました。