「越える工藝」

中国山地の山並は一見穏やかなようで、南北に位置する瀬戸内と山陰の気候や文化を隔てる険しい壁としてそびえ立ちます。からりと明るい瀬戸内と、気候が厳しい山陰では、人の気質や風景もがらりと異なります。一方で共通するのは海と山に囲まれた豊かな自然。森林資源、地下資源に恵まれた土地には古くからもの作りが根付き、かつては藩をまたぎ技術の交換も行われていました。 本展では、中国地方を拠点に創作をする磁器、陶器、木地、漆器の工藝作家四人の活動をご紹介します。これらの工藝は、いわば自然を切り取り人が使う道具に仕立てる技術です。繊細な季節の変化を肌で感じ、土の、炎の、木の、漆の小さな声を聞きながら対話する。そうして出来上がる作品は、作家が身を置く土地の空気を自然とまとっているようです。
四人の作家はそれぞれ四十歳前後という年齢にさしかかり、今その手に握られているのは時代を越え受け継がれてきた伝統の技術です。師匠から教えを受け、十数年にわたる研鑽を経、想い描いたかたちを表現できる技を身につけてきました。一方で先人が積み上げてきた伝統の中で、個としての輝きを放つことは容易ではありません。
時代の変化も壁となります。かつては天然の素材を使うことは、人の営みと直結していました。森が手入れされなければ、木材や漆が入手しづらく、環境の問題にも目を向けざるを得ません。また、くらしの変遷が人とものとの関係性を変え、工藝をとりまく流通にも変化が生まれています。現実的な苦難と向き合い、作家としてのありかた、生き方を模索することも作品作りの一環といえます。
どの時代でも作り手は様々な壁を越えなければなりません。もの作りの喜びと苦悩が同居する、若手工藝作家の創作の過程をご覧ください。

KOGEI Exhibition “Cross Over”

In SETOUCHI and SAN’ IN,diverse cultures have been cultivated by historical exchange related to industry and trade. They both reflect the different natural features and richness of the cultural climate.
This exhibition focuses on the works of the four craftsmen based in SETOUCHI and SAN’ IN.
The exhibits are porcelain, pottery, woodturning, and lacquer.
Four craftsmen are about 40 years old, and they inherit traditional techniques from their masters. Please pay special attention to their creative works carrying on the Japanese tradition.

越える工藝

KOGEI Exhibition “Cross Over”

瀬戸内と山陰を工藝でつなぐプロジェクト

Project of Connect SETOUCHI and SAN’IN with KOGEI


会期 | 2019年3月22日(金)~24日(日) の3日間
開場時間 | 11:00~17:00(最終日24日は16:00まで) 
会場 | 楠戸家住宅 Art Space はしまや&ギャラリーはしまや
   (岡山県倉敷市東町1-20)
料金 | 入場無料

Date | Thu 22 - Sun 24 March 2019 11am - 5pm, Venue Art Space Hashimaya & Gallery Hashimaya, Admission free


出品作家

藤本 かおり - 木地師
(工房このか)

Fujimoto Kaori - wood turner

1974年鳥取県鳥取市生まれ。鳥取県鳥取市在住。大学で建築を学び、その後飛騨高山の職業訓練校で木工を学ぶ。2002年鳥取県八頭郡若桜町の木地 師・山根粛氏のもとで木工轆轤を師事。また、漆芸を兵庫県山崎町の伝統京蒔絵師・武野恭永氏に学ぶ。2007年鳥取市河原町本鹿に「工房このか」設立。木地から仕上げの塗りまでを一貫して行っている。

Born in 1974. Living in Tottori City. She studied architecture at university and then studied woodworking at Hida Takayama. Since 2002 she studied under Yamane Tadashi, a Tottori prefecture traditional craftsman of wood turner. In addition, she studied lacquer art under Takeno Kyoei, a traditional Kyo Makie painter. Established "Kobo Conoka" in 2007. She has been doing consistently everything from shaping to coating with lacquer.


森 和之 - 陶芸家

Mori Kazuyuki - ceramist


1979年鳥取県出身。鳥取県鳥取市在住。2006年前田昭博氏(人間国宝/白磁)に師事。2011年鳥取市青谷町にて独立。2016年日本工芸会正会員。2015年日本伝統工芸中国支部展鳥取県知事賞。2015・17年鳥取県美術展覧会県展賞。2018年日本伝統工芸中国支部展日本工芸会賞。

Born in 1979. Live in Tottori City. In 2004 graduated from ceramic course, crafts department, Osaka university of arts. Since 2006 he studied under Maeta Akihiro, a living national treasure of white porcelain. Independent in 2011. 2016 Full member, Japan Kogei Association 2015 Japan Traditional Kogei Chugoku Branch Exhibition, Tottori Prefectural Governor Award 2018 Japan Traditional Kogei Chugoku Branch Exhibition, Japan Kogei Association Award


森和之HP

前坂 成哲 - 漆芸家

Maesaka Nariaki - lacquerware artist


1980年広島県廿日市市生まれ。岡山県新見市在住。2002年香川県漆芸研究所に入所。2005年岡山県指定重要無形文化財保持者・山口松太氏に師事。2009年日本伝統工芸中国支部展岡山県教育委員会教育長賞受賞。2011年日本伝統工芸中国支部展岡山放送賞受賞。2016年日本伝統工芸中国支部展山陽放送賞受賞。

Born in 1980. Living in Niimi City. In 2002 entered the Kagawa Urushi lacquer Ware Institute. Since 2005 he studied under Yamaguchi Matsuta, important intangible cultural property of Okayama prefecture (lacquer art). 2009 Japan Traditional Kogei Chugoku Branch Exhibition, Okayama prefectural board of education committee education chief Award 2011 Japan Traditional Kogei Chugoku Branch Exhibition, OHK Award 2016 Japan Traditional Kogei Chugoku Branch Exhibition, RSK Award


山本 佳靖 - 陶芸家
(国造焼)

Yamamoto Yoshiyasu - ceramist


1981年鳥取県倉吉市生まれ。鳥取県倉吉市在住。2001年父・浩彩に師事。2013年第56回日本伝統工芸中国支部入選(以降2回)。第22回日本陶芸展入選(以降1回)。2017年第34回田部美術館大賞「茶の湯の造形展」奨励賞受賞。鳥取県美術展覧会無鑑査。

Born in 1981. Live in Kurayoshi City. Since 2001 he studied under his father,Yamamoto Kosai, a Tottori prefecture designated intangible cultural property of Ceramics. 2013 selected for the Japan Traditional Kogei Chugoku Branch Exhibition (After that, twice) Selected for the Japan Ceramic Art Exhibition (After that, once) 2017 Tanabe Museum of Art "Exhibition of tea ceremony", Incentive Award Tottori prefecture art exhibition, exemption of examination


会場

楠戸家住宅 Art Space はしまや&ギャラリーはしまや

岡山県倉敷市東町1-20

楠戸家住宅
Kusudo House

倉敷市指定重要文化財(主屋 1棟) / 国指定登録有形文化財(主屋ほか5棟)

Kurashiki City Designated Important Cultural Property, National Registered Tangible Cultural Property

 

「はしまや」の屋号を持つ楠戸家は、明治 2 年創業の 呉服店。現在の店構えは明治中期に整えられたとさ れ、明治時代中期を代表する町家として、倉敷の町 家の歴史を現代に伝えています。昭和30~40年代に は司馬遼太郎、バーナード・リーチ、W.グロピウスなど、国内外の著名人が訪れた場所でもあります。 呉服店の営業を続けながら蔵をカフェやギャラリー に改装して新たな価値を創造しており、倉敷における古民家再生の代表例でもあります。

"Hashimaya" Kusudo house is a historic Kimono store founded in 1879. It is a Machiya which is representative of the Meiji era in Kurashiki. In the Showa 30-40's, Shiba Ryotaro, Bernard Leach, W.Gropius and others visited. It is also a representative example of old traditional house revitalization in Kurashiki, such as refurbishing a traditional warehouse "Kura" to a cafe and gallery.

Photo : R.HATA

関連イベント
ギャラリーを巡るまち歩き

「鳥取の工芸作家と巡る~倉敷ギャラリーさんぽ」

日時 | 3月21日(木祝)13:30~15:30
集合 | Art Spaceはしまや
コース | Art Spaceはしまや~大原美術館~倉敷民藝館~日本郷土玩具館のくら

参加費 | 入館料・飲み物代実費 2,400 円程度(民藝協会員は入館料無料)
定員 | 7名 (事前予約先着順、Facebook イベントページにて申し込み受付)

本展出品作家 森和之、山本佳靖とともに、大原美術館工芸館、倉敷民藝館を巡ります。最後は日本郷土玩具館「のくら」でお茶を飲みながら、ゆったりとしたひとときを楽しんでいただきます。まち歩きの案内役は、倉敷の歴史と散歩に詳しい鳥取大学の成清仁士准教授がつとめます。

出品作家ギャラリートーク 「越える工藝と私たち」

日時 | 2019 年 3月23日(土) 13 : 30 -14 : 30
集合 | Art Space はしまや
参加費 | 無料 お申し込み不要 どなたでもご参加頂けます

本展出品作家が本展や作品についてご紹介します。 

主催 | 瀬戸内と山陰を工藝でつなぐプロジェクト実行委員会
共催 | 鳥取大学地域価値創造研究教育機構
後援 | 公益財団法人福武教育文化振興財団/公益財団法人とりぎん青い鳥基金/山陽新聞社/新見市/倉敷市教育委員会/鳥取県/beyond2020
*本展覧会は、公益財団法人福武教育文化振興財団文化活動助成、公益財団法人とりぎん青い鳥基金助成金の助成事業として実施するものです。
協力 | NPO法人倉敷町家トラスト/池本喜巳小さな写真美術館

公益財団法人とりぎん青い鳥基金

公益財団法人福武教育文化振興財団文化活動助成

鳥取大学地域価値創造研究教育機構 

鳥取大学

beyond2020

narikiyo@tottori-u.ac.jp

瀬戸内と山陰を工藝でつなぐプロジェクト実行委員会(代表:鳥取大学地域価値創造研究教育機構 成清仁士)