歯科医院や薬局などへの、厚生局の指導監査に関するコラムです。
個別指導の際や日常の診療などにご活用ください。
1 歯科医院に対するもの
個別指導について全体的に把握するために、まずは、個別指導の仕組みを理解することが重要です。日常から保険診療の理解に努めることが望ましいですが、個別指導に当たってしまった場合は、ポイントを的確に把握する必要があります。
その見地から、以下のウェブページは、監査も含め、基本的な歯科個別指導への心構えの記載がありますので、関連するコラムも含めてご参考下さい。
歯科の個別指導と監査
歯科の指導・監査については、以下の書籍も参考になります。改訂版の『歯科の個別指導・監査・医道審議会の行政処分への対応法』という書籍であり、基本的な厚生局の歯科医院への個別指導の流れが対話形式で記載され、また、保険医療機関の指導監査に加え、医道審議会の歯科医師免許に係る行政処分(免許取消し・業務停止等)についても記述があります。
個別指導(歯科)の対方法
また、歯科医院に対する個別指導については、厚生局の指摘事項を的確に把握することが重要です。
一例として近畿厚生局の歯科の個別指導での指摘事項のページを挙げますので、ご参考下さい。
個別指導(歯科)における主な指摘事項
また、厚生労働省のホームページですが、保険診療における指導監査の重要な情報が詰まっており、最新の情報の記載もあり、以下のページも内容を熟読することをお勧めします。集団指導用資料、特定共同指導・共同指導における指摘事項、保険診療(保険調剤)確認事項リスト、適時調査実施要領、関係法令、指導・監査の実施状況などの資料等が掲載されています。個別指導について理解するためには、どれもたいへん重要な資料です。
保険診療における指導・監査
なお、個別指導の実例などについては、相対的に十分な準備を要する患者の情報提供に基づく個別指導について、医科のものですが、例えば以下の記事が参考になります。監査に至った具体的なケースを知ることは、今後の見込みについての的確な把握に繋がりますので、きちんと読み込んで、自身の個別指導に活かすことがポイントです。
不正請求の患者の情報提供での個別指導
2 薬局に関するもの
薬局に関する個別指導は、基本的には歯科医院に関するものと同様の仕組みとなっていて、留意事項なども歯科と同様ということになります。もっとも、歯科に比べると、調剤報酬の請求の仕組みが分かりやすく、医療機関の処方箋がベースにあることから、不正請求・不当請求がなされずらいとはいえると思われます。これについても、保険調剤の基本的な仕組みを理解することが重要であり、例えば、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室による以下の資料を読み込むことは、その助けになると思われます。
保険調剤の理解のために
また、保険薬局への全体的な個別指導の流れや留意事項については、以下のコラム一覧で紹介されている薬局個別指導に係るページも参考になります。ご覧いただければ記載がありますが、保険薬局で取消処分がなされる例は、例年、そう多くはありません。これは、薬局が医科や歯科の医院に比して不正が行いずらいことが影響していると思われます。薬剤師の方は、高点数ではない情報提供による個別指導になりびっくりしたとしても、事実として取消処分・取消相当に至ることは稀ですので、悲観的にならずに、最新の情報を収集をしつつ、冷静に対応することがポイントです。
薬局の個別指導
以上、つらつらと並べましたが、個別指導では、繰り返しになりますが、正確な情報把握が重要です。情報の有無で、対応も変わり得ますし、結果も左右され得るというべきです。また、個別指導に当たった場合は、一人では、自分自身のことですので、正しい判断が行いづらいため、厚生局の個別指導に臨む医師、歯科医師、薬剤師の方は、ぜひとも詳しい第三者の方に相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。