「KINTO」はトヨタのサブスクリプションサービスとして注目を集めています。とはいえ、「大手メーカーのサブスクだから安心。」と深く考えずに契約すると、思わぬ落とし穴にはまってしまう可能性もあります。
本記事では、KINTOのデメリットに焦点を当て、サービスの利点とともにバランス良くご紹介いたします。サブスクリプションモデルの利便性と引き換えに考えておくべきポイントについて深堀りしていきましょう。
KINTOの最大のデメリットは、サブスクリプション期間終了時に車両を購入できないという点です。通常の車の購入とは異なり、KINTOを利用することでユーザーは車の所有権を持ちません。サブスクリプション期間が終了すれば、車両は返却され、将来的な所有の可能性がなくなります。
この仕組みにはいくつかの考慮すべき点があります。まず、サブスクリプション期間中は毎月の支払いが続くため、長期的に見ると車を所有するよりも総費用が高くなる可能性があります。また、愛着のある車を所有する喜びや、将来的な買い替えの柔軟性も制限されます。
一方で、サブスクリプションモデルは車の維持や保険などを含む手続きが簡略化され、柔軟な利用が可能な利点もあります。しかし、自分の車を所有することの重要性や将来の資産構築を重視するユーザーにとっては、このデメリットはよく検討するべきポイントとなります。
KINTOを利用した際、返却時の車の状態が悪い場合、原状回復として追加の費用が発生する可能性があります。通常、サブスクリプション期間中に生じた通常の使用に起因する摩耗や傷などは許容範囲内とされていますが、異常なダメージや修理が必要な場合には追加の費用がかかることがあります。
これは、通常の車のリース契約と同様に、一定の使用基準を守る必要があるためです。ユーザーが車を普段づかいする場合には、事前に定められた基準を確認し、通常の使用範囲を超えるダメージを避けるよう心がけることが重要です。
この点を考慮すると、サブスクリプションモデルを利用する際には、車両の取り扱いに慎重さが求められます。所有する場合よりも気を遣う必要があるということですね。
サブスクリプションモデルにおいて、走行距離制限があることは一つの制約となります。通常、契約時にあらかじめ決められた月間または年間の走行距離が設定され、これを超えると追加の料金がかかることがあります。
この制約は、利用者のライフスタイルや予測できない変化に対応する柔軟性を制限する要因となります。特に予測しきれない急な用途変更や長距離ドライブを好む場合には、制限が煩わしく感じられる可能性があります。
一方で、走行距離制限はサブスクリプションモデルがコストを抑え、利用者によりリーズナブルな価格で車を提供できる一因とも言えます。ただし、この点も利用者が契約前に注意深く確認し、自身の車の使用パターンに合ったプランを選択することが重要です。
KINTOのサブスクリプションで提供される自動車サービスには、通常、自動車保険が含まれています。しかし、今現在すでに加入中の自動車保険の等級や割引などは、サブスクリプション契約に引き継がれません。
既存の高い等級を持つ任意保険を解約することで、その等級の恩恵を失う可能性があり、これが利用者にとって不利益となります。
ただ一方で、保険料が通常よりも高い若いドライバーにとって、サブスクリプションモデルを利用することで、自動車保険が含まれていることがコスト面でメリットとなる場合があります。特に若いドライバーは、通常、高い保険料が課せられることが一般的です。
サブスクリプションモデルでは、車両の維持や保険などがパッケージ化され、月額料金に含まれているため、予測しやすい支出となります。このため、若いドライバーにとってはトータルでのコストが安くなり、予算の管理がしやすくなるという利点があります。
ただし、これも個々の状況や運転パターンによりますので、利用者は自身の状況に合った契約内容を検討する際に注意深く比較検討することが重要です。
KINTOでは任意保険がプランに含まれ、外すことができません。
これは、契約者が別途任意保険を選択することができない仕組みとなっていることを意味します。そのため、利用者が育てた任意保険の等級を使用することが難しくなり、これがデメリットとなります。
KINTOの中途解約には高額な違約金がかかり、さらに一括支払いが条件となっています。
月額料金だけでなく解約に関する条件もしっかりと理解しておく必要があります。利用者が契約期間中に車両を返却したい場合や、他の車種に乗り換えたい場合など、事前に確認が必要なポイントです。
KINTOには途中解約可能な「解約金フリープラン」も用意されてます。
このプランは途中解約が可能である反面、月額料金5か月分相当の申込金が必要であり、その契約期間は3年と短く、ボーナス併用払いも利用できません。
そのため、サブスクサービスの大きなメリットである、まとまった頭金が要らないというキャッシュフロー上のメリットが減少してしまいます。
解約金フリープランは途中解約の可能性が高い人以外にはおすすめしづらいプランです。
KINTOには「のりかえGO」というサービスがあり、契約期間中に別の車種に乗り換えることができます。
「のりかえGO」を利用することで、解約金よりも低い費用でKINTOの他の車種に移行できますが、いくつかの重要な点があります。
留意すべき点は以下の通りです。
のりかえGOは契約期間によって異なる申し込み可能期間があります。具体的な期間は次の通りです。
3年プラン:契約開始後、18ヶ月目から契約満了の4ヶ月前まで
5/7年プラン:契約開始後、36ヶ月目から契約満了の4ヶ月前まで
つまり、一度申し込みすると一定期間はその車種を続ける必要があります。5年プランと7年プランでは3年経過しないと利用できません。
特に注意すべきポイントは、契約後2年目で乗り換えが必要になった場合、このサービスは利用できないことです。
その場合、残り1年間は契約車を続けるか、解約金を支払って途中解約することになります。
KINTOでは、利用可能な車種がトヨタ車およびレクサス車に限定されます。これは、KINTOがトヨタ自動車株式会社のグループ企業によって運営されているためです。現在のところ、他社ディーラーの車種は提供されていません。また、KINTOでは軽自動車の提供がないため、軽自動車をリースしたい場合にはKINTOを利用することはできません。
KINTOの対象車種は普通車に限られるため、車庫証明が必要です。一方で、軽自動車は地域によっては車庫証明が不要な場合がありますが、KINTOに移行する際には車庫証明が必要となります。この手続きはディーラーの営業マンが納車時に行います。
普通車のみが選択肢であることから、軽自動車を主に取り扱う一般的なカーリースサービスに比べて、KINTOの利用料金が高く感じられる可能性があります。
KINTOでは、契約期間中の税金や任意保険、車両のメンテナンス代金など、車に関する出費が全て1つにまとめられています。
しかし、唯一含まれていないと言って良いのが駐車場代で、別途必要となる点に注意が必要です。また、他にもガソリン代・高速有料道路代についても実費負担となります。
KINTOは便利なサービスですが、契約に関連するいくつかの問題点が存在します。
その中で、TOYOTAディーラーでの契約において、営業マンのインセンティブが少ないことが挙げられます。これにより、営業マンが残クレ(残価設定クレジット)を利用した車両購入を推奨することがあるかもしれません。
その解決策としては、Webからサービスに申し込むことで、営業マンとの直接のやりとりが減り、オンラインで契約を進めることができます。
直接ディーラーで契約するよりも、営業マンのプレッシャーを感じにくくなります。また、詳細な契約情報や条件を確認しやすく、ゆっくりと比較検討することが可能です。
そのため、KINTOの申し込みはWeb申し込みがおすすめです。
ただし、オンラインでの申し込みも注意が必要です。契約条件や注意事項を十分に理解し、必要であればオンラインでも十分な質問をして確認することが大切です。
ここまでKINTOのデメリットについて詳しく解説してきました。
以下は、KINTOのメリットをご紹介します。
KINTOでは、自宅にいながらスマホ一つで手軽に契約ができます。仕事が忙しい方や小さなお子さんがいてディーラーに行くのが難しい方でも、空いた時間にじっくりと申し込みができる便利なサービスです。
KINTOはトヨタの正規販売店で車検やメンテナンスを受けることができます。安心して車を預けることができるだけでなく、新しい場所に引っ越してきた方や信頼できる工場がない方にも好評なサービスです。
KINTOの月額料金には車の維持費用のほぼ全てが含まれています。契約期間中の車検代やメンテナンス代、税金も全て込みなので、大きな支出を心配せずに済みます。月額料金には以下の項目が含まれています。
車両代金
KINTO所定のオプション(装備品)代金
登録諸費用
自動車税環境性能割
契約期間中の各種税金・保険(自動車税種別割、重量税、自賠責保険料、自動車保険(任意保険)料)
メンテナンス費用(点検、故障修理等)
車検費用